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離島だからできる場づくりがある。利尻島と沖永良部島で「みんなの未来をつなぐ場所」をつくってみませんか? #仲間募集

こちらのグリーンズジョブ上での求人募集は終了しました。

離島。その言葉を聞いただけで旅情がくすぐられる…。あなたはそんな想いを持っていませんか?この文章を書いているわたしは、大の旅好き、島好きなので、もう「離島」の言葉だけで、旅へのロマンが溢れ出てきてしまいます。

旅とは違い、「暮らす」となると、都会からアクセスがよくなかったり社会インフラが乏しかったりと、課題が山積みといわれる離島。ですが、圧倒的な自然のなか太陽のリズムとともに生活する暮らしや、その土地で誇りを持って生きる人との出会いなど、島にはその課題を超える大きな魅力もあります。

離島に住んでみたい。
島に暮らし、その土地の人と関係性を築きながら、島の人と外から来た人をつなぎ、島で暮らす人の未来の可能性を紡ぐ場づくりをする仕事をしてみたい。

そんな夢や希望を持つ方にぴったりの仕事をご紹介します。

今回募集するのは、「一般社団法人ツギノバ」のメンバーとして、離島での場づくりの最前線を担う仕事。北海道利尻島(りしりとう)と、鹿児島県沖永良部島(おきのえらぶじま)という南北2つの島での募集です。

利尻島では、地域のハブとなるコミュニティスペースの運営を行う事業ディレクターと、広報担当の各1名。沖永良部島では、コミュニティスペースをイチからつくりあげる事業ディレクターの1名。計3名を募集します。

島の人の夢や希望を詰め込んだ「みんなの未来をつなぐ場所」をつくる、いわば「離島×場づくりの担い手」となる仕事。離島でのまちづくりやコミュニティデザインに興味がある人、地域の人々や行政とともに実効性のあるプロジェクトを動かしたい人には必見の求人です。

離島で生きる人が、よりよく生きるための要素を詰め込んだ
「利尻町定住移住支援センターツギノバ」

利尻島は、「日本最北端の地」がある北海道・稚内市から西へ約52km。稚内からはフェリーで1時間40分、札幌から飛行機で約50分で到着する、周囲63kmの島です。

利尻島で特徴的なのは島の真ん中にそびえ立つ利尻岳。標高は1,721mあり、「利尻富士」とも呼ばれるこの山は、島のどこからでも美しい勇姿を眺めることができます。春から夏にかけてはさまざまな高山植物が育ち、全国的に知られている「利尻昆布」やウニといった海鮮などを求めて多くの観光客がやってきます。

島の中央にそびえる「利尻富士」。取材時は幸運にも好天続きで、めったに見られないという山頂付近もくっきり見られました

2020年7月、利尻空港から車で15分ほど走ったところにある沓形(くつがた)という集落のはずれに、「利尻町定住移住支援センターツギノバ」が誕生しました。

ツギノバ外観。まちの中心部から徒歩でも15分程度と便利な立地

閉校になった旧沓形中学校を活用したこの施設は、利尻町での定住・移住にまつわる相談などを気軽にでき、また利尻島内外の人々をつなぐ交流スペースとして、カフェラウンジやコワーキングスペース、ミーティングルームなどを併設しています。

ツギノバのカフェ部分。ハンモックもあって明るく開放的な雰囲気

元技術室の机とイスを使ったコワーキングスペース。奥の卓球台で子どもたちと大人が卓球に興じる光景もよく見られるそう

ガラスで仕切られたミーティングルーム。館内はWi-Fi、電源、延長ケーブルも自由に利用可能

豆の種類も豊富なコーヒーは、広島のウェブディレクターで、年に一度ワーケーションで利尻島に滞在している方の本格的な趣味がコーヒー焙煎だと大久保さんが聞きつけ、彼が焙煎した豆を卸してもらっているそう

離島を好きになり、移住したメンバーがつくりあげた
「みんなの未来をつなぐ場所」

この場所を運営するのは「一般社団法人ツギノバ」です。メンバーは代表理事の大久保昌宏(おおくぼ・まさひろ)さんと理事の八木橋舞子(やぎはし・まいこ)さん、昨年入社した大良萌々(たいら・もも)さんの3名。現在、ツギノバの場としての運営は、利尻町地域おこし協力隊として活動している高木啓子(たかぎ・けいこ)さんも加えた4名体制で行っています。

左から八木橋さん、大良さん、大久保さん

2020年7月にオープンした利尻町定住移住支援センターツギノバは、「みんなの未来をつなぐ場所」として、カフェやコワーキングスペースの運営のほか、定住に必要な仕事の紹介、空き家バンクの運営と相談窓口、利尻町での暮らしにまつわる情報発信など、地域の人がほしい機能を集めた場所です。ここを起点に、島に暮らす人たちと、島を訪れた人たちが出会い、つながり、地域に彩り豊かな未来を生み出す拠点にしたいという想いで運営されています。

一般社団法人ツギノバの代表である大久保さんは、2014年にNPOとなり、現在は理事を務めている「離島経済新聞社(以降、リトケイ)」で、子どもたちを対象に実施する「うみやまかわ新聞」という教育プロジェクトを通じて利尻町と関わったことが縁で、まちとの関係性が深まりました。

大久保さんは、利尻町役場に請われて2017年頃から利尻町における10年間のまちづくりの指針となる第6次総合振興計画の策定にも参画しました。

そこで出てきた町民からの声を集め、「まちの中に不足しているモノやコトを全て集約できる施設」を、閉校になり利活用の道を探っていたもののうまく活用されずにいた旧沓形中学校の施設を利用してつくることを提案。2020年7月に利尻町定住移住支援センターツギノバが開設されました。

そして、2020年に一般社団法人ツギノバを設立し、それまでリトケイとして行っていた事業の立ち上げから運営までを引き受けることになりました。

そのタイミングで、大久保さんは東京にベースを置きながら利尻島とのあいだを往復する生活から、利尻島に軸足を移すことになります。現在は、家族が住む東京と利尻島・沖永良部島の三拠点を忙しく動き回る日々。「利尻島にどんどんハマっちゃって、とうとう家も見つけたんで」と笑いつつ、強い想いでこの場をつくり上げてきたことが伺えます。

さまざまな離島に関わってきた大久保さんですが、どうして「利尻島に?」という質問には、「成り行きな部分もありますが、やっぱり人とのご縁は大きいですね」とのこと。利尻島で出会った町役場の職員や子どもたち、住民のみなさんとの関わり合いのなかで関係性が深まり、今に至ったと話してくれました。

ところで、大久保さんはどうして離島での場づくりが必要だと感じたのでしょうか?

大久保さん ツギノバの正式名称は「利尻町定住移住支援センター」というふうに、移住よりも定住が先になってるんです。それは、外から移住したいと来る人よりも、まちの中の人との関係性をまずは大事にしたいから。

何かあったときに役場まで出向いて相談するって、なかなかしづらいですよね。もっとまちの人が気軽に、話のついでに相談ができるような、暮らしに役立つ場が必要なんじゃないか、と思ったんです。

さらに大久保さんは、ツギノバが島外から訪れる人と住民が出会える場所になることで、島の人が視野を広げるきっかけになればと考えています。

大久保さん もちろんツギノバでは、移住支援にも取り組んでいます。利尻島に来た人が仕事を得て定住できるようにするために、求人情報も充実させ、空き家バンクの仕組みも整えました。島で新たに生活するために必要なサービスは全部揃えたかったんです。

でもそれは、ただ単に移住者を増やすためだけではなくて、島でずっと暮らしてきた子どもや若者が移住者との出会いを通して、さまざまな人の存在を知ることも大事だと思うからなんですよね。このまちを出なくても仕事を得て住み続けることができるんだって、将来を明るいものとして捉えてほしいから。

現在は、ツギノバのスペースを利用して元地域おこし協力隊員が始めた、小中学生の生きる力を育む私塾「あそびどころ」も利用者が増え、放課後には子どもたちの声も響くようになりました。

「あそびどころ」の様子(写真:一般社団法人ツギノバ提供)

毎週木曜日の午前中には高齢者のための介護予防や健康増進のための「集いの場」という取り組みの受け入れがあったり、ご近所の住民がその日採れた新鮮なワカメを手土産にふらりと訪れてカフェでおしゃべりに興じたりと、いろいろな要素をぎゅっと詰め込んだツギノバ。大久保さんは、当初思い描いていた光景に近づいてきたと、運営に手応えを感じているそうです。

ツギノバの普段の光景(写真:一般社団法人ツギノバ提供)

今回、一般社団法人ツギノバで募集するのは、「利尻町定住移住支援センターツギノバ」の事業運営をリードする事業ディレクター1名と、広報担当者1名。加えてもう1名、鹿児島県沖永良部島で拠点をイチからつくりるディレクターも募集します。

鹿児島・沖永良部島でも、ツギノバのような
コミュニティスペースをつくります

利尻島とは3,000km離れている鹿児島県沖永良部島。一般社団法人ツギノバは、島の南半分を占める知名町(ちなちょう)において、 2022年度にオープン予定のコミュニティスペースを町との協働でつくることになりました。

実はこちらも、大久保さんが利尻島と同時に沖永良部島でも行った「うみやまかわ新聞」プロジェクトがきっかけとなり、2019年頃から知名町の総合振興計画策定の相談をもらったことで立ち上がったプロジェクトなのだとか。

利尻島と沖永良部島間の距離は、実は「東京ーハノイ間」とほぼ同じなんだとか。日本は広い!

大久保さん 僕は利尻島でもまちの未来の方向性を示す総合振興計画をつくるお手伝いをしたんですが、そうしたまちの総合計画に関わる仕事って「つくって終わりでしょ」って言われがちなんです。でも、関わった以上はその計画を全うするためにサポートして、一緒に走っていきたいなという思いもあって。そんな想いに役場側も共感してくれて、知名町での事業が動くことになりました。

ところで、利尻島とは環境が違う沖永良部島。いったいどんな島なのでしょうか?

沖永良部島は、鹿児島から南へ552km、沖縄本島のすぐ北約60kmに位置する奄美群島のひとつで、周囲60kmほどの島です。隆起サンゴの島であり、山がなく平らで、年間の平均気温が22℃と暖かい亜熱帯性気候なので、サトウキビやじゃがいも、キクラゲやエラブユリの花などを栽培する農業が盛ん。最近は、島に数多くある鍾乳洞を探検するケイビングを目的とした観光も注目を浴びています。

沖永良部島の風景(写真:一般社団法人ツギノバ提供)

今回採用する事業ディレクターと共につくりあげるコミュニティスペースについて、もう少し詳しくご紹介しましょう。

具体的には、隣接する「おきえらぶフローラルホテル」が運営している「知名町フローラル館」の現在使われていないスペースを改修し、飲食店も併設した子どもや大人もふらりと立ち寄れる「第三の居場所(サードプレイス)」をつくります。また、同じタイミングで近隣にある「フローラルパーク」という公園の目の前にコンテナハウスを数台入れて、島外の企業などを誘致してテレワークを受け入れることが可能なサテライトオフィスをつくる予定です。

コミュニティスペースでは、子ども食堂や常駐スタッフによる学習支援を行うほか、地域内や島外から来る大人との交流機会をつくることで、自然と多世代が関わり、子どもたちの見守りができる環境をつくっていきます。

何年も教育プロジェクトを通じて離島地域の子どもたちに関わってきた大久保さんは、島の子どもたちの視野がどうしても狭くなりがちなことを危惧するようになっていたのだそう。

大久保さん 離島の人と話すと、いろんなことを諦めてしまって「島だからしょうがない」という声が出てくるんです。子どものときにやりたいことがあっても、島だと実現は難しいと考えて、島を出てしまう。でも、本当に島ではできないんでしょうか?今はどこにいても仕事ができる時代で、生まれた場所によって未来の選択肢が制限されることはあってほしくない。

子どもたちが、進学や就職で島を出ていったとしても、いずれ島に戻って来られるようなコミュニティや寄り添える場所があれば、みんなの意識も変わってくるはずだと思うんです。

2020年から動き出した知名町のプロジェクトでは、まず離島同士、利尻島との広域連携事業に着手。2021年は、町内に21ある自治会をすべて回り、その特徴や実態を知った上でそれぞれの特徴に合った「21の暮らしと未来」を考えました。2022年以降は、それら自治会組織と連携を取りながら、新しいコミュニティスペースの役割を定め、具体的に動いていく段階に入っていきます。

新たに採用される事業ディレクターは、大久保さんと共に役場と住民の中間支援を担当する現地コーディネーターの役割も担いつつ、コミュニティスペースの立ち上げと運営に携わることになります。

コミュニティスペースができる予定の「知名町フローラル館」(写真:一般社団法人ツギノバ提供)

大久保さん この場所は利尻町のツギノバと違って、何も出来上がっていない状態なので、個人で小さい事業のプロデュース経験があって、より本格的に事業に取り組んでみたい人や、ゼロから事業を生み出したい人、DIYが得意な人に向いてるんじゃないかなと思っています。

もちろん、1人で運営するわけではありません。大久保さんや事業ディレクターのもと、3〜4名のスタッフを採用して、チームで一緒に動いていくことを想定しています。

コミュニティースペースへの改修や運営に必要となる資金的な問題はすでにクリア。働くために必要な住居も、コミュニティスペースの近くの住居をシェアハウスとして利用可能だそう。通勤に必要な乗用車も貸与するなど、離島で生活するにあたって不安な要素は極力なくし、安心して働く環境は既に整えられています。

コミュニティスペース近くで確保している住居は、社宅のようなシェアハウスになる予定

大久保さんは「可能であれば、事業ディレクターになる方がこのシェアハウスのリーダー的存在になってくれたら」と話します。かなり敷地も大きな家なので、庭部分で菜園をやったり、焚き火を囲んだりできるスペースも確保できそう、とのこと。

離島で家探しをゼロから行うのはとても難しいことが多いので、最初の生活基盤が整えられていることは安心材料といえそうです。

求めているのは、ものごとを自分で考え、判断し、進めていく人

今回募集する3名の役割や求める人物像は、それぞれ異なります。ここでは、それぞれの業種をひとつずつご紹介していきましょう。

1 利尻町「ツギノバ」の事業ディレクター

利尻島の事業ディレクターとして求めているのは、ずばり「大久保さんの代わりにコミュニティスペースの運営ができる」人です。

利尻町定住移住支援センターツギノバの計画策定から事業立ち上げまでを担ってきた大久保さんですが、今後は沖永良部島の拠点と行き来するようなかたちとなるため、コミュニティスペースとしての場と組織の運営、計画立案など、事業を継続させていくために必要な業務を大久保さんのもとで学びつつ、新たなエンジンとなって進めていける人を必要としています。

大久保さん 最近は仕事が多岐に渡ってきているので、手が回らなくなっていて。場は、つくったら完成ではなくて、つくり続けていくもの。コミュニティデザインを現場のど真ん中で見て実践できる絶好の機会になると思います。

今、地域づくりの最前線で即戦力として活躍することに興味がある人は、きっと読者のなかにもたくさんいるのではないでしょうか。さらに今回は、「離島×場づくり」という、ユニークな仕事ができる機会。しかも最初は、経験豊富な大久保さんやツギノバの仲間と一緒に、学びながら実践していけるはず。おそらくこのようなチャンスはとても貴重です。

とはいえ、慣れない業務に取り組むことは不安が伴うもの。新たに採用された方へのフォロー体制はどのようなものになっているのでしょう。

大久保さん 定常的な業務については全てマニュアル・フローを整えています。また、毎日朝礼・終礼を行っていますし、週一で定例ミーティングも設けています。その上で、最初の一年は僕や八木橋と一緒に動きながら、慣れていってほしいと思っています。

それ以外の個々の仕事に必要な企画書や資料作成、新たな案件や独自イベント等の企画を考えてもらうような業務についても、ある程度チームでブレストをしながら方向性を固めて、事業に落とし込んでいくような動きになると思うので、こちらについても僕と一緒に動きながら進めていければと思っています。

2 沖永良部島のコミュニティースペースの事業ディレクター

沖永良部島の事業ディレクターは採用後、まずは数ヶ月程度利尻町のツギノバで事業の進め方を学んだ後、現地へ赴任するという流れを想定しています。

沖永良部島の現場では、役場との調整、自治会への挨拶やアンケート調査、現地のスタッフ採用、計画の策定から実際の現場作業まで、たくさんの業務を行うことになります。これらを、島の人たちとお酒を酌み交わしたりしながら密なコミュニケーションを取りつつ、楽しく進められる人が向いていそう。

「そうでないといけないというわけじゃないですが、気力と体力がある30代ぐらいまでの社会経験がある人だと合うかもしれません」と大久保さんはいいます。

場の運営はなんでもこなす大久保さん。多忙にも関わらず、取材チームを常に気遣うツギノバのみなさんの姿に感動しっぱなしでした!

利尻島や沖永良部島の事業ディレクターの求人にはどんな人に応募してほしいか、逆にどんな人はむずかしそうかを聞いてみました。

大久保さん まちづくりのノウハウや経験は必須じゃなくて。でも、自分で事業をまわしていくことが必要なので、事業を立ち上げた経験があったり、事業の運営に関わった経験があると馴染みやすいかもしれないですね。そうした経験がなくても、ものごとを自分で判断して、自分なりに考えて進めていける人が向いているかもしれません。

あと、僕ももともと編集者だったので、いろんな要素を組み合わせて組み立てることができる編集的な視点を持っている人も向いていそうですね。逆に、縦割りで決められた仕事だけをしていた人には合わないかもしれないです。

また、「自分」が出過ぎないことも大事だと言います。

大久保さん 離島の事業ディレクターの仕事は、地域が主役で、「まち」や「住民」「町民」が主語なんです。「自分がやる」と前に出すぎると、うまくいかないんですよね。

まちづくりって派手に見えるけど、実際の仕事は島の人をリスペクトしながらすごく地味な調整や作業を繰り返す日々。すぐに結果は出ないし、もしかしたら10年後にはじめてガッツポーズができるような仕事だったりします。

でも、それをちゃんと認識しているとへこたれないし、地域の未来を、まちの人や行政と一緒に、実際に実現できるやりがいもある。今では、40代の自分よりも若い行政職員と仕事することも増えているので、そうした方と同じ立場で話ができる世代の人に入ってもらうと、仕事の幅が広がっていくんじゃないかと思っています。

「島では、人ととことん遊んだり飲んだり話したり。それを楽しめると仕事も進む」と大久保さん

利尻町や知名町で事業ディレクターになった後のキャリアは、どんなものが考えられるでしょうか?

「なんでもできるようになるんじゃないですかね?」とニコニコ笑顔で答えてくれましたが、それもあながち間違っていないかも?

大久保さん すぐにパーフェクトを求めるわけでもなくて。うちみたいな仕事は稀有だから、いろいろ経験して3年くらい経つと、その人に合った方向性が決まると思います。その後も島に定住することが必須というわけではなく、本人の望むキャリアの実現に向けて導いていけるようになりたいですね。

3 利尻町定住移住支援センターツギノバの広報担当

利尻町定住移住支援センターツギノバの広報担当については、ルーティンではない業務も多い事業ディレクターとは違って、仕事内容がある程度決まっているそう。

特筆すべきなのは、基本は島外に向けての広報ではなく、利尻町の町民に向けた広報業務が主になるということ。移住者を増やすよりも、島でずっと定住していくための情報発信をもっと増やしていきたいという考えから、町民用の回覧板用のチラシを作成して、まちの求人や暮らしの情報を広めていくことなどが求められます。

また、1日1回の各種SNS投稿やツギノバのウェブサイト・空き家バンク情報の更新、北海道の情報サイトで2022年6月以降に開始予定である利尻暮らしについての連載の担当など、今までスタッフが持ち回りで担っていた仕事を広報担当が専任で受けもつことで、より多くの人に、計画的に必要な情報を届けられるようになることを期待しています。

利尻島は名産のコンブ漁が行われる6〜8月時期に人手が必要。逆に沖永良部島では秋冬に農業従事者を欲しているので「島同士で季節ごとに仕事を紹介し合う、ジョブエクスチェンジの仕組みも考えています」と大久保さん

島で「みんなの未来をつなぐ場所」をつくる人ー八木橋舞子さん

求人内容だけを読むと、もしかすると「敷居が高い…! 」と思う人もいるかもしれません。でも、ツギノバで働いている人たちをみると、みんなとってもイキイキとしていて楽しそう。

島で「みんなの未来をつなぐ場所」をつくる、という働き方についてもう少し詳しく知るために、現在働いている方に、どのように働き、暮らしているのかを聞いてみました。

一般社団法人ツギノバの理事で、大久保さんと一緒に働く八木橋舞子さんは、北海道札幌市出身。2016年に地域おこし協力隊として利尻町に着任し、島の文化の発信スポットである「利尻 島の駅『海藻の里・利尻』」での業務や地域FM局・「FMわっぴ〜」でのパーソナリティを担当。島暮らしにすっかり馴染み、任務期間完了時にはまちの人から引き留められるほどの信頼を得ます。

その後「リトケイ」の社員として利尻町定住移住支援センターツギノバの場づくりに参画し、場づくりを支える大きな担い手となりました。

オーダーが入ればカフェの店員に変身。1人何役もこなします

以前からコミュニティカフェの仕事をしたいと考えていたため、夢が叶えられて「公私ともに今の充実度は100%」と話す八木橋さん。現在の主な業務は利尻町定住移住支援センターツギノバ全体の運営管理です。

カフェ利用のお客さんが来ればコーヒーを淹れ、接客をし、黒板にイラストつきの案内文を描きつつ、周囲の雪かきをしたり施設の修繕も行います。合間にFM番組の企画書を書いたり、役場や町民との調整や報告書を書くなどの仕事もあります。

ツギノバに関わるまでは、接客業中心の仕事だったため、「表計算ソフトも扱えなかった」ところからのスタートでしたが、仕事をするうちにやれることも増えてきました。「ここにいると何でもやるので、サバイバル能力が鍛えられます」と、八木橋さんは笑いながら答えてくれました。

この数年で「クリエイティブな仕事は、根回しや書類作成などの見えない部分のものすごい努力が必要と気づいた」と話す八木橋さん

ツギノバには島内の人はもちろん、島外から訪れる人もやってくるため、毎日いろいろな出会いがあるのも魅力だそう。暮らしの面では、利尻島にはコンビニやホームセンターもあり、離島暮らしで最初に懸念したような生活の不安はほとんどないのだとか。ただ、冬の気候はやはり厳しいため、「そこはみんなで手助けしながら」暮らしています。

ツギノバをはじめ、離島で場づくりに取り組む人は、多くの人とコミュニケーションをとることが必須です。八木橋さんによれば、まわりの人や状況に応じて、「誰の声でも素直に耳を傾けて聞く」ことができる人が求められるそう。また、とにかくいろんなことが起こるので、「ポジティブ思考の人、みんなと一緒に楽しさをつくりあげられる人に来てもらえたら」と八木橋さんは話します。

島で「みんなの未来をつなぐ場所」をつくる人ー大良萌々さん

昨年、新卒で一般社団法人ツギノバに入社した大良萌々さんは横浜市出身の24才。大学時代にアメリカと、文科省の「トビタテ!留学JAPAN」のプログラムを通じてネパールに留学した経験があり、その縁がきっかけでツギノバを知ったそう。その後、オンライン面接等を経て採用され、利尻町にやってきました。

どこからも利尻山が見える島のビジュアルにも惹かれたという大良さん。トイレにも不自由するようなネパールの山奥で暮らした経験もあって、生活そのものにはすぐに慣れたといいます。冬を越した今、「四季の移り変わりがすごくて、雪解けがめちゃくちゃうれしい!近所の人から芽吹いたふきのとうを頂いたり、やさしくしてもらっています」と、今の暮らしぶりを話してくれました。

「今の生活は自然の息吹を感じることができるし、仕事も充実しているので楽しい」と大良さん

現在の仕事内容は、利尻町の定住・移住相談窓口の対応と、町の空き家バンクの整備。町内の空き家を歩いてまわり、家主や関係者を探して現地調査をし、計測をしたり間取り図をつくり、空き家バンクのウェブサイトに掲載する役割を担っています。また、以前から好きだった写真撮影の腕を買われ、町の移住推進パンフレットの撮影を行うなど、仕事の幅も少しずつ広がっています。

大良さん 自分が好きなことを仕事につなげていけるところにやりがいを感じますし、自然のなかで生活することに憧れていたので、今の暮らしは理想どおり。日々うれしい気持ちで過ごしています。

初めての社会人生活。「思い立ったら行動」の性格で、勢いよく動きすぎて先輩スタッフに指摘されることも。「これからはもっと計画を立てて、自分から提案して行動していきたい」と、仕事への意気込みを語ってくれました。

「みんなの未来をつなぐ場所」をつくる人になりませんか?

利尻島を訪れ、一般社団法人ツギノバのみなさんの働きぶりを見て感じたのは、お互いの仕事への信頼の厚さ。それぞれが自律的に「今、自分が何をすべきか」を感じ取って、助けあいながらさまざまな業務を行っている姿が印象的でした。信頼関係が厚いからこそ、楽しく、自由で穏やかな空気感を持ったまま、責任ある仕事に取り組むことができるのだと思います。

移住者の立場で何かコトを起こすときには、島に長く住む人たちの信頼を得ることが不可欠です。島に魅了され、謙虚な姿勢で長い時間をかけて地元の人たちとよい関係性を築いてきた大久保さんをはじめとするツギノバのみなさん。その一員になることは「いつか地域で何かしたい」と考えている人にとっても、かけがえのない経験になるでしょう。

まずは話を聞いてみたいな、と思った方は、6/16に予定されているオンラインイベントに参加してみてはいかがでしょうか。もちろん利尻町のツギノバを直接訪れ、数日間ワーケーションを体験するのもあり。「ああ、自分もこんな場所をつくってみたい」と心から思えるようなあたたかい場が、あなたを待っています。

ご応募お待ちしています!

(撮影:原田啓介)
(編集:山中康司)

[sponsored by 一般社団法人ツギノバ]

– INFORMATION –

6/16(木)に、オンライントークイベント兼説明会を開催!

6/16(木)、グリーンズジョブと一般社団法人ツギノバは、オンライントークイベント兼説明会「離島だから出会える未来がある。 島で『みんなの未来をつなぐ場所」をつくる仕事とは?』を開催します。

今回の求人に興味がある方はもちろん、「離島×場づくり」というテーマに関心がある方は、ぜひお気軽にご参加ください。
(イベント後には、任意参加の簡単な採用説明会も予定しています。)