今年も酷暑の夏、セミの声でむせ返りそうになる時もあるが、聞こえるセミの声が変わってふと秋を感じたりすることがある。そう、セミの鳴き声の違いは夏という季節の微妙な移り変わりを私たちに教えてくれるものなのだ。
しかし、そのセミの分布の仕方が温暖化の影響で近年変わってきているという。
環境省生物多様性センターではセミの種の分布を調べるため、いつどこでどの種類のセミが鳴いているかを調べる「いきものみっけ」というサイトを開設している。
このサイトでは、全国の調査員(みっけにん)から寄せられた報告をリアルタイムに地図に表示、どこでセミが鳴いているのかをすぐにわかるように表示している。現在、調査中なのはミンミンゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミとなっている。“みっけにん”になる方法は、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミの鳴き声を聞いたら、それを報告するだけ! 携帯からも情報を送信できるから、外出先で泣き声を聞いたときでも報告できるというわけ。
このサイトでは秋以降も、彼岸花の開花日、初氷、ウグイスが始めて鳴いた日、などの調査が予定されている。このような調査に参加して、自然の声に耳を傾ければ、いつもはなんとなくしか感じられない季節の移り変わりをはっきりと感じることができるはずだ。それは温暖化という危機を乗り越えて、より豊かな生活を送るためのきっかけになるのではないだろうか?