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もう雑草なんて呼べない。足元にあるハコベを活かす「歯磨き粉」のつくり方

新緑が芽生え始める季節。茶色かった足元にもどんどんグリーンの草が増えていきます。

空き地や田畑の片隅などに、ふんわり感を漂わせながら群生している草を見ることはありませんか? もしもきれいなその草を見つけたら、自分だけの歯磨き粉をつくるチャンスです。

足元の野草「ハコベ」は
かつて、野菜兼お薬

背丈は10〜20cm。棒状の茎で群集するため、踏まれても地面に這うのではなく、ふわっと弾力感のある生え方をしているハコベ。

野草の中でもエグミが少なく、カルシウムや鉄分などミネラルが豊富なハコベは、春の七草のひとつでもあるように、食用されてきた長い歴史があります。また薬用植物としても知られ、欧米では湿布剤や軟膏として使われたり、漢方では干したハコベを繁縷(はんろう)という生薬にしていました。胃腸を整え、冷え性、便秘、産前産後ケア、さらに歯槽膿漏や虫歯予防に良いとされています。

漢方のように干し上げてつくる歯磨き粉のつくり方もありますが、より手軽で、日々の暮らしに汎用性もあるつくり方をご紹介します。材料がそろえば正味10分ほどでつくれます。

ハコベ歯磨き粉のつくり方

<用意するもの> 
仕上がり30gほど
・ハコベ(適量。目安:ボウルに軽く1杯程)
・塩
・フードプロセッサー
・ボウル、ザル、さらし布など濾す道具
・土鍋、またはフライパン
・木ベラ、または耐熱ゴムベラ

1. ハコベを取りに行く

管理者のわかる場所で、農薬などが使われていないところで自生しているハコベを取らせてもらいましょう。

春は他の野草も多いので、ハコベじゃない草を取らない様に注意します。特徴は、やや尖った形の葉っぱ、5ミリほどの小さな白い花、赤っぽい色の茎(大きめの種類だと茎も緑)、産毛の生えた茎とツルンとした葉っぱの組み合わせなど。日本に自生するハコベは複数の種類がありますが、どのハコベでも大丈夫です。

ハコベかどうか確かめる方法のひとつは、茎を少し折ってみること。中心には水や栄養を通すしっかりとした管があるのが特徴。

2. 洗って刻む

全体を水に浸して細かい砂や虫などを取り除き、余分な水気を取ったら、フードプロセッサーなどを使って全体的に細かく刻みます。

刻むことでハコベが含んでいた水分を絞りやすくなります。

3. 水分を絞る

刻んだハコベをさらし布などで包み、よく絞る。

下にボウルなどを置いてから、しっかり絞り切る。

4. 水分と同量の塩と炒る

ハコベの水分(右)と同量分の塩を用意する。

土鍋でまずはサッと塩を乾煎り。弱火で、焦げないように注意。

ハコベの水分を加え、かき混ぜながらよく炒る。少量だとすぐ状態が変化するので要注意。

数分で軽くまとまる程度に水分が飛ぶ。

ぽろぽろ状になり始めたら、土鍋の場合は火を止めてここからは余熱で炒る。

「ハコベ塩」が完成。十分に冷ましてから清潔な瓶などに保存する。もっと細かくしたい場合はすりこぎ等を使う。

多様で自由。
クラフト歯磨き粉

歯磨き粉として使う際、この「ハコベ塩」をそのまま歯ブラシに付けて使います(当然しょっぱいので前歯から先に磨くのがおすすめ)。歯茎がキュッと引き締まる感覚がクセになります。

もしくは植物グリセリンやココナツオイルを少しずつ足しながらクリーム状にするなど、自分の好みでアレンジは自由。家にあるものを活かすことでほとんどお金もかからず、ゴミも出ない、生活用品を自作することは魅力がいっぱいです。

ハコベ塩の用途はもちろん歯磨き粉だけに限らず、普通のお塩と同じように使うこともできます。おにぎりに効かせたり、天ぷらに合わせたりして、日常の食卓にも野草の味わいを加えてみませんか。