「日本仕事百貨」を手掛けるシゴトヒトとグリーンズがタッグを組んで、「リトルトーキョー」という新しいプロジェクトが立ち上がりました。
シゴトヒトとグリーンズが手を取り合うなら「働き方」や「コミュニティ」、「ものづくり」といった言葉がキーワードとして浮かび上がってきそう。でも、まだその全体像ははっきりと現れていない、というのが現状のようです。
そこで、4月8日に渋谷ヒカリエで行われた「リトルトーキョー第1回市議会」におじゃまして様子をうかがってきました。プロジェクトお披露目となったこの市議会では、どんな話が飛び交ったのでしょうか?
この日、市議会の会場となった「渋谷ヒカリエ 8/COURT」には100名ほどの参加者が集まりました。実はプロジェクトに携わって、一緒に「まちづくり」を手がける「リトルトーキョー開拓者」の募集が行われていて、多数の応募者から抽選で参加さが選ばれたのだそう。300名を越える応募があったそうでう、多くの人の関心を集めていることがうかがえました。
リトルトーキョー、いよいよ開会宣言!
リトルトーキョー開拓者として参加しているためか、会場に集まった人たちの様子はちょっぴり真剣で、会場も熱気が充満。そんなムードのなか、シゴトヒトのナカムラケンタさん、グリーンズの鈴木菜央さん、小野裕之さんがステージに登壇。ナカムラさんが「リトルトーキョー第1回市議会」の開会を宣言しました。
シゴトヒトのナカムラケンタさんが市議会の開会宣言!
以前から「まち」を開拓するということに興味を持っていました。グリーンズさんとも、「いつか面白い場をつくりたいね」という話をしていました。そんなとき、たまたまいい場所が見つかったので、リトルトーキョーをスタートさせることにしました。
実態はまだ何もきまっていないし、シゴトヒトとグリーンズだけでできることでもありません。たくさんの開拓者のみなさんと一緒に、魅力あるまちをつくっていきたいと思います。
リトルトーキョーは「仕事と出会い、仕事を生む場所」
それからリトルトーキョーのロゴを発表。続いて拠点となる場所は東京・虎ノ門だと紹介されました。でも、拠点といっても、一軒家を借りたり隣にある小さなビルも借りたりと、4月8日の時点ではまだまだそんな状態。これから建物をリノベーションしていくなど、そんなふうに一つひとつ作りあげていくこと、その過程をともに共有することも、リトルトーキョーというプロジェクトの大事な部分なのです。
ナカムラさんはリトルトーキョーのコンセプトを「仕事と出会い、仕事を生む場所」だと話しました。
リトルトーキョーには、たとえばレストランを開いてみてはどうかなと考えています。ほかにバーやパブのようなこともできそうです。また、コーヒーの焙煎屋さんを開いてもいいし、古本屋も楽しそう。あとは映画館をつくったり、オフィスを開いてみたり、実験の場にしてもらえたらと思っています。
さらに、仮想通貨が流通すれば、いまとは違ったアプローチで、働き方や生き方を見つめられるかもしれない、と、ナカムラさんの夢は膨らんでいる様子。
リトルトーキョーの住民がいろんな仕事をつくって、仮想通貨が流通すれば、その仮想通貨を使ってパブで飲むようなこともできるかもしれません。そうすれば、円を使わずに、そこで暮らすことだってできるかもしれませんよね。
ワークショップで仕事をつくってみよう!
リトルトーキョーのロゴやコンセプトについてひと通り説明が終わると、参加者が5人1組になってワークショップを行いました。テーマは「リトルトーキョーでやってみたい仕事を考える」というもの。
リトルトーキョーには直接民主制を採用したいと思っています。みなさんにも主体的に参加してほしいので、一人ひとり、声をあげてください。
まずは、どんな仕事をやってみたいのかを考えてみていただきたいと思います。現実の社会にはさまざまな制約があります。まず収入が得られなくては暮らしていけないし、そのためにやりたくもないことだってやらなくてはいけません。でも、リトルトーキョーはリアルではありますが仮の世界です。やりたいことをやっていただいていいと思います。
5人1組みでの話し合いの後は、それぞれのグループがやりたいと思った仕事を発表。拍手による投票を行い、一番すばらしいアイデアを選びました。
「ヘルシーな料理が出てくる朝食屋さん」「人と人とつなぐ交務員さん」「リトルトーキョーブランドのお酒を提供するビール屋さん」「人々が集まる銭湯、専門性を持った人同士をマッチングさせるコーディネーターカフェ」などアイデアが発表されるたびに、あちこちで大きくうなずく人がいたり、あるいは会場が笑いで包まれたり。
ヘルシーな朝食を提供する朝食屋さんのアイデア
地方の人が集まるまちなんだから、日本中の魅力を紹介していこう、というアイデア
みんなが集まって交流が図れる銭湯をやってみたい!
そして、拍手の大きさで競う審査では、マイノリティカフェが一番の人気を集めることになりました。これは、現実社会でマイノリティと呼ばれる人たちにたくさん参加してもらうことで、その気持ちを体験を通じて感じてみようというもの。自分がマイノリティの立場に立つことで、他者の気持ちを理解する、というアプローチに大きな共感を集めたようでした。
一番大きな共感を集めていたマイノリティラウンジのグループ
わずか3時間ほどの市議会でしたが、参加したリトルトーキョー開拓者の面々は大盛り上がり。はじまったばかりのプロジェクトなので、これからの行方が楽しみです。
参加する人によって、きっと、どんどん変わっていくプロジェクト「リトルトーキョー」。6月からリノベーションなどを開始する予定です。一緒に、新しいまちの作り方、考えてみませんか?