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本気で楽しむことが仕事! 新郎新婦より楽しんでるパーティープランナー廣瀬大輔さんの「こだわらない」こだわりって?

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この記事はグリーンズで発信したい思いがある方々からのご寄稿を、そのままの内容で掲載しています。寄稿にご興味のある方は、「採用について」をご覧ください。

結婚式。みんなが幸せな空間を共有できる、一生の宝ものになるイベントです。そして結婚式には、二次会や、お披露目パーティーなども、つきものですよね。

結婚式の二次会といえば、新郎新婦の友人が幹事をし、準備から当日の受付や司会進行まで引き受けるというのが常でした。それが、友人の醍醐味でもあるのだけど、かなり大変なことが多いのも事実ですよね。

しかも、祝ってもらう新郎新婦としても、大事な友人は、盛り上げる側でなく、ぜひ楽しむ側にいてほしいという想いもあるはず。そんな想いに応える会社が「FOR U」です。

「友達だから、幹事は頼まない。だって一番楽しんで欲しいから」そんなコンセプトのもと、プランニングや当日の写真撮影、司会まで請け負い、結婚式や二次会、1.5次会など、結婚式にまつわる様々なパーティーのプロデュースをしてくれるんです。
 
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新郎新婦に割って入ってしまうほどの信頼関係づくりも、大事なお仕事。

代表の廣瀬大輔さんは、パーティーのプランニングから当日の司会まで、新郎新婦をトータルにサポートしてくださいます。

毎週のように、週末はパーティー。学生時代の友達と二人で一緒にスタートしてから丸4年経ちましたが、そもそも、結婚式や二次会がすごく好きだったというわけではないのだそう。

飲食店の店舗開発関係の会社でサラリーマンだった頃、友人が徐々に結婚しはじめる20代後半になると、盛り上げ上手な廣瀬さんのもとに二次会の幹事や司会の依頼が舞い込むようになります。

廣瀬さん その当時は、二次会の司会が仕事になるなんて全く思ってなくて、単純に楽しませるのが好きやからやってた。

そのタイミングで、勤めていた会社の社長から「二次会を代行する会社があるらしい」という情報を知らされます。また、友達のその友達からも、司会や幹事をしてほしいという声が出始め、「これは仕事にできるかも」という手応えを感じた廣瀬さんは、サラリーマンをしながら友達といっしょに、FOR Uを立ち上げてしまいます。

二足のわらじでスタートしましたが、ほどなくして会社も退職し、法人化して本格的にFOR Uがスタート。「結婚なんでも屋さん」として、4年経った今ではスタッフも4名まで増員し、パーティーのプロデュースだけではなく、レンタルドレスショップ「BLANC CHOUETTE」の運営や写真撮影など、結婚にまつわるあらゆるニーズに応え続けています。
 
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司会進行も抜群の安定感。

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ドレスショップ「BLANC CHOUETTE」にて。女性がときめきそうな内装です。

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小物もいっぱい!

やらない後悔よりも、やって後悔したい

そんな廣瀬さんですが、これまでの経緯は「けっこうヘンテコやで。」

振り返ると、学生の頃に目指していたのは、意外にも(?)学校の先生! 大学に入学すると、塾講師のバイトとバンド活動の毎日が始まります。卒業後も、塾講師のバイトで生活費を稼ぎつつ、そのバンドも続けていくつもりだったのですが…。

廣瀬さん バンドのドラムの子が結婚して、バンドを辞めて。真剣にやっていこうと思ってたのに、そこで活動がなくなって。

そこから、他人となにかを一緒にすることが嫌になってん。バンドも、音楽がめっちゃ好きで、っていうよりは、人前でなにかをするっていうのが好きやったから、それならバンドでなくてもええんちゃうん、ってなって。

自分の人生を外的要因に潰されたくない。じゃあ次何やろ、俳優や、と。

やると決めたら迷いがない廣瀬さんは、難関のオーディションをパスし、某タレント事務所に所属。俳優としての道を切り拓くために、レッスン生のまま東京へと拠点を移します。モデルやCMなど、小さな役をこなしつつも、なかなか思うように俳優への道は拓けず、25歳の頃にまたしても方向転換を決めます。

その後も、さまざまな出会いや、不思議なご縁に導かれ、26歳のときに大阪へ戻り、ここで人生で初めての就職活動を経て、FOR Uスタートのフックともなるサラリーマン生活が始まるのでした。
 
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バンドマン時代

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俳優を目指していた頃。若い!

廣瀬さん 要所要所でターニングポイントがあるねん。あの時やっときゃよかったな、っていうのだけは思いたくないから。

道を選ぶときも、突拍子もないところに行ってるわけでもなく、そのターニングポイントの一歩めで、踏み出さへんかったら後悔するって思ってるから、基本、全部踏み出してる。やれへん後悔より、やって後悔したい。

「やらない後悔よりも、やって後悔」それは廣瀬さんのなかで、いまも息づくポリシーなのでした。

「どんな提案してくれるんですか?」「基本、しません」

そんな廣瀬さんのパーティープロデュースは、新郎新婦さんとの入念な打ち合わせから始まります。

これまでのパーティーでは、運動会、そうめん流し、フラッシュモブ、ヘリコプターでの登場、などなどなど、かなり斬新なイベントがたくさん。しかしそれらは、廣瀬さんが提案したものというわけではないのだそう。
 
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ヘリコプターで登場したいという希望に応え、本当にチャーターしちゃいました。

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野外での結婚式は、そこでしか味わえない開放感があります。

廣瀬さん 「◯◯したいんです」って言われたことを、最適なところに組み込む。『何を提案してくれるんですか?』って言われることあるけど『基本、しません』って。

もちろん、ほんとになにも提案しないわけじゃないけど、今までやってきた事例は挙げられる。でも、新郎新婦さんと話してるなかで『これがやりたいんじゃないんですか?』っていうニーズを見つけて、それを実現させるのが僕の仕事やから。

来てくれる人が、どうやったら楽しんでくれるやろ、とか、「こうしたい」っていう思いをどんだけ形にするかっていうのは、あまり特殊な能力ではない気がしてて。

だから「プロデュース」って実はあんまり言いたくない。「代行」がほんまは正しいと思ってる。「よく出来る幹事さん」になって、本来は友達がしていた部分を全部やって、その友達がしっかり祝う側に回ってもらうっていうのが一番大事やと思ってるから。

突拍子もないことやインパクトの強い提案をするのではなく、漠然とした希望を、新郎新婦さんによりそいつつ、楽しみながら具現化するのが廣瀬さんのプロデュース。どれだけ話を聞き出せるか、どうやって道を作るか、が重要。

二次会で司会をするときも、「FOR Uです」とは最初に言わないことにしてるのだとか。

廣瀬さん (FOR Uですと言うことは)必要ないと思ってるから、みんなが楽しむためには。だから友達やと思われてることは、けっこうある。歓談中に「なんの友達なんですか?」って聞かれたりして。そこで、「いや実は(友達じゃないんです)…」っていうのが、ベストやと思ってる。

仕事してるという感覚はあんまりない

そんなFOR Uですが、最近増えている依頼は「野外ウエディング」!

式自体を野外でする人もいれば、二次会やお披露目パーティーをアウトドアでする人もいて、いまや結婚式のスタイルはなんでもあり。
しかし、FOR Uではもともとアウトドアウエディングのプロデュースをしていたわけではなく、「野外でやりたいんですけど、プロデュースしてもらえませんか」というお問い合わせがあったことから始まったのだそう。
 
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プロのミュージシャンを迎えての、野外フェスさながらのパーティー!

廣瀬さん (野外ウエディングは)やったことないですって。嘘ついてもしゃーないから。

でも、やったことないけど、面白そうやし、やってみんとわからんけど、多分できるし、それでよければ一緒に作っていけたらと思うんですけど、って言うたら、頼んでくれはった。

さまざまな経験と紆余曲折を経て今に至る廣瀬さんの根底には、やっぱり「楽しいかどうか」という価値基準が、強くあるようす。

楽しそうなら、やったことなくってもとにかくやってみる。そして、流れに身を任せる。人を楽しませる側の仕事だからこそ、自分が一番楽しまないと、と廣瀬さんは言います。しかし、今のプランナーの仕事に関しては、「これで一生!」というこだわりがあるわけでもないのだそうです。

廣瀬さん 俺はこれじゃないと生きていけない、っていうのが、なくて。今までいろんなことやりすぎてるからかもしれんけど。だから、来年はほんとに全然違うことしてるかもしれない。最初に二次会のプロデュースするって決めた時も、レンタルドレスショップやるなんて全く思ってなかったし。

そんな、いい意味でこだわりがない廣瀬さんだからこそ、自分がプレイヤーとして表に立つことはなるべく控え、今はスタッフさんたちにたくさんの仕事をまかせることを意識しているそうです。

廣瀬さん スタッフにも、未来永劫働いてほしいとは思ってない。ここにおっても学ぶべきことがないと思うなら辞めてほしいと思う。でも、「ここで働いてたら面白いな、学ぶことがあるな」って思ってもらえるようにするのが、俺の仕事やから。

お金だけじゃない部分のつながりがないと人は離れていくし、そこ(お金)じゃない部分が本質のような気がする。もちろんお金も大事だけれども。

だから、お客さんのアンケートに、自分じゃなくてうちのスタッフに頼んで良かったですって書いてあったら、俺が良かったって言われるより10000倍嬉しい」

廣瀬さんの言葉はすべて前向き。そして、いい意味で執着もこだわりもなく、とても自由を感じます。

決して怠惰なわけじゃなく、自分の好奇心と向上心のもと、「流れに任せて生きる」ってこういうことなのかも、と、見ているこちらまでワクワクしてしまいます。本気で遊びながら、本気で仕事している廣瀬さんの、次なるプロジェクトはフォトスタジオのStudio LDK

結婚式って、一度やると、基本的にはもう一度お会いすることって、ないですよね。でも、想いのこもった記念すべき結婚式をプロデュースするご縁で出会ったたくさんの新郎新婦たちに「帰ってきてもらう場所を作れたら」という気持ちから、このStudio LDKは生まれました。
 
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廣瀬さん ブライダルは、ライブ感があるから楽しい。10年前に、自分がブライダルやるなんて思ってもなかったけど、今となってはええ仕事やなって思う。これだけ感謝されて、お金いただける仕事はないなって。だから自分が一番楽しんでる。

楽しくないのは嫌やから、毎日あんまり仕事してるって思ってない。これからも思わないでいれるぐらいでやれたらいいな

次々とトライを続ける廣瀬さん、素敵です。あなたは廣瀬さんになにをプロデュースしてもらいたいですか?

(Text: 池田佳世子)