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障がい者も地域の人も、笑顔になれる場をつくる。長野県佐久穂町が募集する「福祉と地域をつなぐコミュニティマネージャー」とは #仲間募集

この求人のグリーンズジョブでの募集期間は2023年1月26日(木)〜2月20日(月)です。
募集団体が設ける締切や募集詳細については記事末の募集要項をご覧ください。

「障がい福祉施設」と聞いて、どんな場所を思い浮かべますか?

なかには、障がいのある方だけが集まる、閉じられた場所をイメージする方もいるかもしれません。実際に日本各地で、障がいがある方と地域の人々との関わりがないことが課題となっています。

しかし今、greenz.jpでも紹介した長野県上田市にある「リベルテ」や京都府京田辺市の「三休」のように、障がい福祉施設を地域にひらいていこうとする、「福祉×コミュニティ」の取り組みも生まれています。

そんな「福祉×コミュニティ」の活動にあらたに取り組もうとしているのが、長野県佐久穂町(さくほまち)です。

佐久穂町は、東京駅から新幹線で約80分。軽井沢駅の隣である佐久平駅から、今度は車で30分ほどのところにあります。

2005年に佐久町と八千穂村が合併して誕生し、人口はおよそ1.1万人。八ヶ岳や茂来山などの山々に囲まれ、町の中心には南北に千曲川が流れる、自然豊かなまちです。

野菜や果物、花の栽培、林業といった一次産業が盛んですが、2019年に日本で初めて、オランダ発祥の自律と共生を学ぶオープンモデル教育「イエナプラン」を取り入れた大日向小学校が開校したこともあり、近年、移住者が増えています。

そして今、佐久穂町が募集しているのが、「福祉と地域をつなぐコミュニティマネージャー」。地域おこし協力隊として、2023年の春から着任する人を募っています。

なぜ今、「福祉と地域をつなぐコミュニティマネージャー」を募集するのか。実際に地域おこし協力隊が着任したあとの担当となる、佐久穂町役場健康福祉課の小林正樹(こばやし・まさき)さんと、障がい者福祉施設「陽だまりの家」所長の佐々木茂(ささき・しげる)さんに話を伺いました。

豊かな自然が広がる佐久穂町の風景(提供:佐久穂町役場)

福祉と地域の接点をつくる

「誰もが自分らしく生きることができるまち」を目指す佐久穂町では、障がい者福祉の充実を目指してさまざまな取り組みを行っていると、小林さんは語ります。

小林さん 佐久穂町に限ったことではないのですが、障がい者福祉に関してはさまざまな問題が出てきています。たとえば、障がいのある方の親御さんがもう高齢になり、「私たち親がいなくなったらどうしよう」と悩んでいるケースも多いです。

また、佐久穂町の障がい者福祉の大きな課題として、障がいがある方の自立した生活の支援があります。佐久穂町は、障がいがあってもなくても、誰もが自分らしく生きていける地域を目指している。そのための第一歩として、地域の方々と障がい者福祉との接点をつくる必要性を感じているんです。

佐久穂町で生まれ育った小林さん。大学卒業後にUターンしたそう

佐久穂町には障がい者福祉の拠点として「地域活動支援センター」と「陽だまりの家」という場所があります。

「地域活動支援センター」とは、地域交流や創作活動の場の提供や、相談受付などを通じて、障がいのある方のサポートをしている施設。佐久穂町にある同センターでは、障がいのある方が来て自由に過ごしたり、創作活動をしています。

「地域活動支援センター」の様子。ここで創作活動などを行います(提供:佐久穂町役場)

また、「陽だまりの家」は、就労継続支援B型事業所として障がいのある人が就労する場所。同時に重度の障がいのある人の生活介護もおこなっています。所長の佐々木さんによれば、現在ここでは40名が就労訓練を、また10名が生活介護の利用をしているそう。

佐々木さん 作業室が3つあるのですが、それぞれ作業内容がちがって。ひとつは和菓子屋さんがスーパーに出荷するときに商品を入れる箱を折っています。もうひとつは工業用の石灰や土壌改良材などを入れる袋を折ったり糊付けしたり。3つめは電子部品の一部にストッパーを入れたりする仕事です。

「陽だまりの家」の外観

和菓子の箱をつくっている様子

こうした障がい者福祉施設がある佐久穂町ですが、「もっと障がいがある方と地域の方がつながるような場ができたら」と小林さんは語ります。

小林さん 特に「地域活動支援センター」は、今も利用してくださる方はいるのですが、まだまだまちに暮らす方の一部。もっと誰もが安心して集まる居場所にしていきたいと思っているんです。

障がいがある方が社会参加の第1歩として過ごせる場所であることはもちろん、地域の方々が疲れたときにちょっと立ちよれたり、生活するうえで必要な知識を学べたり、誰もが楽しめるイベントが開かれたり。そんな「居場所」をつくりたいなぁと。

また、障がいがある方と地域の人々との接点づくりとして、農業を通じて障がいがある方の社会や地域との接点をつくる「農福連携(農業と福祉の連携)」も検討しているのだとか。

小林さん 「農福連携」は農林水産省が提案している取り組みで、作業を個別最適化することで障がいのある人も農業に参加できる、という連携。佐久穂町も一次産業が盛んなまちなので、検討をしているところです。

まずはいま地域おこし協力隊として活動している方に、農家さんに話を聞いてもらい、どんなことができそうか情報収集をしてもらっています。

「福祉と地域をつなぐコミュニティマネージャー」の仕事

福祉と地域の接点をつくることが、今回募集する「福祉と地域をつなぐコミュニティマネージャー」のミッション。具体的には次の3つの業務に取り組むことになります。

ひとつめは、「居場所づくり」。主に「地域活動支援センター」を舞台に、障がいがある方や地域の方など、誰もが安心して集まり、楽しく活動が行えるような居場所をつくっていきます。場所はあるものの、佐久穂町の中では「居場所づくり」の取り組みはこれから始まる段階。「なにがあったら、安心して集まれるか」というアイデアの段階から、コミュニティマネージャーとなる方の柔軟な発想をいかしながら取り組んでいくことができます。

2つめは、「障がい者が働くためのお手伝い」。企業や地域の人々と連携をとりながら、地域の中に障がいがある方が働ける場所を増やしていきます。

3つめは、「地域との交流づくり」。地域の方々に障がいに対する理解を広げ、障がいがある方が社会参加しやすいまちをつくるために、イベントを開催するなどして交流をつくっていきます。

これら3つの業務がありますが、いきなり独自の企画を提案するのは難しいため、1年目は障がい者福祉施設の業務に取り組みながら、先進事例の取り組みについて調査や視察を行ったりし、2年目以降に自らの企画を実施していく、というステップを考えているとのこと。

基本的には「地域活動支援センター」と役場が職場となりますが、現場の様子を知るためにも週1日程度「陽だまりの家」を訪れて、障害がある方とコミュニケーションをとることが想定されています。

ちなみに、福祉の仕事の経験はなくても大丈夫とのこと。

小林さん それよりも人柄のほうが大事ですね。福祉というと、大きな問題に取り組んでいくように感じるかもしれないですが、私自身が福祉の活動をしていて思うのは、一人をいかに見ていくか、ということ。1対1のやりとりがとても大事だなと感じています。

この人には相談できるとか、この人なら安心して話せるとか、そういう関係づくりが大切。温かみのある人に来てもらえるとうれしいですね。

また、相手の意見を取り入れながら、協力して物事を進められることも大事だそう。

小林さん 一人をいかに見ていくか、といっても、家族や行政などいろんな人とも関わっていくことになるので、突っ走りすぎないことも大事かなと思います。みんなと調整しながら、どう巻き込んで、どう支援していけるかを一緒に考えていける人に来ていただきたいです。

福祉未経験で飛び込んだら、見方が変わった

佐久穂町で福祉分野に取り組む地域おこし協力隊には、先輩がいます。2021年4月から地域おこし協力隊として活動している水谷和世(みずたに・かずよ)さんに、「地域活動支援センター」の様子や仕事のことなど、話を伺いました。

地域おこし協力隊2年目の水谷さん

兵庫県出身で、10年ほど福岡県に住んでいたという水谷さん。どんなきっかけで佐久穂町に来たのでしょうか?

水谷さん 子どもが佐久穂町の大日向小学校に入学することになり、私もここで何か仕事を…と探していたときに地域おこし協力隊の募集を見つけました。

そのとき総合政策課と健康福祉課の募集があって、もともと保育士の仕事をしていたこともあり、福祉のほうをやってみたいと思いました。

水谷さんいわく、「地域活動支援センター」に来る利用者は1日3〜4人ほど。特に時間や曜日は決まっていませんが、人によってだいたいのルーティーンが決まっているとのこと。

水谷さん 朝一番に来て、最後までいる方もいますし、その日の調子で遅く来る方もいます。たまに料理教室や工作のイベントなどもありますが、基本的には「今日はこれをやりましょう」という決まりはなく、みなさん穏やかに過ごされていますね。

ただ、単に一緒にいて、楽しく過ごす、ということはできるけれど、自分はちゃんと支援できているのかな、と感じることもあります。すぐに結果が出るわけではないので。

利用者が制作している作品


利用者の方が描いた絵をカレンダーに

実際に佐久穂町の福祉の現場で働いてきた水谷さんからみて、新しく着任する協力隊はどのような方が向いているのでしょうか。

水谷さん いろんなところにアンテナが張れる人だといいですね。いままでの福祉の考え方にはない、ユニークな提案をしてくれるような人に出会いたいなと思います。

私自身、佐久穂町に来る前は障がいがある人はまちで見かける程度で、施設も行ったことがなくて。どんな人がいるのか知らずに福祉の仕事をはじめたんです。

だけど、この1年で見方が変わりました。彼らは彼らでいろんなことを思って、感じて、考えて過ごしているし、「障がい者」というイメージだけで見てしまうのはもったいないな、と。「障がい」はその方の側面の一部なんですよね。

でも、多くの人は自宅と施設の往復しかしていなくて、地域との接点がほとんどないんです。だから、いろんな接点ができるような場をつくれる人に来てもらいたいです。

人のつながりを感じられる。だから、やりがいも大きい仕事

最後に、移住者という視点から、佐久穂町での暮らしについても聞いてみました。

水谷さん 車で30分以内に大きなイオンモールとか、まちなかにスーパーも2軒あって、地元の農家さんが出す産直市場もあるので、買い物に苦労することはないですね。ほどよい田舎という感じで、住みやすいです。

でも夜になると星がとてもきれいで、最初は驚きました。空気が澄んでいるので星がはっきりと見えて、空が近くに感じるんです。

佐久穂町で生まれ育ったという小林さんも頷きます。

小林さん この景色は都会にはないな、と思いますね。八ヶ岳と浅間山が見えて、千曲川が流れていて、そういう景観がいいところは私も気に入っています。あと、人口1万人ちょっとの小さなまちなので、歩いていると近所の人に声をかけられたり、人とのつながりも感じられますね。

最近は水谷さんのように、大日向小・中学校をきっかけに移住される方も増えてきているので、新しいことをはじめる人も増えて、まちとしてもいい方向に進んでいくのかなと感じています。

移住者が増え、新しいお店も続々とオープンしている佐久穂町だからこそ、福祉と地域をつなぐことの可能性と意義があると感じました。

福祉という分野はなかなか先に進まないことも多いけれど、その分「なにかひとつでも形になると、達成感は大きい」と小林さんが言っていました。それも、人口およそ1.1万人という、地域の人々の顔が見える規模のまちでは、やりがいもより大きいはず。

人と、地域と、農業とつながる福祉。今、佐久穂町で募集しているのは、そんな仕事を担う方です。

写真:五味貴志
編集:山中康司

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