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日本の中山間地域の未来は、岡山の空から変えられる。和気町で進む「ドローンイノベーション」の現在 #仲間募集

グリーンズ求人での募集期間は8/6〜9/2です。募集要項は記事末をご覧ください。

「インターネットで注文した商品が、数時間後にはドローンで運ばれて玄関先に到着」

「河川決壊や土砂崩れなどのため人が立ち入れないエリアで、詳しい場所を特定するのにドローンが大活躍」

「時間と予算のかかる文化財の点検も、自由に飛び回れるドローンでさっと終了」

少し前ならSFの世界で描かれたような未来は、意外と私たちの身近なところまでやってきているかもしれません。

そんな未来をいち早く実現し、地域課題を解決しようとするのが、岡山県和気町(わけちょう)以前の記事でお伝えしたように、世界を見据えた「ドローンイノベーション」に挑んでいます。

今回は、和気町のドローン事業のその後と、その事業に共に取り組む地域おこし協力隊の募集についてご紹介します。近い将来、全国各地で活躍する可能性のある「ドローンによる地域課題解決の担い手」の先駆けが、和気町で生まれるかもしれません!

ドローンで中山間地域の課題解決に挑む

ここ数年、ドローンを地方の上空で見かけたり、撮影した写真をSNSで見かけたりすることが増えました。しかし多くは空撮用に開発された小型のもので、測量、物流、農業分野などに用いられる産業用ドローンを目にする機会はあまりありません。

ドローンは新しい産業分野のため、実用化に向けて法整備もなされている段階。そのため、一台のドローンを飛ばすのにも様々なハードルがあります。

例えば、「人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること」、「祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと」など航空法に則って、飛行禁止区域や飛行の方法について細かな規定がされているのです。

ドローンを飛ばすことのできるエリアも限られており、飛行に適した土地は企業やドローン愛好家からも注目されています。その一つが岡山県和気町です。

和気町は、町内を縦断する吉井川を有することから、安全性の高い川の上空メインにした飛行ルートを開発してきました。

町内を流れる吉井川

2017年、和気町は株式会社Future Dimension Drone Institute(以下、FDDI社)と協定を締結。ドローンスクールを町内に誘致し、ドローン技術習得の機会提供や雇用拡大に取り組んできました。また同年には、大型ドローンを活用した国家戦略特区構想を国に提案。過去にgreenz.jpでもご紹介しましたが、2018年と2019年にはドローン物流検証実験を行い、中山間地域の課題である、商店までの交通手段がない「買い物難民」の支援のためにドローン活用を進めています。

買い物難民支援のための実証実験が行われたのは、2019年10月から12月まで。当日朝9時までに電話かFAXで注文すると、近隣の提携スーパーやコンビニの商品がお昼には到着する仕組みをつくりました。

約3ヶ月間実施した2019年の実証実験では、町内の3地区・65世帯のうち、21世帯がドローン配送を利用。高齢化率の高いエリアでは繰り返し注文する人も現れるなど、一定の成果を見せました。

こうした動きが広がる中、町民のドローンへの期待も高まり、買い物難民支援以外にもさまざまなニーズが掘り起こされています。

医療支援と獣害対策にもドローンを活用

和気町におけるドローン活用は、どのような広がりをみせているのでしょうか。ここからは、ドローン導入を進める和気町役場まち経営課の海野均さんにお話をお伺いします。

現在、和気町の人口は約1万4000人。国の推計によると、2045年には約40%減の8500人まで減ると推測されています。人口減少や高齢化の課題を抱える和気町で、買い物支援に続いて実用化に向けて進んでいるのが、医療支援と獣害対策です。

海野さん 和気町には総合病院が2つと小さい医院が2つ、診療所が2つあるので、現時点で医療体制は充実しています。車で移動できる高齢者も多いので、逼迫はしていません。しかし10年、20年後を見据えると、今から準備をしておかなければと、危機感を抱いています。

現在でも、バスが1日に数本しかない中山間地域もあります。病院に行ってお薬をもらって帰ってくるだけでも半日かがりとなり、高齢者には体力的にも負担になってしまう。そこでオンライン診療でお医者さんと患者さんを結び、診察をしてからドローンを使って山の上の家まで薬を運ぶ仕組みをつくれないかと実験する予定です。初診の患者さんや、緊急時には難しいですが、例えば持病があり1〜2ヶ月に一度、薬をもらいに行っている方にはオンライン診療が有効だと考えています。

さらに獣害対策については、2020年3月に実証実験を行いました。

2020年3月の実証実験では、ドローンに積んだ赤外線センサーから動物の個体を識別し、データを収集しました。

海野さん もともと全国に先駆けて、畑や山を囲う鉄の柵を町内に巡らせていました。しかし今も猪や鹿による被害は甚大です。農家さんにとっては、せっかくつくったお米や野菜を食べられるのは心が痛みますし、生活に直結する困りごとです。檻や柵による対策では追いつかないので、ドローン技術を使い、動物がどこに生息しているのかを把握し、追い払えるようにしていきたいのです。

現在はドローンで把握した生息状況を元に、町内の猟友会が駆除する体制を協議しているとのこと。実用化に向けて、期待が高まっています。

他にも、ドローンを用いた行方不明者捜索実験も実施。和気町内の登山道で遭難した方を、遠赤外線カメラを搭載したドローンで探索しました。実験では遭難者4名のうち3名を発見し、一定の効果を示しています。

2020年3月に実施し行方不明者捜索実験の様子。ドローンに搭載された赤外線カメラの映像をリアルタイムで確認しながら、捜索が可能です。

町内の課題から、日本そして世界へ目を向ける

和気町がドローンを用いた課題解決に積極的に取り組む中で、企業や行政による問い合わせも増えています。2020年7月までに、岡山県内をはじめ岩手や島根などの自治体から視察があったそう。

また、企業にとって和気町はドローンを飛ばすことのできる絶好のフィールド。町も、和気町でのドローンの開発を後押ししています。

海野さん 2020年3月には、神戸の「スウィフト・エックスアイ株式会社」」と連携して、和気町内の山林で動物検知実験と行方不明者の捜索実験を行いました。また、ものづくりの各プロセスを包括的に支援する「KOBASHI ROBOTICS株式会社」とドローンの機体開発をする「株式会社エアロジーラボ」が連携をして、ドローンの量産体制を構築中です。

ドローンの開発、量産体制を整えながら、もともと町内にあるドローンスクールでドローン操縦者を増やすことができれば、和気町から世界に向けてソリューションを輸出することも可能になります。和気町で開発されたドローンの技術や活用法が、世界で注目される未来も夢ではありません。

買い物支援、獣害対策、遭難者捜索など様々な分野でドローンの実験が行われています。

和気町からはじまるドローンイノベーション

積極的に視察を受け入れ、ドローン実験のためのフィールドを提供する和気町。海野さんをはじめドローン事業に関わる人々の視線の先には、和気町でのドローン活用が自分たちの町だけではなく、日本各地の課題解決につながる未来が見据えられています。

海野さん 和気町には一級河川の吉井川が流れており、全国でも稀なドローンを飛ばすのに適した場所を持っています。それは我々にとって誇らしいことですし、ドローン開発企業にとっても、川の上を使えることはメリットです。だから我々が独り占めするよりも、企業に提供することで、技術開発につなげ、日本をどんどん良くしてもらいたい。和気町発で、日本の地方にドローンイノベーションを起こしたいんです。

海野さん 5Gの時代がやってきますから、距離は関係ない。和気町にいるオペレーターが全国各地のドローン操縦をすることも不可能ではありません。同じような課題を抱える自治体と一緒になり、ドローンを使った中山間地域の課題解決に取り組んでいきたいです。

買い物難民支援、医療支援、獣害対策。和気町で、ドローンを活用した地域課題解決のアイデアが次々に形になっています。では、次のアイデアはどんなものなのでしょう? 

それは、今まさに募集中の地域おこし協力隊となる方が生み出すはずです。そのアイデアが、和気町の、日本各地の空を飛び回って、人々の希望になる。そんな日が、きっとすぐそこまで来ています。

和気町には、ドローン関連企業やドローンに関心を持つ移住者が集まってきています。

和気町で、ドローンイノベーションのトップランナーを目指そう

私は今までにも何度も和気町を訪れ、様々な取り組みや町の未来についてお伺いしてきました。その中で心に残っているのは、心から楽しそうにドローン事業について語る海野さんはじめ役場のみなさんの姿と、前例のないチャレンジに理解を示している町民のみなさんの姿です。

和気町には、失敗を恐れずに、最先端の技術を使って課題解決に挑めるフィールドがあります。人口1万4000人の小さな町から、中山間地域の課題解決に取り組めるまたとない機会。和気町の地域おこし協力隊として、ドローンイノベーションを起こすトップランナーを目指してみませんか?

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