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地域メディアの編集者になれる!?熊本県荒尾市の「地域の愛着をつくるSNS運用担当者」という仕事

この求人のグリーンズジョブでの募集期間は2023年12月8日(金)〜2024年1月31日(水)です。
募集の詳細については記事末をご覧ください。

[sponsored by 熊本県荒尾市]

現代では、多くの方にとって日常の一部になっている「SNSでの発信」。そんな何気ない営みを積み重ねることで、地域の未来をつくる仕事があります。

舞台は、熊本県荒尾市。ラムサール条約に登録された「荒尾干潟」などの豊かな自然や、世界文化遺産に登録されている「万田坑」、住民のウェルビーイングを大切にするまちづくり、そしてこのまちに関わる人々など。荒尾市のさまざまな魅力を発信する「SNS運用担当者」の募集が始まりました。

といっても、特別なスキルや経験は不要。若い視点で地域の魅力を発見する感性や、人々と打ち解けるコミュニケーション力があれば、普段あなたが何気なくしている「SNSでの発信」という作業が、多くの人から「ありがとう」と言ってもらえる仕事になるかもしれません。

「ウェルビーング」が実現できるまちを目指す

熊本県荒尾市は、福岡と熊本というふたつの都市圏のちょうど中間に位置する、人口5万人ほどのまち。高速道路を使えば福岡までおよそ1時間30分、熊本まで電車で1時間以内という大都市圏へのアクセスの良さに加え、西側は豊かな生態系が残る有明海に面しているなど、海・山・市街地がコンパクトなエリアにまとまっていることで知られています。

近年では「暮らしたいまち日本一」を目指し、「荒尾ウェルビーイングスマートシティ」の取組みも始まりました。

「スマートシティ」とは、デジタル技術を活かした快適なまちづくりの考え方。荒尾市では特に心身、そして社会的にも健康な状態である「ウェルビーイング」の実現を目指し、ヘルスケア・交通・エネルギーといった幅広い分野でデジタル技術の活用を進めており、2020年には国土交通省のスマートシティモデル事業「先行モデルプロジェクト」に選ばれました。

たとえば荒尾市では、人工知能(AI)を活用した相乗りタクシー「おもやい(OMOYAI)タクシー」を運行。これは交通にデジタル技術を活かした例です(提供:荒尾市)

さらに、2026年には「あらお海陽スマートタウン」が完成予定。2012年に閉鎖された約35ヘクタールの競馬場跡地に、道の駅や保健・福祉・子育て支援施設を集約するなど、ウェルビーイングな暮らしを実現できるエリアを目指し、建設を進めています。

「あらお海陽スマートタウン」のイメージ(提供:荒尾市)

このように、「暮らしたいまち」を目指す荒尾市ですが、年間約200万人が訪れる観光のまちという側面も。ラムサール条約に登録された「荒尾干潟」、西日本最大級の遊園地「グリーンランド」、世界文化遺産に登録されている「万田坑」など、市内に数多くの観光スポットがあります。

日本の近代化を支えた炭鉱「万田坑」。2015年7月に、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつとして世界遺産に登録されました(提供:荒尾市)

荒尾干潟は、デートや撮影スポットとして多くの方が訪れます

「地域の愛着をつくるSNS運用担当者」とは?

荒尾市が「暮らしたいまち」を目指すうえで、直面している課題があります。それは、若い世代、特に女性の転出の多さ。就職や進学のタイミングで、福岡市や熊本市といった都市圏に引っ越す人が多いのだそうです。

学校や企業が大きな都市圏に集中している以上、転出を食い止めるのはなかなかむずかしいこと。であれば、一度引っ越してもまた戻ってきたくなるようなまちにしようーー。そう考えた荒尾市では、「ぎゃんすき!」を合言葉に、取り組みをはじめました。

地域活性化起業人として、荒尾市のまちづくりに関わるAnbai株式会社纐纈翼(こうけつ・つばさ)さんは、この言葉に込められた思いをこう説明します。

纐纈さん 荒尾市には、3歳児から5歳児までの幼児教育・保育の無償化、小学校の給食費無償化、高校生まで医療費無償化といった手厚い子育て支援制度があります。でも、そうした制度はとても大切ではありますが、市内・市外の人達へのヒアリングを通して「ここに住む」決め手にはなりづらいことを痛感しています。

大事なのは、荒尾市を「ぎゃんすき!」と思ってもらうこと。「ぎゃんすき!」はこの土地の方言で「すごく好き!」という意味です。荒尾市に愛着を持つ方が増えたら、一度引っ越してしまっても、また帰ってきたくなると思うんです。

地域活性化起業人の纐纈さん

若者、特に女性に地域への愛着を持ってもらうために必要なのが、今回募集する、「地域の愛着をつくるSNS運用担当者」。具体的には地域おこし協力隊として、InstagramなどのSNS運用を行うことになります。

主に運用していくのは、荒尾市の公式メディア『ぎゃんすき!あらおちゃん』。かつて地域おこし協力隊が立ち上げたインスタグラムのアカウントを、2023年9月にリニューアルしたものです。

荒尾市公式メディア『ぎゃんすき!あらおちゃん』

ページを開けば、目に飛び込んでくるのはポップなデザインとユーモラスな言葉、そして荒尾市の人々や風景。干潟に夕日が沈む様子を映した15秒の動画や、新聞記事風の投稿、「荒尾市に来てわからなかった方言TOP5」など、ユニークな投稿やストーリーがほぼ毎日更新されています。

この日の投稿は、新聞記事風に荒尾市で起きたトピックを月毎に紹介する企画「あらおTIMES」。単にものごとを伝えるだけでなく、企画力、デザイン力、編集力も活かされています

現在は纐纈さんや市役所職員の方々が『ぎゃんすき!あらおちゃん』チームとして運用しています。なかには、思わず親近感が湧いてしまうようなチームのみなさんが登場している投稿も。

『ぎゃんすき!あらおちゃん』チームが登場する投稿。一人ひとりの個性が伝わります

『ぎゃんすき!あらおちゃん』チームのひとり、「まゆちゃん」こと市役所総務部総合政策課の丸本真由子(まるもと・まゆこ)さんは、2023年9月のリニューアル以降、はやくも発信の手応えを感じているようです。

荒尾市役所の丸本さん。投稿によれば、「こう見えて中身ネクラ」なのだとか

丸本さん 通常、行政による発信は時間がかかるんですが、『ぎゃんすき!あらおちゃん』では取材から投稿までのスピードがはやく、旬の情報を届けることができています。また、登場する地域の方の表情もいいし、投稿の明るい色味やトーンも若い世代の好みに合っていますよね。

その成果か、フォロワーは2023年10月現在で3000人弱に。その6割ぐらいが女性です。私たち市役所が住民の方に届けたい、暮らしに役立つ情報も、わかりやすく身近な情報として届けることができている気がします。

「地域の愛着をつくるSNS運用担当者」は、主に『ぎゃんすき!あらおちゃん』取材打診から実際の取材、投稿制作(動画を含む)を行うことになります。また、もしかしたら今後、TikTok等の媒体が増えたり、イベントを開催したりする可能性も。その際には、新たな企画を立てることもできそうです。

ちなみに、特別なスキルや経験は必要ないとのこと。着任してしばらくは、これまで『ぎゃんすき!あらおちゃん』の運用を担ってきた纐纈さんと一緒にネタ探しから、取材、投稿までを行い、だんだんと自ら企画から投稿まで行える状態になることを目指します。

纐纈さん プロのSNS運用経験者や、インフルエンサーを求めているわけではありません。これまでの経験よりも、地域のことを面白がって、色々な視点でネタを見つけ、一緒にメディアをつくっていける方が理想。まずは「やってみたい」という気持ちが一番ですね。

ちなみに『ぎゃんすき!あらおちゃん』の投稿によれば、纐纈さんは骨折12回(!)経験者だそう

ただひとつ、特記すべき条件としては、自身も顔出しOKであること。インフルエンサーのように自分が全面に出るというわけではありませんが、ときには自身が体験したことを投稿することもあるため、完全に顔出しがNGの方はむずかしいそうです。

また、3年間の任期終了後については「定住してもらうことが望ましいですが…」と前置きしつつ、その方のキャリアを尊重したいと纐纈さんは語ります。

纐纈さん 任期終了後に、その方が自立して生きていけるように伴走していきたいと思っています。荒尾市に残るのもいいし、別の地域でここでの経験を活かすのもいい。その方の人生なので、いろいろな関わり方でその後もつながっていければ嬉しいですね。

大事なのは、地域の人々と会いまくる行動力

地域おこし協力隊としての活動をイメージするために、先輩の話も聞いてみましょう。

須田賢士朗(すだ・けんしろう)さんは、隣町の大牟田市出身。2016年1月から3年間、荒尾市で地域おこし協力隊として活動しました。任期終了後も荒尾市で家族と暮らし、スマホアプリ開発、めだかの養殖や障がい者の就労支援、ホームページ制作の事業を行う株式会社ココロカラを経営しています。

荒尾市の協力隊募集に応募したきっかけは、営業の仕事で全国を駆けまわっていたとき、父親から募集の話を聞いたことだそう。

荒尾市で結婚し、二児の父親としても暮らしやすさを実感しているという須田さん

須田さん 当時は、そろそろ九州に戻りたいなと思っていたんです。荒尾市には祖父母の家があったのでなじみもあり、移住してきた時はほぼ地元に戻るような感覚でした。

移住して実感したのは、「荒尾市って、都会すぎず田舎すぎず、ちょうどいいまちだな」ということだそう。大阪出身のパートナーも、子育て支援が手厚いこともあって、移住に抵抗はなかったようです。

地域おこし協力隊時代の業務のメインは、情報発信。まちの魅力をSNSに投稿したり、FMラジオ局に月2回ほど出演したりしながら紹介していたそうです。

須田さん 市役所の立場では、お店を紹介する際にも複数の店を平等に扱わなければならないと思います。その点、協力隊という立場だからこそ、個人の飲食店やニッチなコーヒー屋さん、看板職人や日本刀づくりの職人さんなど、面白い人に着目して記事にしていくことができたんです。「投稿を見ました」というお客さんが来て、店主が喜んでくれている姿を見たりすると、すごくやりがいを感じましたね。

まちを知っていくうちに、荒尾市にはカフェ・ケーキ屋・パン屋が多いことに気づいた須田さんは、取材しながら30店舗ほどの情報を掲載したグルメマップをつくったことも。完成したマップを取材した店や駅、シティーモールなどに設置してもらうところまで奔走しました。

地域おこし協力隊時代の須田さんの話を聞いて、盛り上がる3人

須田さんが行っていた業務は、今回募集する「地域の愛着をつくるSNS運用者」と近いものがありそうです。大事なのは、地域の人々とのコミュニケーション。地域おこし協力隊として、まちにとけ込む秘訣はあるのでしょうか。

須田さん 「地域おこし協力隊」の肩書きは、活動するうえで最強だと思います。「協力隊です」といえば、荒尾市のみなさんはある程度話を聞いてくれるんですよ。その肩書きを活かして、いろんな人に会いまくるのは必須だと思います。住んでいる人のことを知らないと、何もアイデアは生まれませんから。

地域のキーマンにつながることができたら、違う人を紹介してくれて、どんどんつながりが広がっていく。そうすると面白いアイデアが生まれたり、活動に協力してくれたりすることがあるんです。

「協力隊の仕事は楽しいし、いい経験でした」と振り返る須田さん。一方で大変だったことは何かと聞くと、ライフステージの変化もあって、家計のやりくりは工夫が必要だったとか。

須田さん これは次に協力隊になる方には当てはまらないかもしれませんが、僕の場合は荒尾市に引っ越してから結婚したこともあり、協力隊の収入だけでは家計が苦しかった時期がありました。

でも、それをきっかけに副業を始めたことが、結果的に任期終了後に自分の望む仕事のスタイルを実現することにつながりましたね。新たに着任される方には、協力隊の経験を糧に何がしたいか、任期後の自分を意識して働くことをおすすめします。

まちを知り、人との関わりを深めていくなかで、荒尾市に住み続けることをごく自然に選び取った須田さん。現在でもこの地を拠点にいきいきと活動している様子が伝わってきました。

「ぎゃんすき!」を自ら体感し、伝えていく仕事

その土地を知り、たくさんの人とコミュケーションを図りながら、まちへの愛着をつくっていくSNS運用担当者。可能性に満ちた地域に飛び込み、発信のスキルと人とのつながりを得ながら、地域の未来をつくっていける3年間は、新たな自分に出会える旅のようでもあり、わくわくしてきませんか?

求めているのは、人と接することが好きな人、何事も楽しむ気持ちを持てる人、発信する仕事やまちづくりに興味がある人。

あなた自身が「ぎゃんすき!」と思えるまちや仕事、人たちが、荒尾市で見つかるかもしれません。

取材の最後は、荒尾に関わる「よか人」を紹介する『ぎゃんすき!あらおちゃん』の企画「どぎゃんひと?こぎゃんひと」の突撃取材で締めくくり!

(撮影:重松美佐)
(編集:山中散歩)

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