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「今この瞬間、自分が必要とされている」という実感は、人を強く、やさしくさせる。 重度訪問介護業界を牽引する株式会社土屋が取り組む、誰もが働きやすい環境づくり #仲間募集

「重度訪問介護」を知っていますか?

介護や在宅介護、と聞くと、「おじいちゃん・おばあちゃん」を対象とした高齢者介護の分野を想像する方が多いのではないでしょうか。通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーション(デイケア)は、介護保険制度がスタートして以降、利用者も多く、身近な介護サービスとして定着しつつあります。

けれども、介護が必要なのは高齢者だけではありません。障害のある方たちもまた、程度の差はあれ、入浴や食事ほか、生活全般にわたる援助を必要としています。

最近まで障害者への介護は、病院などの施設に頼るか、家族が単独で行うものという認識が一般的でした。特に24時間、365日体制でのケアを必要とする重度障害者は、家族にかかる負担が多大なものになり、介護疲れからうつ病を発症してしまったり、地域から孤立するなど、介護そのもの以外にもさまざまな問題を引き起こすことがあります。

そのため、最近は重い障害のある人が自宅で暮らすために必要な支援を受けられるようつくられた公的な制度「重度訪問介護」のサービスの利用を希望する人が増加しています。

ところが、日本においては各自治体が運営する「重度訪問介護」や「重度障害者等包括支援」という福祉サービスは、2006年に制定されて以降、制度上は利用可能となっているものの、制度自体の認知度が低いことに加え、自治体の財源不足やサービスを担う人材不足などが原因で、希望しても満足にサービスを受けられない人が数多くいる状況が続いています。

重度訪問介護はALSや筋ジストロフィーなどの難病や、脳性まひなど重い障害のある人が自宅で暮らすために必要不可欠な支援(写真提供:株式会社土屋)

株式会社土屋は「重度訪問介護」を軸に全国展開、業界を牽引している企業

株式会社土屋は、こうした「重度訪問介護」に対する困難な状況を改善するため、事業を急速に拡大し、全国展開を行っているソーシャルビジネスカンパニーです。

具体的には、重度訪問介護サービスを全国43都道府県(2022年3月現在)で展開する「ホームケア土屋」を中心に、訪問看護事業「訪問看護ステーション土屋」、在宅医療介護ヘルパー養成のための研修事業「土屋ケアカレッジ」、相談支援事業「Nexus(ネクサス)土屋」のほか、福祉現場の研究活動や政策の提言を行う「土屋総研」や出版事業「土屋パブリッシング」など事業内容は多岐に渡ります。

「介護の仕事ってお給料もよくないし、ハードで離職率も高い業界だよね?」そう考えている人こそ、知っていただきたいのが、今回紹介する株式会社土屋です。

株式会社土屋は、障害を持つ人や高齢者の在宅生活を可能にし、みなが住み慣れた地域で自分らしくいきいきと活動する、真に多様性が認められる社会の実現を目指し、2020年に現代表の高浜敏之(たかはま・としゆき)さんによって設立されました。

2022年現在、すでに全国40ヶ所以上で事業所を展開、年商は50億円、関係するスタッフは1,500名を超える規模に。もともと前身となる会社でも重度訪問介護事業を行っており、そこからスピンアウトするような形で生まれた経緯があったため、設立時から社員数は700名ほどいたのだそうですが、それでも設立から2年足らずで急速な事業規模拡大を果たしています。

高浜敏之さん

事業所を統括し、マネジメントを行うマネージャー職を募集します

今回、株式会社土屋では、今後もさらに事業を拡大していくにあたって、介護ケアスタッフに加え、現場スタッフを支えるコーディネーター及び地域を管轄するマネジメントを担うマネージャー職を募集します。

「やりがいだけじゃ生きていけない。福祉事業でも、報酬がきちんとついてくる世界にしたい」と話す代表の高浜さんと、取締役で「土屋ケアカレッジ」学長の宮本武尊(みやもと・たける)さんに、詳しく仕事内容や介護の世界で働くことについて、お話を伺いました。

今の自分の仕事に意味や生きがいが見い出せない人や、社会問題の解決に取り組みたい人にとって、これからの介護や福祉の世界をドラスティックに変えていく、そんな新しい生き方が見えてくるかもしれません。

訪問介護の現場は長時間労働になることもあり、体力的にも精神的にもタフさが求められます(写真提供:株式会社土屋)

株式会社土屋が業界平均を超える高水準の給与と働きやすさを提供できる理由

現在、土屋の重度訪問介護サービスを利用している人は約600名。ALS(筋萎縮性側索硬化症)や筋ジストロフィーなどの難病や、脳性まひ、脊髄損傷、強度行動障害といった常時介護が必要な重い障害のある人に対し、スタッフが24時間体制で身体介護や医療的ケアを行い、サポートしています。

そもそも、どうして高浜さんはこの会社を立ち上げたのでしょうか?

高浜さん 僕は大学を2つ出ていて、2つめの大学は30歳で卒業しているんですよね。

大学では哲学を専攻していたんですが、医療や介護、教育の現場に哲学の思考をつなぐ「臨床哲学」を提唱した鷲田清一さんの『〈聴く〉ことの力』を読み、福祉の仕事に興味が湧いて。その後「障害者運動」へ参画するようになりました。

起業したのは大学で学んだ哲学や考えてきたことと連続性があるような仕事をしたかったからです。

現在、重度訪問介護事業をメインに事業を行っているのは、高浜さんが障害者運動を通じて、その制度が生まれる策定プロセスに関わっていたこともあり、思い入れがあったこと、また、潜在的ニーズが大きく、そのニーズに応えていったら自ずとこの部門が大きくなった、という理由があります。

高浜さん 介護や福祉をめぐる様々なニーズに応えられるよう、ハイブリッド型の介護事業者になりたいという思いはあるのですが、「重度訪問介護」は僕が福祉の世界に入った当初から関わっていたサービスでもあり、結果的にこれが自分には合っていたのかな。今日もこの取材後、重度身体障害児の入浴介助に行く予定があって。

なんと社長自ら、夜に介護の実務を今もやられているとは!「現場が大事」と話すトップは多いですが、実際にそれを行動に移す人はごく限られています。

高浜さんは数年前から時折重度障害介護のケアワーカーとして復帰。トップとしての立場からの発信力と真逆の立場に敢えて戻ることで見えてくることがあるのだとか

ところで、今回、株式会社土屋でマネージャーを募集するにあたって一般的な業界水準以上のお給料をお支払いする、と募集条件を掲げています。福祉の世界では行政からの補助金などの絡みもあり、賃金体系は全体的に低めに抑えられているというのをよく聞きますが、どうしてそのようなことが可能なのでしょうか?

高浜さん  「そうしたいと思ったから」というのが大きいです。自分もずっと時給1,000円の世界の中で仕事をしてきて、業界はおっしゃる通りの状況。働き始めた当初、大学時代の同級生と比較しても年収は最低レベルだったと思うけれども、それに対して個人的な不満はなかった。

ただ、社会的には問題を実感せざるを得ない。介護業界で働くと、将来の見通しがきかない。やはり業界自体を良くするためには賃金の底上げとキャリアアップを可能にするというのは必須で、業界が抱える貧困という問題を解決したい思いは強くあります。

そのために、高浜さんは低賃金体質でなくてもやっていける、洗練されたビジネスモデルと健全な財務体質をつくる必要があると考えました。

まずは会社運営にまつわる徹底的な経費の削減。岡山県井原市にある株式会社土屋の本社は、市内にあるアパートのような建物の2階部分です。 
                                    

高浜さん ここの家賃って5万円なんですね。取材の方が来られて「全国組織って聞いたから大きなビルだと思ってたから驚いた」と言われたりしますが、無駄なことにはお金を使わないことを徹底してます。

岡山県井原市は岡山県南西部にある広島県福山市と隣接するまち

株式会社土屋の本社が入る建物。この2階部分が本社機能を持つ事務所

本社スタッフは100名近くいるそうですが、常時出勤しているのは2,3人ほど。コロナ禍で完全オンライン化を推し進めたことで、移動交通費や賃料など大幅な固定費のコスト削減を図りました。

また、採用コストも抑えつつ、毎月一定数の採用を実現。自社で教育研修を実施することで、研修を外部委託するコストをかけずに、即戦力となるような人材を育成しています。さらに重度訪問介護事業には、最重度の障害を持った人たちに対するサポートに対して、国からの補助金の加算を見込むことができるという特性もあります。

そうした細かい業務改善の積み重ねで、高浜さんは、企業の財務状況を「利益体質とまでは言えないまでも、複数の金融機関が融資を検討するところまでは強化できてきたことで、高水準の賃金が保証できるようになった」と話してくれました。

社会貢献をしたい・今の現状を打破したい人に活躍できる場所を

 
株式会社土屋で今回募集するのは、現場の介護スタッフを支えるコーディネーターを経て、全国ブロック規模で事業所を統括するマネージャー候補となる人です。

高浜さん 全国規模で事業を拡大してますから、現場の介護スタッフからマネジメント層まで、老若男女、世代を問わずたくさん人を求めているというのが全体像なんですが、特にマネージャーには、社会課題に興味があって社会貢献をしたいという意欲のある人にきてもらえるとうれしいなと思っています。株式会社土屋の事業理念を理解し、その上で業務のマネジメントをしたい人に来てもらえると、活躍の場が必ずあるはずです。

社員の前職は飲食や営業、コンサルティング業などさまざま。「将来展望の明るい業界で自分のキャリアをリスタートしたいと思って入社される方が多いです」

マネージャーの具体的な仕事内容はどのようなものなのでしょうか?

現場を統括するコーディネーター、エリアブロックマネージャーを経て、現在、新規事業部ゼネラルマネージャーと土屋ケアカレッジ校長を兼任する宮本さんに聞いてみました。

宮本さん マネージャーには事業所を管轄するオフィスマネージャーと全国をブロックごとに統括するエリアマネージャーがあります。

業務内容は幅広く、例えば請求業務やコンプライアンスを整えるなどの書類仕事のほか、事業所の方やケアマネ−ジャーさん、外部の方々といろいろなお話をして調整する業務があります。重要なのはやっぱりスタッフのメンタルサポートで、起こる問題に対して一緒になって考えて解決の道筋を立てていくことなどが求められます。

宮本さんは元キックボクシングのインストラクター。イタリアでの修行資金を貯めるために副業としてはじめたのがこの世界に入ったきっかけなのだとか

株式会社土屋では、事業所の売上の規模に応じてマネージャーの数を決定しています。およそ毎月の売上が500万円の事業所に1人のマネージャーを置き、マネージャーのもとで働くコーディネーターが2〜3名。その下に運営や現場の介護職員が5〜10名程度。事業所の規模はそれぞれですが、おおよそ2〜30人のメンバーを統括します。エリアマネージャーは、各地域の事業所を3つくらい管理統括する責任者、をイメージするとわかりやすそうです。

マネージャーの仕事は、リモートワークや在宅でもできるのでしょうか?

高浜さん マネジメントは基本的にほとんどリモートでできると思います。なので、キャリアのレイヤーが上がるほど、在宅ワーク比率が上がってくる。あとはマネージャーのスタイルによっては、事業所に行った方が書類をつくりやすいとか、コミュニケーションしやすいという人もいます。ほとんど社内の会議もオンラインですし、私もほぼ一日中、自宅で仕事してますね(笑)

コロナ禍になって、オンライン会議が日常の風景に。今回の取材もオンラインと現地撮影のハイブリッド体制で実現しました

宮本さん 仕事はパソコンひとつあれば効率化できるんですけど、やっぱり感情のところで、直接会わないと求心力を得にくいこともあって。私は機会をみつけてなるべくスタッフと顔を合わせて話すようにしています。

株式会社土屋でのキャリアステップと介護現場の苦労とやりがい

入社してからのキャリアステップはどのような道筋なのでしょうか?

株式会社土屋では、マネージャー候補も、入社後半年ぐらいは現場仕事をみっちり経験した後、コーディネーターになります。半年程度コーディネーター業務に携わった後、スタッフやマネージャーなどによる360度評価を行い、承認された場合に事業所のマネージャーに。およそ1年程度でマネジメント業務に就くとイメージするとよさそうです。

高浜さん 採用させていただく方がどんなキャリアをお持ちでも、必ずある程度の期間、介護の現場を体験していただきたいですね。ここに「えー?」というような反応をする人は、厳しいかもしれない。現場や実情を知らないと、スタッフの相談にも乗れないし、信頼も得られない。とはいえ、マネージャーにまた現場に戻りたいですか? と聞くと9割以上の方は嫌だと言うくらい、やりがいはあるけれどつらくて大変な仕事でもあります。

現場の大変さやつらさは具体的にはどのような部分なのでしょうか?

宮本さん 重度訪問介護の現場は長時間に渡ることがほとんどで、体力的なタフさが求められます。また、当事者だけでなく家族のメンタルが不安定になっていることも多く、そこに第三者として入っていくことで理不尽なことを言われたり、両者の板挟みになることもある。

例えば常に怒ってる人が近くにいたら自分にもストレスがかかるじゃないですか。それと似ていて、常に極限状態の人といると、精神的に疲弊することがありますね。

宮本さんは、キックボクシングの世界から、今世の中に必要なのはこの社会課題の解決だと感じ、人生をガラリと方向転換

ただし、やりがいを感じる部分もそこから生まれると宮本さんは話します。

宮本さん その極限状態で、例えば呼吸器をつけてる人がいたら、「今、目の前に僕しかいない。この人の吸引行為をしなかったら、命が危ない」という状況が日常的にあります。「疑いなく今、この人の命を救ってるのは僕だ」と思えることは、自分が存在している意義を強烈に感じることができ、自信とやりがいにつながるんです。

また、介護をしている当事者の家族が一緒にいるとき、彼らが喧嘩してたり笑顔で話していたり。そういう日常のコミュニケーションを垣間見ることがあると、すごくうれしいですね。極限状態の人でもこうして家族と笑って一緒に居られる。この仕事をしていてよかったなと思う瞬間です。

宮本さんとケア利用者さんとのツーショット。いい表情!(写真提供:株式会社土屋)

高浜さん 重度訪問介護の業界の思想に「当事者主権」という言葉があります。介護される側の意思決定を最大限尊重するという意味なのですが、それを尊重するには介護士が黒子になりきることがとても大事なんですね。

高齢者福祉においては、当事者の自己決定を大切にしましょうと言いながらも、やるべき仕事量が多いために、決められたスケジュールの中で食事や入浴介護などを行うこともあり、主導権は支援する側にあることが多い。それに対して、重度訪問介護の世界は、相手を見守る時間が長いこともあり、介護福祉士などの教科書に書かれている「介護とはこうあるべきだ」という理想論を本当に実現できる印象があるんです。

人間、誰もが自分の思い通りに自分の時間を過ごしたいという欲求がある。それが介護している時間だけ一時停止される。相手の要求に応えて自分の感情を抑える必要がある、まさしく「感情労働」だなという実感はありました。そこがキツいところでもあり、でもだからこそ当事者の意思が尊重できる喜びややりがいにもつながる。

長時間に渡って人の側に寄り添うというのは、相手がどんな人でも疲れることがある。でもだからこそ、達成感もすごくある。二人のお話を聞いて、重度訪問介護現場の様子が少しだけ理解できたような気がしました。

マネージャー候補は全国どこでも勤務可能

株式会社土屋は現在、全国43都道府県で運営されており、残りの4都道府県についても年内にはサービス提供開始とのこと。日本中どこにいても勤務可能というのも、土屋で働く上での大きな特徴です。

今回の求人では、介護業界の中で転職を考える人だけでなく、まったく異業種異分野からの応募も大歓迎だといいます。

高浜さん  介護業界のキャリア形成って通常「事業所で働いて10年くらいして管理者になって、最高で年収600万ぐらいで、それでもフラストレーションを感じたら自分で独立する」みたいなイメージが多い気がしています。でも、もっとありたい介護像を追求したい、収入を高めたいなど、その先を求めてる人もいますよね。そんな人にとっては、うちはキャリアプランを固定せず、丁寧に話を聞いて希望を提示できる可能性があるんじゃないかな。

「自分自身の可能性を広げたい、今の現状に悶々としてる人に来てもらえるとすごくマッチするんじゃないかと思います」と高浜さん

高浜さん  介護以外の業界においては、働くことに揺らぎが生まれてしまった人。「こんなことやってて本当に意味があるんだろうか?」と今後のキャリアに希望を失いかけている人にも、おそらくこの仕事は確かな意義や手応えを感じてもらえると思います。

株式会社土屋はまだスタートしたばかりの企業。来年度にはIPOも準備中とのこと。まだまだこれから会社の事業をあなたがつくっていける可能性が充分にあります。

高浜さん 介護の知識や技術、経験は不要、白紙状態で来てもらって問題ない。そうしたスキルよりも、新しい考え方や価値観を積極的に取り入れることのできる、生きる力を持っている人に希望を提案できる可能性がある。ぜひうちでご自身の能力を最大限発揮させる機会を提示できたらうれしいですね。

介護福祉業界の総合企業に向けて、新規事業も数多くスタート

宮本さんは現在、株式会社土屋の新規事業部を統括し、土屋ケアカレッジという介護にまつわる教育研修機関の校長に加え、介護福祉に関連する書籍出版を行う「土屋パブリッシング」、講師の派遣や外部の他事業所のコンサルティング、業界のデータを収集し行政に提案する「土屋総合研究所」などの事業に携わっています。

さらに、2021年12月にはCSR事業として 広島県福山市で「てらてっとの家」をスタート。一戸建ての民家を親子が気軽に立ち寄れる家として整備し、子育ての悩みを解決する育児支援事業を展開しています。

福山市東部の閑静な住宅街の一角にある子育て広場「てらてっとの家」(写真提供:株式会社土屋)

宮本さん 「てらてっとの家」のスタッフは、当社に入社した保育士と相談員の資格をお持ちの女性の2人です。彼女たちと何ができるか? それぞれがやりたいことや得意なことと、会社の方針をすり合わせていく中で、今の形になりました。

このように、新規事業は本当に手探りでやっています。 「今、世界的にこのニーズがあるからやろう」という意識も大事だと思いますが、誰がその事業をするかを大切にしていて。この事業も、人を基準に考えたらうまくいったなと感じています。

谷本典子さん「てらてっとの家」は、土屋で企業主導型の育児支援事業を始めようと考えていた谷本さんと保育園の施設長をしていた浜本広美さんの出会いから生まれた事業(写真提供:株式会社土屋)

介護福祉に関連する社会起業を多く進めているのは、高浜さんの「起業家のプラットフォームでありたい」という強い思いがあるから。

高浜さん 重度訪問介護も、もともと私がやりたいと思ったから始まったみたいなところもあります。

人を出発点として、企業としての全体的な方向性である「ケアや助けを求める小さな声を拾い支援していく」というミッションに寄り添ってるような事業なら支援していこう、と。利益が全く出ない部門が多くなりすぎると、会社が立ち行かなくなりますが、事業収益が得られる既存事業の資源のほんの一部を回して、会社の方針に合った事業は立ち上げていこうという方針ですね。

介護にまつわる働きにくさを改善、女性管理職の比率5割を目指す

株式会社土屋では、サービス利用者の利便性向上や社内の風通しのよさや働きやすさを考え、防災やリスクマネジメント、知的障害者地域生活推進など、非営利の取り組みをする委員会が運営されています。

数ある委員会活動のなかで、目を引くのが「ジェンダーイクオリティ委員会」の存在。スタッフから役員まで、社内の全レイヤーにおける男女比率を50%ずつにするという目標を掲げています。

現在のところ、全従業員の割合は女性がやや多いものの、管理職などの地位が上がるほど男性が増えていく傾向は「残念ながらあります」と高浜さん。「ジェンダーイクオリティ」の理想を実現するために努力を続けているところです。

高浜さん 例えば僕が直接コミットしている取締役会においては、子育て中の女性もいるので、お迎え時間の後は会議をいれないとか、アファーマティブ(積極的な格差是正)な対応をしていますね。

現在取締役で最高法務責任者 ジェンダーイクオリティ委員長、内部監査室長・委員会推進室長などを兼任する吉岡理恵さん(写真提供:株式会社土屋)

また「ハラスメント委員会」では、セクハラやパワハラに対して注意喚起や各事業所からの情報収集を行い、毎月制作している社内広報誌で、利用者さんからのハラスメント対策や対応について情報を発信し共有するなど、小さな努力を重ねながら働きやすい職場づくりを推進しています。

高浜さん  根が深い問題として、男性のクライアントが女性のアテンダントにセクシャルハラスメントをする、またはするためにスタッフの派遣に女性を要求するということがあるのは事実です。

業界全体として、ケアワーカーは「受容する」ことがすごく求められるところ。このような要求が常態化してしまっている部分が福祉現場の課題で、この課題解決をエンパワーメントしていこうという活動もしています。

社会の中でこぼれやすい小さな声を拾い、応え続ける

ふだんなかなか目にすることのない「重度訪問介護」の世界ですが、代表の高浜さんや取締役の宮本さん、お二人とも元スポーツアスリートを目指していたというキャリアからか、とても明るくさっぱりとしたお話ぶりで、4K(「きつい・汚い・危険」の3Kに加え「給料が安い」)とも揶揄されがちな介護職のとっつきにくさや暗さを感じさせず、さわやかにお話してくださったのがとても印象に残りました。

女性スタッフのトイレが使いづらいという訴えから、清潔な職員用トイレのあるビルへ全社で一斉に引っ越したというエピソードもある土屋。女性やマイノリティに対する理解など、福祉の世界で今までなら常識とされたさまざまな低待遇の改善を小さなところから行っていることからも、会社の風通しのよさを感じます。

本社に掲示されている創立出帆記念の寄せ書きフラッグ

高浜さんは社会福祉の活動家から、社会起業家に転身した特異な存在。そのキャリアが為せる、一般企業の経営感覚と社会貢献への熱い思い。その絶妙なバランスが株式会社土屋の大きな魅力です。

これから先の未来、どのようにも変化し得る企業、あなたがマネジメント層として関わることで、つくりたい未来への社会貢献をやりがいとともに実現していける。そんな可能性に満ちた会社ではないでしょうか。

「重度訪問介護」の小さく思える世界の先にある、広く新しい優しい未来へ。興味が湧いた方は、ぜひ株式会社土屋の門を叩いてみてください。

ご応募お待ちしています!

(撮影:荒木翔吾)

[sponsored by 株式会社土屋]

– INFORMATION –

3/31(木)オンラインイベント開催!
『誰もが自分らしく生きられる社会をつくる。これからの時代の「介護」という仕事』
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