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読み書きは、あなたに”変革”を起こす。アメリカで40年以上続く、作文で社会とつながれる居場所「Just Buffalo Literary Center」

気持ち。
意見。
ふと見つけた気づきや学び。

私たちは、そういったものを他者と分かち合うべくコミュニケーションをし、伝えるために自分なりに表現をします。

とはいえ、「自分なり」の表現って、どうやって見つけ出すのでしょう。それはゼロからつくりあげるというよりも、他者の表現に触れる機会を積み重ねて取り入れていくうちに、徐々に見つけだしていくものかもしれません。

今回ご紹介するのは、「Just Buffalo Literary Center(以下、ジャストバッファローセンター)」。単に読み書きを学ぶだけでなく、他者の表現に触れることができ、コミュニティとしても機能している「ライティングセンター」と呼ばれる場です。

ジャストバッファローセンターは、1975年に誕生。『トム・ソーヤーの冒険』で知られるマーク・トウェインをはじめとする、著名な作家たちが住んでいたことで知られる街、ニューヨーク州のバッファロー地区の街角にあります。

ミッションに掲げているのは、文学的な芸術作品を活用してコミュニティを創出したり、強化すること。主に12~18歳までの青少年向けに執筆をはじめとした表現力の向上を目指して設計されています。

読み書きは変革的な行為

ジャストバッファローセンターは、読み書きは変革的な行為だと信じています。
“At Just Buffalo Literary Center, we believe that reading and writing are transformative acts.”

経済的立場やマイノリティであることが理由となり、社会的に不利な立場に置かれてしまう可能性が高い人たちがいます。具体的には、有色人種やLGBTQIA+(※)の人々、移民、難民、若者、言葉の壁や障がいを持っている人たちなど。

そういった状況の人びとが読み書きの能力を向上し、自分自身を表現する機会を得ることによって、人とのつながりを育みやすくなったり、社会における不平等が緩和されるのではないか。だから読み書きは変革的な行為なのだ。ジャストバッファローセンターは、そう考えています。

※LGBTQIA+:LGBTの説明は割愛。
Questioning(クエスチョニング):性自認や性的指向を迷っている、決めていない状態。
Queer(クィア):同性愛者を肯定的に捉えた言葉。
Intersex(インターセックス):身体的性において男性と女性の両方の性別を有しているセクシュアリティ。
Asexual(アセクシュアル):どの性にも恋愛感情を抱かないセクシュアリティ。+は、その他のセクシュアリティの指す。

(出典元: eleminist.com/article/912, jibun-rashiku.jp/column

コミュニティの役割を持たせることが、一人ひとりの表現の糧になる。

それでは、ジャストバッファローセンターが提供しているワークショップを紹介していきましょう。

青少年向けには、今考えているアイデアや自分でつくった作品を、同世代の仲間たちに共有する場。
言葉だけでは表現できない物語を写真や地図、絵を用いて表現する方法を学ぶ場などが提供されています。

その他にも、エッセイや詩、小説、学校の課題、奨学金の申請書に至るまで、文章に関することなら何でも相談できる時間も用意されているそう。

一方、大人向けに用意されているのは、絵・写真・コラージュなど視覚的に表現したものを言葉に紡ぐ場。
それぞれの参加者がエッセイや短編小説のアイデアを持ち寄り、作品の完成に向けてブラッシュアップしていく場などがあります。

このように青少年・大人向けともに、月に10講座ほどのワークショップが開かれており、様々な切り口から表現方法を学ぶことができることも魅力の一つです。

青少年向けの講座は平日の夕方や土日に開催されており、無料。大人向けの講座は、平日夜や土日に開催。単発のものから連続講座まで10~125ドルほどの受講料。一つのワークショップの定員は12人など少人数のことが多いよう。2021年10月現在、ほぼ全ての講座が対面で開催されている。

いくつかのワークショップのメイン講師は、Teaching Artistと呼ばれる、本業が作家や詩人、写真家や編集者、劇作家の人たちが。一般に募集されているボランティアは青少年の執筆サポートをしたり、イベントの手伝いなどを行っているそう。https://www.justbuffalo.org/about-just-buffalo/our-teaching-artists/

さらに、ジャストバッファローセンターで生まれた作品がより多くの人に届くよう、街に開いた形での取り組みも数多くあります。

ジャストバッファローセンター周辺の道路上には、バッファロー地区にゆかりのある詩人の作品を中心に15個ほどの詩がスプレーチョークで描かれています。

Delaware Parkに描かれたSusan Howe “Articulations of Sound Forms in Time”デラウェアパークのスーザン・ハウ「時間における音の形のアーティキュレーション

WORDS ON THE STREETという取り組みでは、ワシントン・ストリート上で詩や文学作品の朗読など、イベントやワークショップが行われ、これまで35以上の催しの中で120人以上の作家や詩人、アーティストの作品が取り上げられてきました。通りすがりにさまざまな作品に触れられることは、SNSなどで自分の関心のある情報のみにアクセスする多くの人にとって、価値のあることのように感じます。

WORDS ON THE STREETの様子。通りすがりの人が立ち止まって聞き入っている姿も。

読み書きが、あなた自身と、あなたと社会とのつながりに”変革”を起こす

あえて、もう一度、引用してみます。

ジャストバッファローセンターは、読み書きは変革的な行為だと信じています。

いかがでしょう? 読み書きが自分の奥底にある感情や感性を掘り起こし、相手とつながるときの「資源」として使えることを感じます。そう考えると、読み書きは自分自身や、自分と社会のつながりにおいて、”変革的”な行為なのかもしれません。

SNSやブログが普及し、誰もが気軽に自分の意見を発信できるようになったことで、他人からの批判を受ける可能性が高まったり、無意識に攻撃的な言葉を使ってしまうなど、表現する側のリテラシーも必要になってきています。

表現する過程や作品を通じて、自分自身の気持ちを感じ取る。
受け取ってくれる相手との双方向的なコミュニケーションを楽しむ。
その成果を発表する機会が教室を飛び出し、地域に開かれている。

きっと満たされた気持ちになるし、そこで生まれるつながりもより豊かに深まるかもしれませんね。

[via justbuffalo.org, justbuffalolit, youthwriting.org, justbuffalo.org/art-comix]

(Text: 茂出木美樹)

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