「Loomio」開発チームのメンバー達
チャットやメール、テレビ電話など、オンライン上での議論をする機会が増えていると思いませんか?いつでもどこでも、全員が一カ所に集まらなくても話ができるということは、とても効率的かもしれません。
一方で、オンラインでは意思疎通がうまくいかなかったり、意見をまとめる際に困ったことはないでしょうか。そこで今回はオンライン上での議論を円滑にするためのツール「Loomio」をご紹介します。
スムーズな議論を可能にするソフトウェア
Loomioの特徴は、チャットや掲示板形式で議論ができる仕組みに加えて、メンバーの意見が円グラフで表示される機能があることです。
ワンクリックで意見を表明するとリアルタイムにグラフに反映され、それぞれの気持ちを可視化しながらを議論を進めることができ、論点をズレにくくするというわけ。各種SNSアカウントや、メールアドレスを使ってLoomioに登録すれば誰でも無料で使うことが来ます。
トピックを決め、メンバーを招待して、話し合いスタート!みんなで意見を出し合うことができます
ある意見に対して、賛成・反対・棄権・ブロックの4つのサインをワンクリックで表明できます。それがグラフに反映されていきます
表明した意見は何度でも変えることができるので、メンバーの意見を伺いながら議論を進めることができます。これは全員が合意した状態です
このLoomioが生まれたきっかけは、2011年にニューヨークから始まった「オキュパイ運動」でした。開発したのは、経済界や政界に対する抗議活動に参加者していたニュージーランドのエンジニアたち。そのひとりであるBen Knightさん(以下、ベンさん)はこういいます。
「オキュパイ運動」で感じたことのひとつは、誰もがフェアに参加した時に生まれる、集合知の成果でした。だからこそできるだけ多くの人々が一緒に考え、ひとりで考えるよりもずっとよい解決策を考えることを容易にするためのツールをつくりたいと思ったのです。
ベンさんのTEDxトーク
既にLoomioは、ニュージーランドの気候変動に関するユースネットワークや、インドの非暴力運動の集会、サンフランシスコのオーガニックの食料品店など、世界20カ国で使われているそう。
わたしたちが手を取り合って、よりよい社会をつくっていくためには話し合いが不可欠ですが、オンラインでのファシリテーションの習慣はまだまだ始まったばかり。表面上の”議論”ではなく、もっと深い”対話”を実現するための仕掛けは、今後ますます磨かれていきそうですね。
日本語も対応しているようなので、興味のある方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。(グリーンズでも使ってみます!)
[via FASTCOMPANY / Loomio ]
(text:大久保咲希)