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椅子に座って、試験を受けるだけが教育じゃない。教育のあり方を再想像するムーブメントEcoversityの提唱者Manish Jainが問い直す「これからの学び」

近年、学校に行かない/行けない、いわゆる不登校と呼ばれる子どもたちが増えています。令和5年度の文部科学省の調査によれば、小・中学校の不登校児童生徒は34万6,482人。前年度より15.9%増加しているそうです。

これらの数字を目にして思い浮かぶのは、私の身近にいる子どもたちや保護者の顔。発達障がいや感覚過敏の特性など、なんらかの理由で、大人数で同じ教室、同じ時間割、同じペースで学び続ける既存の枠組みに合わせられず苦しんだり、みんなと馴染めない自分を責めてしまったり、このままでいいんだろうかと将来に不安を感じたり。そのなかで、それぞれの正解を模索し奮闘する姿。

昨今、多様な学びが増えてきたとはいえ、まだまだ既存の学校教育に沿った「こうすべき」という枠組みは根強いものがあります。けれども本来、個々の生きかたや、この地球で生きていくための術は、教室で椅子に座っていなければ得られないような、ひとつの“かたち”に縛られるものではないはず。では、これからの教育には、どんなかたちや可能性があるのでしょうか。

そのヒントを探しに、インドで「Ecoversity」という新たな高等教育のありかたを模索するマニッシュ・ジェイン(Manish Jain、以下マニッシュ)さんと、greenz.jp編集長・増村江利子(以下、江利子)の対談をお届けします。

Ecoversity グリーンズ

Manish Jain(マニッシュ・ジェイン)
ハーバード大学を卒業後、UNESCO、UNICEF、世界銀行、モルガン・スタンレーなどで国際コンサルタントとして勤務。世界中の教育・経済政策の現場に関わるなかで、グローバル社会のありかたに深く失望し、すべてのキャリアを手放す。以降はインドを拠点に、教育活動と奉仕活動に専念している。
現在は、「アンラーニング」「脱学校化」「ギフトエコノミー」「ローカリゼーション」などをテーマに、ソーシャルイノベーターとして様々な革新的な教育の実験を行っている。大学に通わない自己主導の学びを実践する「スワラージ大学」や、オルタナティブ教育の国際ネットワーク「エコバーシティ運動」の共同創設者でもある。
25年以上にわたって、人が本来持つ創造性や地域の知恵を大切にした新しい“学びと暮らし”のかたちを探求し続けており、思想家サティシュ・クマールや経済学者ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、環境活動家ヴァンダナ・シヴァとも長年にわたり協働している。現在も妻と娘とともに、日々「学びほぐす暮らし」を実践中。教育、対話、農、アート、スローライフを通して、人と人、自然、地域が調和する生き方を世界各地で伝えている。

増村江利子(ますむら・えりこ)
greenz.jp 編集長/グリーンズ共同代表。国立音楽大学卒。執筆、編集、デザイン、プロデュース、地域活動。さまざまな領域を横断し、編集家として社会を見つめ、コモンズをつくる。ミニマリスト。「Forbes JAPAN 地球で輝く女性100人」に選出(2018年)。信州大学で農学修士を取得(2024年)。環境再生医。

ジャングルも畑も、すべてが“大学”

江利子 まずは、マニッシュさんが取り組まれている、「Ecoversity(エコバーシティ)」について教えてください。

マニッシュさん Ecoversityは、高等教育の再構築に取り組むムーブメントです。私たちは10年前からEcoversityの実験を始め、世界のおよそ50カ国、500のプロジェクトと連携し、仲間と出会いながらネットワークを育んできました。

最近、西洋では特に、ポリクライシス(※)やメタクライシス(※)といった、人類にとっての複合的な危機がよく話題になります。たとえば、気候変動のような複雑な課題に取り組むには、さまざまな分野を横断し、全体を俯瞰し、物事を多角的に捉える必要があります。ところが、多くの大学はいまだに分野ごとに縦割りで、本質的な理解や解決策に行きつきにくいまま。また、抽象的な理論に偏り、地域の森や土壌、人々との関わりに根付いて学ぶことが、あまりできていません。
こうした現状を転換するため、高等教育のありかたと実践を問い直すのが、Ecoversityの取り組みです。本来、問題解決の鍵となるのは「土地に根ざした知識と実践」。そこでEcoversityが立ち返るのは、「自分の身体とどう関わるのか」「他者とどうつながるのか」「自然とどう共生するのか」といった古来からの問いです。そして、“家”を意味するギリシャ語“エコ”のとおり、地球という我が家に帰り、調和して生きる方法を取り戻すことを目指しています。

※ポリクライシス: 複数の世界規模の危機が相互に絡み合い、その単純な合計を超える複合的な影響を生み出す状況のこと
※メタクライシス:単一の問題ではなく、複数の危機が構造的に結びついた状況のこと

ecoversity グリーンズ

マニッシュさん。Ecoversity(エコ×大学)というラベルをつけることで、若い人たちに「なんだか面白そう」と感じてもらえるきっかけになる一方、「そんな場所に行って大丈夫なの?」という保護者の心配を減らし、若者の参加を増やしていけるよう期待を込めていると話す

江利子 なるほど。Ecoversityについて、具体的なイメージができるような事例はありますか?

マニッシュさん 私が、アマゾンのジャングルに滞在していたときのことです。そこで出会った先住民たちは「現代教育が自分たちを汚染している」という強い自覚を持ち、新しい教育の必要性を語っていました。けれども彼らが思い描いた新しい学校は、大きなガラス張りの建物や最先端のテクノロジーを備えた校舎。つまり、既存の教育イメージの延長線上にあるものでした。結果として、お金がなければ実現できないとの考えから、“新しい教育”が進まなかったのです。

このとき私は、「あなたたちはすでに、世界で最も素晴らしい大学を持っている。このアマゾンの森そのものが大学で、ここには学びが溢れていて、お金も必要ない。いますぐに“フォレスト・エコバーシティ”を始められるはず」と伝えました。

このひとことがきっかけで、彼らの想像力は開かれ、「大学とはこういうもの」「教育とはこういうもの」と植え付けられた枠から自由になり、新しい視点で可能性を探り始めました。

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アマゾンでの一枚

江利子 学びの施設をつくるまでもなく、森自体が大学そのものであると。

マニッシュさん そうです。彼らの足元には、すでに1万4千年以上続く豊かな知識の積み重ねがありました。いまでこそ多様性をたたえたアマゾンの森は、先住民が何世代にもわたって実験と研究を重ね、砂地の上に育ててきたもの。彼ら自身が科学者であり、教育者なのです。

現代教育は、「試験でいい点数を取れなければ、劣っている」というメッセージを植え付けてきました。しかし“劣っている”のは仕組みのほうで、人の学び方は本来とても多様です。黒板の前やパソコンに向かって学ぶことを好む人もいれば、アマゾンのジャングルのように、手を動かしながら実践的に学ぶことを望む人もいる。

だからこそ、ひとつの型に収まらないEcoversityを世界に広げ、人々が自分に合った学びに出会える場をつくる。そうして、多様な教授法や学び方が自由に想像されるようにしていくことが必要だと考えています。

ecoversity グリーンズ

通訳として、自身もパーマカルチャーの学びの場を主催するソーヤー海(そーやー・かい)さん(写真左奥)にもご同席いただきながら、マニッシュさんとお話した

マニッシュさん さらに私たちはEcoversityに加え、Farmversity(ファームバーシティ)にも取り組んでいます。近年、世界中で注目されているのは、「どうやって土地に根差したローカルな農業・食料システムを再生するか」という問いです。

地域全体の農業システムを再生する過程では、農場の運営方法ももちろん大事ですが、それだけでは不十分で、周辺の仕組みそのものを変えていく必要があります。そのために何より欠かせないのは、若い人が農業に魅力を感じられること。だからこそ、「農業は素晴らしい営みだ」という尊厳を保てること、そして「暮らしがきちんと成り立つ」という二つの要素が欠かせません。

そこで私たちは、先住民が営んできた農場そのものをFarmversityと呼び、地域の行政や政治家、スピリチュアルリーダー、ジャーナリストなどとも連携しながら、農場の運営や水の管理、苗の育て方、種の収穫にはじまり、収穫した野菜の調理法など、個々の興味関心に応じて学べる場をつくることを目指しています。さらには、それらの学びが実際の仕事につながる仕組みを整え、地域の農業システムと経済システム自体を新たにつくり直そうと模索しているところです。

あなたにとっての師匠を見つけなさい

江利子 古来からの問いや、他者との共生の感覚を大切にしながら、これからの社会に向かっていく。アマゾンなどが、生きた学びの場になるのは想像できましたが、そこでの実際の学びは、どのようになされていくのでしょうか。

マニッシュさん 最近、脳科学の分野で大事だと言われているのが、「師匠と弟子」という教育のかたちです。ここでいう師匠というのは、教師に限りません。美しいことを日々していて、もしかしたら有名ではなかったり、すぐに見つからないようなところにいる人たちも含みます。だから、Ecoversityで学んでいる“khoji(コージ、探究者)”たちには、「まず、自分の師匠を見つけなさい」と伝えています。

江利子 たとえば、師匠とはどのような人を指すのでしょうか。

マニッシュさん 師匠というと、髭が長いおじいさんみたいなイメージもあるかもしれないけれど(笑)。

そういうわけではなく、村のおばあちゃんかもしれないし、ずっと農業をやっている農家かもしれない。また必ずしも人間である必要もなく、森かもしれないし、川かもしれない。インドでは、師匠を“グル”と言いますが、本来の意味はインスピレーションの源。なので、「自分のインスピレーションの源を見つける」というのが、師匠を見つけなさいという言葉に込められた意味です。

江利子 以前マニッシュさんは、“My best professor is my village grandmother.(私の一番の師は、村の祖母でした)”と言っていましたよね。

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「私はハーバード大学で学んだが、私の一番の師は、村の祖母だった」と掲げたマニッシュさん

マニッシュさん そうですね。私がUNESCOで勤めていたとき、世界的に有名な専門家と会う機会がよくあったのですが、みんな講演などでは立派なことを言うものの、お酒を飲むような場で、「世界の問題にどう対応したらいいのか、本当のところはわからない」と本音をこぼしていて。

頼りにしているグローバルの専門家が、実際は解決策を持っていないうえに、彼らは問題の仕組みのなかにいる人たちなので、仕組みごと変える勇気もない。世界が抱えている環境問題や戦争などの根源にある、グローバル経済や軍需産業という大きな問題には、あまり目を向けたがらないのです。絶望を感じました。

そのとき、すべてのキャリアを捨て、インドにいる祖父母の元へ戻ることにしたのです。当時は周囲の全員が、それまでのキャリアを捨てる私の選択に反対しました(笑)。でも結果的に、祖母と一緒に過ごすことで「知ること」と「あること」の違いに気づかされ、人生で最大の学びを得ることになりました。

江利子 「知ること」と、「あること」。

マニッシュさん 自分は、これまで持続可能性についてたくさん学び、知識もあり、人に伝える立場でもあった。でも私は、概念や知識として理解しているつもりでも、自分の暮らしのなかでは、それらをひとつも体現していませんでした。

反対に祖母は、彼女の暮らしやありかたのなかで、そのエッセンスを体現していた。だからこそ、ハーバードで学んだりキャリアを追い求めたりするより、祖母から学ぶことに徹しようと思い、たくさんのことを“unlearn(アンラーン、学びほぐし)”させてもらいました。

たとえば、私が学校教育を受けていた頃に「あなたは何者ですか?」と聞かれたら、おそらく頭のこと、せいぜい体を含めた全体を自分だと答えていたでしょう。また「家族は?」と問われれば、思い浮かべるのは、親や兄弟といった家族だけでした。

でも、祖母に同じ問いを投げかけたら、彼女は200人ほどの人を思い浮かべるのです。血縁だけではなく、近くで共に生きてきた人たちすべて。さらに人だけでなく、川や山といった自然界も「家族」であり、自分の一部だと感じていました。祖母を通じて私は、核家族や個人主義的な自分の捉え方をunlearnすることができたのです。

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江利子 マニッシュさんにとっては、祖母がまさに偉大な師だったんですね。“unlearn”について、もう少し教えていただきたいです。自分がこれまで身につけてきた知識を解体し、もう一度大事なものを掴み取る作業という感じでしょうか。

マニッシュさん unlearnは、たとえば土埃で曇ったメガネを拭き取って、再び鮮明に世界を見る感覚に近いです。

「私は何者なのか」「人間とは何か」といった、私たちに植えつけられた前提を問い直すこと。たとえば「発展とはこういうもの」「幸せとはこういうもの」という決めつけを外し、「お金があって、物にあふれている状態だけが発展ではないかもしれない」と問い直してみる。そうすると、可能性の領域が広がっていきます。日本には、もので満たされることと、幸福が必ずしも結びつかないという、ミニマリストの流れもありますよね。

江利子 「足るを知る」、ですね。

マニッシュさん インドにも、似たような考え方があります。何が自分にとっての成功なのか、あらためて問いかけてみることが必要なのです。

そして、もう一つ重要なunlearnは、不安や恐れです。学校教育を受けた人の多くは「自分は十分ではない」という根深い思い込みにさらされてしまっています。たとえば「私は賢くない」「魅力的ではない」といった不安。それがともすれば、「自分は不十分だけど、この商品を買えば満たされるはず」といった思考につながり、消費社会を支える動機になってしまうのです。

さらには、お金に対する恐れもあります。現代社会では、これが最も強力な恐れの一つで、たとえば「お金がないからやりたいことができない」と多くの人が思い込み、本当にやりたいことを諦めてしまっています。

だからこそ、それぞれが自分にとっての師匠を探し、思い込みを手放し、unlearnしていく。これがとても大事だと思っています。

付け足すのではなく、教育を“re-imagine(再想像)”する

江利子 Ecoversityを含む教育と向き合うなかで、マニッシュさんは“re-imagine(リ・イマジン、再想像)”というキーワードを掲げています。その意図をお聞きしたいです。

マニッシュさん ルネサンスや産業革命を経て、いま私たちが広く受けている現代教育のかたちが生まれました。この頃から、人間を中心に世界を捉える考え方が強まり、他の生命や自然界の存在が、私たちから切り離されていきました。そして、理性によって自然を支配し、コントロールできるという発想が教育の根底に組み込まれてしまったのです。

本来、私たちはお百姓さんのように複数の仕事をこなし、農業やヒーラーなど、さまざまな役割を担う存在でした。しかし現代教育は、工場で働く労働者を効率的に生み出す仕組みとなり、多様な営みを持つ人々を“同じ型”にはめ込んでしまったのです。その過程で、私たちは多くのものを失ってきました。

いま、多くの人がその限界に気づき始めています。教育によって形づくられた世界観が、環境破壊をはじめとする深刻な問題を引き起こしている。だからこそ、従来を踏襲するのではない教育を“re-imagine”するタイミングに来ているのではないでしょうか。

江利子 なるほど。でもなぜ、「想像」なのでしょうか。

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マニッシュさん re-imagineには、既存の仕組みに“よさそうなもの”を付け足すだけでは、もはやうまくいかないという意図も含まれています。現状の教育に、持続可能性やSDGsを足し算のように取り入れても、本質は変わりません。だからこそ私たちは、まったく新しいシステムを“想像する”岐路に立っているのだと思います。

江利子 これまでの想像=イメージを抱いたままでは、変えられないということですね。ところで、UNESCOや世界銀行など多数のバックグラウンドを持つマニッシュさんが、教育に特に力を入れるようになったのは、なぜでしょうか。

マニッシュさん 私は、子どもの頃から戦争や貧困、環境破壊といった問題に強い関心がありました。その解決策を考え続けるなかで、教育がその鍵ではないかと考えるようになったんです。そして、教育を変えるためには権力のある立場から変えるしかないと。

そこでハーバード大学で学んだのち、UNESCOや世界銀行で働きました。しかし、現代教育は問題に対する解決策ではなく、むしろ問題の根源そのものであると気づき始めました。現代教育には、人の自信を失わせ、自然界や身体感覚から切り離し、さらには他者とのつながりを失わさせていく設計がなされているのです。

だからこそ、私たちは新しい教育のありかたを思い描き、忘れてしまった大切なものを取り戻していく必要がある。たとえば、気候変動のような比較的新しい問題に取り組むためには、新しい教育のかたちが必要かもしれない。けれどもその土台にあるのは、古来から人間が備えていた「私たちは何者なのか」といった、自分たちのありかたを問い直す姿勢だと思っています。

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マニッシュさん ウェルビーイングや平和、サステナビリティを本質的に実現するには、今の経済そのものをつくり直す必要があります。戦争から利益を得る仕組みのなかで平和は成り立たず、森を伐採して利益を得る構造がある限り、環境は守れません。だからこそ、私たちは実際に手を動かし、地域ごとに新しい経済を実験していかなければならない。Ecoversityは、そうした「ローカル経済をどう再構築するか」を探究し、学び直す場を目指しています。

私たちは、従来の大学が推進してきたような環境を破壊し、人を搾取し、自らの健康さえ犠牲にして成り立つキャリアを「Deadlihood(死の営み)」と呼んでいます。対して、心が喜び、心身の健康を育み、地域を豊かにし、地球を再生へと導くキャリアを「Alivelihood(生き生きする命の営み)」と呼び、リストを作成しています。

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「その仕事は、私に喜びとやりがいを与えているか?」など、自分の仕事がAlivelihoodなものかどうかを自分自身に問う、4つの質問を図示したもの

インドや日本では、試験など学業の失敗を理由に若者が追い詰められ、結果として命を絶ってしまうといったことも起こってしまっています。なぜかというと、多くの若者は、学校や試験などの限られた選択肢がすべてだと考えているから。しかし本来、学びや人生の選択肢はもっと多様です。
Ecoversityも多様な選択肢のうちのひとつ。こういった選択肢を伝えるうえでも、あなたたちのようなメディアは大きな力を持っていると思います。ぜひ、多様な選択肢を多くの人に伝えてください。

江利子 ありがとうございます。今回のお話は記事にしていきますし、私の知人でEcoversityの考え方を知ってもらいたい人たちもたくさんいます。ぜひ今後も、つながっていけたら嬉しいです。

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日本からも多くのインスピレーションを受けてきたと話す、マニッシュさん。日本で芽吹いているEcoversityのような活動と出会い、互いに学び合い、関わり合い、交流をさらに増やしていきたいと語る

いま必要なのは、これまでの付け足しではなく、一人ひとりがこれからを生きるための新たなかたちの教育。マニッシュさんとの対話を通じて見えてきたのは、学びはひとつの“学校”という枠に閉じ込められるものではないということ。森も地域も家庭も、すべてが貴重な学びの場になりうるということです。

現在進行形で、学校教育に“ハマれない”ために窮屈な思いをしている子どもたちに、私たちにできることはないだろうか。そう尋ねるとマニッシュさんは、「いまある教育システムを内部から変えるのは難しい。私もできませんでした。でも放課後を活用するなど、学校の外側に多様な学びの場をつくることはできる」と言いました。

私たちはどこで、誰と、何を学ぶのか。それを問い直すとき、新しい教育をつくる一歩は、すでに始まっているのかもしれません。あなたにとっての学びの場はどこでしょうか。どんなことが学びとなるでしょうか。誰から学んでいますか。

見落とされてきた教育のかたちが、そこに見えてくるかもしれません。

(編集)岩井美咲、増村江利子
(写真)大塚光紀
(会場協力)高橋良弘・礼(Life Design NEST)

– INFORMATION –

2026.1 マニッシュと教育の再想像と生きる営みのラーニングジャーニー@インドのウダイプル

ecoversity グリーンズ

<日程>
2026年1月4日〜10日 6泊7日
1月4日(日)オリエンテーションとキャンパスツアー
1月5日(月)マニッシュと教育の再想像ワークショップ
1月6日(火)ウダイプル旧市街散策
1月7日(水)ファームバーシティ訪問(ホームステイで宿泊)
1月8日(木)Alivelihoods(生きる営み)の探究
1月9日(金)Be the Gift Festival
1月10日(土)振り返りと収穫、クロージングサークル

<場所>
インドのラジャスタン州ウダイプル
行き方:東京 → デリー(Indira Gandhi International Airport)→ ウダイプル(Maharana Pratap Airport)
集合、解散と主な宿泊場所:Swaraj University Campus(GoogleMapへのリンク)
ウダイプル空港からSwarajまでの行き方:タクシーで約1時間(運営側で手配予定)

<定員>
15名

<参加費>
25万円

■金額に含まれるもの
・7日間のプログラム(現地ファシリテーション、ワークショップの材料費、訪問するプロジェクトへのサポート、イベント参加などを含む)
・プログラム中の宿泊(6泊)
・プログラム中の食事(地元の健康的な食事が朝昼晩とスナック付き)
・セッションの通訳
・参加者向けの補足セッション

■金額に含まれないもの
・ウダイプル空港までの交通費、前泊・後泊する場合の宿泊費
・海外保険
・インドのVISA(取得が必要となりますので、お早めにお願いします)

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