11/30開催!はじめて学ぶNVCの教室(初級編)第5期

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「共感コミュニケーション」を身につけると”無敵”になれる!? 「NVCの教室」講師、畑中みどりさんインタビュー

みなさんは、NVCという言葉を聞いたことがありますか?

NVCとは「NonViolent Communication」の略で、日本語では「非暴力コミュニケーション」もしくは「共感コミュニケーション」と呼ばれている、コミュニケーションの方法論です。

そんなNVCを実践することで、「自分自身や周りの人との関係性が変わっていく」だけでなく、「この世界から敵がいなくなる」と、グリーンズの学校「NVCの教室」講師、畑中みどりさん(以下、どりちゃん)は言います。

「NVCの教室」は、「NVCのことは聞いたことがあるけれど、何からはじめたらいいかわからない」という方向けの入門編クラス。これまでの卒業生はすでに50名を超えています。

今回は11月からはじまる「はじめて学ぶNVCの教室(初級編) 第5期のスタートに合わせて、どりちゃんにこれまでのクラスの手応えや、ご自身のトランジション(変容)についてお話を伺ってみました。聞き手は「グリーンズの学校」学長の兼松佳宏(YOSH)が務めます。
 

畑中みどり(はたなか・みどり)
“Life is Art”をテーマに活動するシンガーソングライター/ファシリテーター。出会った人の思いや、その場の空気感を即興で歌にしたり、目の前の人の現在地を描く「現在地マップづくり」を主なライフワークとする。また、数年前からグラフィックファシリテーターとして組織のビジョン策定会議や新規事業のブレストなどにも関わったり、NVC(非暴力コミュニケーション)も6年前から実践し、定期的に講座を開催するなど、組織や個人の変容にも関わる。最近は「パートナーシップ」というテーマに関心が高く、夫婦・カップル間での共感的な関係性を育むためのコミュニティ運営も勢力的に行なっている。現在は千葉県いすみ市にて、夫と猫と畑をしながら暮らしている。

NVCを知ると、この世界に敵はいなくなる

兼松佳宏(以下、YOSH) まずは「ふだん何をしている人ですか」というのを改めて教えて下さい。

どりちゃん いろんなことをしているのと、常に揺らいでいるのとで、自己紹介って本当に難しいのですが(笑) これまでの肩書きでいうと、「グラフィックファシリテーター」という、会議や対話の場に入ってビジュアライズしながら対話を促進するような仕事をしてきました。

YOSH その仕事をしようと思ったきっかけは何だったんですか?

どりちゃん あるワークショップに参加したとき、色鉛筆でいろいろメモを書いていたんですけど、それを見ていた知人が「グラレコみたいだね」って教えてくれて。そこで初めて「そういう仕事があるんだ」って知りました。

もともとシンガーソングライターとして、その場で聞いた話をもとに即興で歌をつくるみたいなことをやっていたんですが、歌と絵と、表現は違うけれど、「誰かの思いを即興で形にする」という意味では一緒だなあ、これ好きだなあって思ったんです。

YOSH なるほど、即興で表現するための瞬発力はシンガーソングライター時代に培われていたんですね。

どりちゃん そうかもしれません。ただグラレコはほぼ独学で、ひたすら現場に立ってスキルを磨いていきました。私からイベント主催者に「無料で描きます!」みたいに泥臭くアプローチして(笑) その後もグラレコのスキルをいかして、趣味的に対話しながら、相手の思考や感情をグラフィックで整理してあげるみたいなことをはじめるようになりました。

YOSH それが「現在地マップ」。

どりちゃん そうです。たまたま友人から「これ、すごい価値ある取り組みから、2万円出すよ」みたいな感じで言ってくれて。「えー! いいの!」って(笑) そうやってちょっとずつ挑戦しながら、自然と仕事につながっていきました。現在地マップは、もはやライフワークになっています。

YOSH まさにどりちゃんこそ、関係性の中で生きているって感じがしますね。そもそもNVCとの出会いは?

どりちゃん 6年前くらいかな。いまの夫と出会ったときに、彼がNVCを知っていて、一緒にワークショップに行くうちに、もっと探究してみたいと思うようになりました。

いまは講師という立場ではありますが、NVCは自分自身のためでもあるんです。「自分の感情を誰かや何かのせいにしない」とか、「何があってもわかり合おうとすることができる」ということができるようになるとか、NVCのエッセンスを知ることで、この世界に敵がいない、無敵の状態になれるというか。

YOSH というと?

どりちゃん 無敵といっても、「敵」を排除するという意味ではなく、どんなに「敵」だと思う人や物事も、NVCのメガネをかけて見つめてみると、自分にとって大切なことを気がつかせてくれる大切な存在としてみることができる、ということです。

そのシフトはとても大きいし、自分自身や他者との関係性もガラッと変わっていきます。そんなNVCをまだ知らない人に届けたいという気持ちは大きいですね。

YOSH 次の開催でNVCの教室も5期となりますが、こうしてNVCがじわじわ広がっているのは嬉しいし、特に若い世代が反応してくれていることに希望を感じています。

どりちゃん 結局のところ身近の人との関係性に悩んでいる方が多いんですよね。最近はパーマカルチャーとかマインドフルネスとか、あるいはウェルビーイングとか、近いキーワードを入り口にNVCに入っていく方が増えているように思います。

そういう自分も修行中で、夫とのコミュニケーションが一番の実践の場だったりします(笑) それも含めて「NVCを生き続ける」ことが大事で、その先にみんなと分かち合えたらいいなと思っています。

サステナブルでピースフルな学び

YOSH どりちゃんとグリーンズの学校との関わりでいうと、最初はグラフィックレコーディングの教室からだったんですよね。

どりちゃん もともとは、グリーンズで講師をやってみるのって楽しそうって思って、「グリーンズで教えるってできるんですか?」みたいに自分から聞きにいったような気がします(笑)

まずは自分ができることとして、グラレコのクラスからスタートしたんですが、グラレコを身に付けたいという人も、根底には「コミュニケーションを円滑にしたい」というニーズがあることがわかってきて。自分としても今いちばんパッションを持っているのがNVCのあり方や考え方を分かち合うことだったので、グリーンズのみなさんと対話しながらいま開催しているNVCの教室に発展していきました。

YOSH さまざまな場でNVCを伝えていると思うのですが、あえてグリーンズの学校でやってみてどうですか?

どりちゃん うまく言葉にできないんですけど、なんか楽しいんですよね(笑) 先生や会社経営者、主婦の方、学生などなど、年代も職業も幅広い人が来てくれるっていうのが、グリーンズが培ってきた価値だと思っています。その多様さが学びにも生かされている感じがします。

YOSH これまでの手ごたえや嬉しかった参加者の声はありますか?

どりちゃん 最初にも言いましたが、NVCは生き続けるものだし、学び続ける道みたいなもの。「講座を受けたらできるようになります」みたいな類のものではないんですよね。だから参加者同士がつながって、卒業後も実践を続けていくということが起こるのが、一番うれしいし、すごく大事にしています。

NVCの合宿に行くと、ほぼ必ず「ホームグループ」をつくるんです。参加者全員とはつながりを感じられなくても、とりあえずここに戻ってきたら無防備でいられる、家族みたいなグループ。それがあるのとないのでは、学びやつながりの質がすごく変わる体験をしました。

だから私のクラスでも「できたら週に一度くらいホームグループで集まってほしい」という話をしていて。卒業後も「その仲間とクラスで学んだワークを実践しています」みたいな話を聞いたりしたときに喜びを感じます。

YOSH クラス期間中だけでなく、終わったあとの手応えもある。

どりちゃん グリーンズの学校の魅力は、ひとつのクラスを卒業した先に、さらに探究したくなるようないろいろな講座があることだと思うんです。NVCでコミュニケーションを磨いたからこそ、コミュニティをつくることをはじめてみよう、とか。

実は3年くらい前に「サステナブルでピースフルな世界をつくるためにはどういう学びが必要がなんだろう」と考えながら、学びの地図みたいなのを書いてみたことがあって。そこで出てきたのが、システム思考とかパーマカルチャーとかヨガだったんですよ。

そうした学びがグリーンズの学校にはたくさんある。そんなグリーンズに寄せる信頼が私もあるし、たぶん来てくれる人も「グリーンズの学校がやることなら」みたいな人が毎回いるのが、すごいなと思っています。

生きることは表現すること。ゆらぎ続ける、どりちゃんの現在地。

YOSH ちなみに、最初の方で「揺らぎつつある」みたいな話があったと思うんですが、どんな揺らぎなのか伺ってもいいですか?

どりちゃん そうですね、ひとことでいうと「音楽をやっぱりやりたいな」と思いはじめているんです。一番大事なことほど向き合うことが一番怖い、みたいなところがあるじゃないですか。それが私にとっては音楽で。

本当に先が見えなくなって、いつからか「音楽を仕事にできるわけないじゃん」と諦めて、自分がシンガーソングライターになる代わりに、音楽で社会貢献をする団体を立ち上げるみたいな向き合い方をしてきました。

もちろんその経験も今につながっているのですが、今やっていることって一番自分がやりたい表現ではないんじゃないか、ということに最近気づいてしまって。

YOSH いまの肩書きがしっくりこない?

どりちゃん それは結構本音ですね。グラフィックファシリテーターという肩書きは、もう卒業してもいいのかなあ、と思っています。というのも、今年に入ってシンガーソングライターとして音楽活動を再開しまして(笑)

YOSH おお、いよいよ!

どりちゃん きっかけは楽譜も読めないしピアノも弾けない友人が、「3ヶ月後に弾き語りのライブをします」とFacebookに投稿したことでした。

当時、その友人はコーチングを受けていたんですが、「自分の現状の外側にゴールを設定して、そのゴールに向かって挑戦をしていくことがいまの君にとって必要なんじゃないか」とコーチの方に言われたみたいで、「ずっとピアノを弾いてみたかったし、弾き語りをしてみたかった」という想いに気づいたと。

それで「教えてくれる人募集!」とFacebookに書いていたので、それならできそうと思わず連絡してみたんです。そしたら「実は最初にどりちゃんのことが浮かんでたんだ」って言われました(笑)

YOSH 奇跡の展開(笑)

どりちゃん そうして伴走させてもらうなかで、自分自身もすごい変化があったんです。というのも、その友人からレッスンのあとに「どりちゃんの現状の外側にあるゴールは何なの?」って聞かれるようになったんですね。

それに答えていくうちに、「本当は曲をもっと書きたいし、ライブもしたいし、いろんな人に自分の楽曲を聴いてほしいとも思うし…」みたいな話をするようになって、「もう一回チャレンジしたいのかもしれない」という気持ちに気づいてしまった。

そこからさらに不思議な流れがやってきて、「仲間から4月にライブを一緒にやらない?」と誘われて、「じゃあわたし、毎日1曲書くわ」みたいな感じで、2月と3月に毎日1曲ずつ書いて50曲ぐらいつくって。もう、「ああ、もっとやりたい! とまらない!」ってなって、いまはライブ配信もするようになりました。

YOSH まさにマグマがあふれたみたいになったてますね。どんな曲を書いているんですか?

どりちゃん 振り返ってみると「社会の中で見えづらい声」や「自分の中にある出てきにくい小さな声」を表現する、みたいな曲を書きたいなと思っているのかもしれません。たとえば、立場が強い人の孤独とか痛み、とか。

YOSH それはNVCとかいろいろな経験を重ねた、今のどりちゃんだからこそ書ける曲なのかもしれませんね。

どりちゃん たしかにそうかもしれない。本当に、この夢を進むことが年齢的に遅すぎると挫けそうになったりしたけど、NVCや他の経験があったからこそ見えた世界を、曲にできたらいいなと思っています。でも講師の肩書きに「シンガーソングライター」って書いてあったら「?」ってなっちゃいませんか? 大丈夫ですか?

YOSH いやあ、僕はその方が面白いと思います。「シンガーソングライター」によるNVCの教室、どう進化していくのかますます楽しみです!

(インタビューここまで)

 

多くの人が人間関係に悩んでいるからこそ、NVCというメガネを持つこと、また、それだけでなくNVCを”生きようとする”ことで、きっと何かが変わるはず。

「そろそろ、いよいよ、NVC!」と思った方は、「はじめて学ぶNVCの教室」からはじめてみませんか?

– INFORMATION –

大切な人とわかり合えるコミュニケーションへはじめて学ぶNVCの教室(初級編)第5期