2026年が明けました。みなさん、どんな新年を迎えられたでしょうか。
いつもgreenz.jpをご愛読いただきありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年の漢字は「熊」だったそうですね。第2位は「米」。
人間社会と自然環境の健やかなつながりが崩れつつあり、自分たちが食べるものも満足につくることさえ難しくなってきている現代。これからの私たちは、いったいどう生きていくべきなのかを問われているような気がします。
greenz.jpでは、今年も多様な視点を大切にしながら、新しい時代を生きていくために必要な知恵や価値観をお届けしていきたいと思います。
新年1本目となる本記事では、2025年のグリーンズを振り返る記事や、多くの方に読まれた記事をご紹介します。
一緒に昨年を振り返りながら、新たな1年を考えるきっかけにしていただけたらうれしいです。
2025年を振り返る、編集部おすすめ記事5選
まずは、2025年にお届けした135本の記事を振り返り、編集部メンバーそれぞれが印象に残ったおすすめの記事を選びました。みなさんは、どんな記事が印象に残っていますか?
山と共に、生きる。秋田県阿仁地域のマタギ・鈴木英雄さんに聞く、命をいただき、つなぐということ
雪深い秋田県阿仁地域のマタギ・鈴木英雄さんに山を案内していただき、マタギとは何か、山と共に生きるとはどういうことかを描いた記事です。これまでにたくさんの記事を執筆してきましたが、この記事は自分自身でも特に印象に残っており、ありがたいことに、さまざまな人から感想などをいただきます。山について、森について、そこに暮らす野生生物について。そしてその命をいただき、つないできた人間という存在について、凝考(ぎょうこう)しました。山とともに暮らす生き方が現代の暮らしに変わったのも、ここ100年ほどのできごとです。私たちがいま見ている山は、マタギがいなくなった山であり、オオカミのいなくなった山でもあります。実際に足を運び、クマやカモシカが歩いた山をたどり、じっと集中して、こらして考え、視えてくるもの。感性をひらき、自身の身体を通してようやく出てくる言葉を、これからも大切に扱いたいと思っています。 (増村江利子/編集長)
声にならない叫びを社会につなぐ。龍谷大学・深尾昌峰さんに聞く「運動体としての非営利組織の役割とは」
今年で連載開始15年目を迎える、大阪ガスさんとの連載「マイプロSHOW CASE関西編」。2025年は「マイプロジェクトが続く理由を探る」というテーマで、長く活動を続けるNPOなどを取材しました。その最後を飾ったのが、龍谷大学の深尾昌峰先生のインタビュー記事です。阪神大震災から30年間、関西を中心にNPOの現場を見てきた深尾先生が示してくれた視点は、この時代に改めてNPOの本質を見つめ直すきっかけを与えてくれます。 (村崎恭子/副編集長)

平日は会社員。週末だけ”縄文”。「週末縄文人」が、現代の道具を一切使わず、文明を探求するなかで見出した豊かさ
人はなぜ「縄文」に惹かれるのでしょう。私自身、その言葉を見つけると足を止めてしまう一人です。季節の移ろいを虫が知らせ、身の回りにあるものすべてを活かす暮らし。それを実現させるのは、言葉では表しきれないほど繊細な作業も可能にする「手」。現代の仕事を続けながら縄文の暮らしを実践するなかで得られる気づきは、生身の人間の可能性を思い出させてくれました。試行錯誤の過程を楽しそうに語るおふたりの姿に、なんだか自分も手を動かしてみたくなります。 (黒澤奏恵/編集デスク)
感性は「はだし」で育める。はだし研究者・金子潤さんに聞く、「身体性」を駆使した未来のつくりかた
NPOグリーンズの寄付会員greenz peopleとつくっている連載「暮らしの変人」。
今回の記事では、みなさんと一緒に八ヶ岳の森をはだしで歩きながら取材をしました。AIがどんどん進化する今、人間には「感性を伸ばすこと」が大事だと言われています。その感性を育む、とても手軽な方法が、なんと、靴を脱ぐこと。はだしで森を歩いていると、意識が頭から足の裏へすとんと降りてきて、眠っていた野生がムクムクと起き上がってくるから不思議です。ただ歩いているだけなのに、世界は急にシンプルで、そして奥深くなる。そんな体験を、みなさんにもお裾分けします。(小倉奈緒子/事務局長)
いのちと土をめぐる対話。藤井一至さんと中村桂子さんが語る、生きものとしての人間の未来
自分も生きものとしての感覚をもつことができれば、人や自然の動植物とどう付き合っていくかを自ずと考えられるようになる。文中の中村さんの言葉に痺れました。自然相手だからこそ天気をコントロールすることもできないし、マニュアル通りにもいかない。人とのコミュニケーションもまた然り。お二人の対話から農業を通して感じたことを人間生活にもいかしていけるのではないか、通ずるところはたくさんありそうだと感じました。 (山崎久美子/編集アシスタント)
2026年春、ついに書籍化!「リジェネラティブデザイン」
2023年から探究を続けている連載「リジェネラティブデザイン」が、2026年春にいよいよ書籍となり、英治出版より発売されます。
グリーンズが考える「リジェネラティブデザイン」とは、自然環境の再生と同時に、社会と私たち自身もすこやかさを取り戻す仕組みをつくること。これまで35名以上の方へのインタビューを通じて、実践のヒントを探ってきました。書籍では、その中でグリーンズが導き出した「7つのデザインコード」を軸に、読者のみなさんの実践の手引きとなるような編集を行っています。
自然へのまなざしを得るところから、暮らしやビジネスへの接続まで。さまざまな立場の方に手にとってもらえたら嬉しいです。楽しみにお待ちくださいね。
ここでは、連載の中で2025年に公開した記事から3つご紹介します。2025年は「都市」「ビジネス」をテーマに、探究の幅を広げました。身近な実践のヒントが見つかるかもしれません。
2025年アクセスランキング TOP10!
2025年12月15日までに公開した新作記事135本のなかから、アクセス数の多かった10本をご紹介します。幅広い記事がランクインしました。

1キロからわずかスプーン1杯。江戸の旅人も疲れを癒した「梅肉エキス」のつくり方
(やなぎさわまどか/いかしあうつながりのレシピ)
梅雨の前、丸々とした実をつける梅の木。梅酒や梅シロップ、梅干しなど、毎年「梅仕事」を楽しむ人もいる一方で、人手不足などの要因により、手付かずの梅の木を見掛けることも少なくありません。
疲労回復、消化促進、免疫力向上など、健康効果の高さで知られる梅が活かされないのは、実にもったいない。古来から伝わる「梅肉エキス」をつくり、自分や身近な人たちをケアするのはどうでしょうか。

“違いを認める” から “同じを見つめる”へ。先住民族の声を託され続けるジャーナリスト・下郷さとみさんの「アマゾンは “里山”だ」という視点
(佐藤有美/ROOTS to the Future)
「アマゾン先住民族の村は “里山”だ」
30年以上にわたりブラジルの都市の貧困地区・ファベーラや先住民族保護区をフィールドに取材を続けるジャーナリスト、下郷さとみさんが、2015年に初めて先住民族保護区の村に入った時に感じたというこの感覚。遥か彼方の土地アマゾンで“里山”を感じるとは、どういうことだろう?
もしかすると、アマゾン先住民族の暮らしには私たちが地球とのつながりを取り戻して生きていくヒントが、思っていたよりもうんと身近なものとしてちりばめられているのかもしれない。
そんなワクワクを胸に、千葉県鴨川市へ下郷さんを訪ねた。

私たちに合った居場所が見つかった。福島県川俣町で薬膳カフェを始めたふたりが見つけた豊かな生き方
(奥村サヤ/ふくしま12ローカル起業物語)
「東京で同じことをしても、うまくいかなかったと思います」
こう語るのは、福島県伊達郡川俣町で薬膳カフェ「BONCHI TARO(ボンチタロウ)」を営むご夫婦、ファンコーニ・マイケルさんと菜美子さん。
ふたりは、神奈川県茅ヶ崎市から縁もゆかりもなかったこの町に移り住みました。フランス語のような響きの店名は「盆地」と「タロウ」を組み合わせた遊び心あるネーミングです。
「山に囲まれたここの景色は、本当に最高だよ! 川俣に来て、町の人たちがよく『ボンチだから暑いでしょ』って話しかけてくれたんだけど、最初は何のことかさっぱりわからなかった。それで調べてみたら、“盆地”のことだったんだ! このまちへのリスペクトを込めたくて、店の名前に“BONCHI”と付けたよ。“TARO”は響きがかわいいでしょう?」

古来の土木が未来を変える。『土中環境』著者・高田宏臣さんに学ぶ、共生のまなざし
(やなぎさわまどか/リジェネラティブデザイン)
「答えだけを求めても、本当に理解することはできない。本来『分かる』とは、分からない自分を知ること」とは、『土中環境』の著者であり、造園・土木の専門家 高田宏臣さんの言葉です。情報を得るだけではなく、自ら現場に足を運び、対話し、変化を感じ取ることの大切さ。これは人間同士はもちろん、自然や環境との関わりにも通じるものがあります。千葉県館山市・安房大神宮での高田さんのお話を、ぜひご覧ください。
命はいつ尽きるかわからない。そうわかってはいても、多くの人がこのまま人生が続くことに疑問を持たずに生きているのではないでしょうか。でも、死がすぐ隣にある極限状態に置かれたら。きっと生きることの意味や重さは大きく変わることでしょう。1945年夏、原爆の被害者の看護にあたった看護師たちがいました。その手記をもとにした映画『長崎ー閃光の影でー』は、核兵器がもたらす悲劇を描きつつ、人が生きることの痛みと尊さを伝えてくれる作品です。
6~10位はこちら
「メタバース移住」か、消滅か。気候変動で国土を失う危機に瀕する島国ツバルが世界にぶち上げた、デジタル国家計画
(あいだきみこ/カンヌで発見!世界のGOOD IDEA)
「食べられない」を「超おいしい」に変える魔法。干し柿のつくり方
(やなぎさわまどか/いかしあうつながりのレシピ)
山と共に、生きる。秋田県阿仁地域のマタギ・鈴木英雄さんに聞く、命をいただき、つなぐということ
(増村江利子/森が見えなくなって、どれくらい経ったのだろう?)
民間として地域の“役”に立つ“場”所。和歌山県有田川町の中と外をつなぐ「しろにし」が企画する「地域維持レスキュー」とは
(前田有佳利/sponsored)
鎌倉時代から続く大分の山主「田島山業」。森林の価値を最大限引き出し、届ける“森の関係デザイナー”という働きかた #求人
(アサイアサミ/WORK for GOOD)
私たちは何を耕し、実践していくのか
greenz.jpを運営するNPOグリーンズでは、記事というかたちだけでなく、部署の垣根を越えたさまざまなプロジェクトに取り組みながら、「生きる、を耕す。」を探究しています。そんなグリーンズの現在地をお届けする記事を紹介します。
第14期(2024年7月〜2025年6月)にgreenz.jpが「実践するWEBマガジン」として、どのようなプロジェクトに取り組み、探究と実践を重ねてきたのか。共同代表・植原正太郎と編集長・増村江利子が振り返り、15期への意気込みとともに語りました。
グリーンズが運営する「働く」で社会を変える求人サイト「WORK for GOOD」。ローンチから一年の節目にパーパス転職DAYを開催しました。植原正太郎によるオープニングトーク「社会と自分を重ねる『パーパス転職』とは?」の内容の一部をお届けします。
WEBマガジン「greenz.jp」のメディア運営を寄付で支えてくださっている読者のみなさん「greenz people」だけにお届けしてきた特典本を、2024年に『生きる、を耕す本』としてリニューアル。第1号「エコビレッジ」、第2号は「うんこ」をテーマにお届けしました。
第3号のテーマは「生き延びるための自治」に決めました!2026年初夏リリースに向けて、鋭意制作中です!
まとめ
2025年のヒット記事からは、読者のみなさんがグリーンズと一緒に探究をしてくれている姿が見えてきました。
2026年7月で、greenz.jpは創刊20周年を迎えます。
書籍『リジェネラティブデザイン』の出版や、「リジェネラティブ デザイン カレッジ第3期」の開講、グリーンズの寄付読者向け限定本『生きる、を耕す本 vol.3』の発行など、今年もさまざまな取り組みを通して、「生きる、を耕す。」を探究し、実践していきたいと思います。
身体をうごかし、感性をひらきながら、人や社会、自然と向き合うための問いや実践を、みなさんと一緒に重ねていく1年にできたらうれしいです。











