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本当にこのままでいいの? 気候変動問題をストリートアートで表現し続ける 「NeverCrew」

こちらの記事は、greenz peopleのみなさんからいただいた寄付を原資に作成しました。

突然ですが、みなさんは、“ストリートアート”や、“グラフィティ”と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?

少し治安の悪い繁華街の路地裏や古いビルの壁、人気のない商店街のシャッターに、スプレーで描かれた落書き…あまりポジティブなイメージを思い浮かべる方は少ないかもしれません。

ヒップホップの構成要素の一つとされるグラフィティは、街中をキャンバスとして捉え表現するもの。その発祥は、諸説ありますが、もともとは平和的・非暴力的な手段で仲間内にメッセージを発信するコミュニケーションの一種として存在していました。

今回ご紹介する「NeverCrew」は、現代社会が抱える気候変動・環境問題に対してメッセージを発信するストリートアーティスト。まずは、彼らの作品をいくつか見てみましょう。

まずは、「Black Machine」という作品。下半身が、黒いタールのようなもので覆われたシロクマに。私たちの日々の生活が、行動が、地球を壊しつつあることを忘れていないか問いかけられているようです。
 
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こちらは、「Signalling Machine」という布に覆われたクジラを描いた作品。地球温暖化の影響でがんじがらめになり、苦しんでいるようにも見えます。
 
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「See Through/See Beyond」という作品。モノの由来や歴史を置き去りにして、ただモノを消費し続け力を手に入れてきた人間が、自分の立場を見失っている様子を描いたといいます。
 
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「Imitation of Life no9」という作品で描かれているのは、ちょっと気持ち悪い足の生えたクジラ。私たちが環境に大きな変化を及ぼしかねない現実を見せられているようです。
 
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「Exhausting machine」ペットボトルに閉じ込められたシロクマ。軽い気持ちで道端に捨てたゴミが、地球に住む多くの生き物を苦しめている現状をつきつけられます。
 
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これらの作品を生み出した「NeverCrew」は、Christian Rebecchi(以下、クリスチャンさん)と Pablo Togniさん(以下、パブロさん)の二人組。

二人が活動を始めたのは、1996年のこと。もともとクリスチャンさんとパブロさんは、そんなヒップホップカルチャーの一端である音楽テープのグラフィックを作成しており、二人は自然に街の壁をキャンバスとして作品をつくり始めたそう。

彼らは、自らのアート作品は”言葉”であると語ります。

私たちは、アーティストとその作品を見る人たちの間に、決して楽観できない社会の様々な問題をテーマに、作品を通して“会話”を生み出すことを目指しています。

私たちは、多くの人たちと私たちなりのコミュニケーションをとるために、 自分たちの“言葉”として作品をつくり続けています。

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左:クリスチャンさん

本来、私たち人間は、国籍も性別も人種も関係なく、動物・植物とともに、一つの地球に住む同じ生き物として、共生していくのが理想のはず。

でも現実では資源の浪費は進み、2015年には地球が1年で生成できる資源をたったの8ヶ月で使い切り、世界の人口1%にあたる富裕層が、世界の富の半分を保有している状況。毎日、世界のどこかで紛争も絶えず起こっています。

私たちの住む日本も、こういった気候変動・環境問題と無関係ではありませんが、きちんと意識していなければ、普段の生活は何も変化が起きぬまま過ぎてしまいます。

「NeverCrew」が私たちに問いかけ続けているのは、「このままでいいのか?」ということ。みなさんも、それぞれの目線で環境問題に向き合っていると思いますが、一度「このままでいいのか?」と表現したり投稿してみませんか?

[via NEVERCREW, The Huffington Post, Street Art United States]