生ごみを微生物の力で堆肥化する「コンポスト」。不透明な容器に入ったスタンダードなタイプは、見たことがある方も多いのではないでしょうか。
私はこれまで段ボールコンポスト、手回し式のコンポストを実践してきました。どちらも素材を入れたら混ぜてしまうので、入れたものがあっという間に見えなくなってしまうんですよね。
カラフルな野菜くずや果物の皮。これまで、さまざまなものを何気なくコンポストに放り込んできましたが、イギリスの子ども向けガーデニングサイト「Growing Healthy Kids」に中身が見えるボトルに詰めて、分解が進む様子を目で見て楽しめるコンポストを発見! 今回は、そのレシピをもとに実際に私がチャレンジした様子をご紹介します!
置いておくだけ。じっくり見守ろう!
面倒な管理は必要ありません。
透明な瓶に重ねて詰めて、置いておくだけ。
1. ペットボトルの場合は、ボトル上部を切り取る。
2. ボトルの底に土を2〜4cm入れる。(堆肥化のプロセスに必要な菌を供給する)
3. 果物や野菜の皮を入れて層にする。
4. 少し土を入れ、紙を入れる。
5. 紙の層ができたらまた少し土を入れ、草や葉の層を加える。これをボトルがいっぱいになるまで繰り返す。
6. スプレーでボトルの中身を湿らせる。
7. 瓶の蓋を締める。ペットボトルの場合は切り取ったボトルの上の部分を戻し、中身が乾かないようにテープでしっかりと封をする。
8. 変化が分かるように、ボトルの中身の高さを油性ペンで印をつける。
あとは日当たりの良い場所に置いておくだけ。毎日のかき混ぜも不要、じっくり見守りましょう。
ポイントは、微生物が豊富な土を使うこと。自然の土が手に入ればベストですが、市販の腐葉土や土のリサイクル材でも大丈夫。
柑橘系の果物は中身を酸性にし、微生物がはたらきにくくなるので、避けた方が無難です。ニンニクや玉ねぎの皮、卵のカラも分解に時間がかかるので注意してください。また、臭い漏れや虫の侵入を防ぐため、ペットボトルを使う際のテープはしっかりと貼りましょう。
ときめきからはじまる、循環のサイクル
つくってみて感じたのは、生ごみへの捉え方が変わったこと。
これまで何も考えずにコンポストに放り込んでいた、にんじんの皮やイチゴのヘタの色の鮮やかさにワクワク。また、きゅうりのヘタなど少ししか出ないものが出ると、レア物を手に入れたようなときめきがありました。今までとは違う感覚で、丁寧に生ごみに触れている自分に気がつきます。
それだけに、もう一度、もう一度と何度もつくりたくなり、コンビニのアイスコーヒーを飲み干すなり、「これに詰めたら絶対かわいい…!」と洗って持ち帰るほど夢中になってしまいました。
ボトルの中身が微生物に分解されて土に還るまでには、3週間から6週間を要します。
ゆっくり時間をかけて堆肥ができたら、今度はプランターのごちそうに。そこで野菜を育てれば、また人間の台所へと帰ってきます。調理過程で生まれた野菜くずをボトルに戻せば、微生物の餌となる。
そんな循環を目にしながら、自然と湧き上がる感謝と祈りを込めて詰めるのは、これまでにはない体験でした。
自然や未来の自分の生活にギフトを贈るような感覚でつくるコンポストボトル。あなたならどう仕上げ、その堆肥で何を育てますか?
(撮影・Text:高橋友佳子)
(編集:greenz challengers community、スズキコウタ)
[via https://growinghealthykids.co.uk/how-to-make-compost-in-a-bottle/]