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Being(見えない意識)とDoing(見える行動)を共に語ろう。想いが行動となった時、ヒトとコミュニティは強くやさしく育まれる

みんなで何かをはじめよう! と思い立った時、欠かせないのがミーティングなど「対話」の場です。

最近は、離れた場所からも参加できるオンラインミーティングも一般的になり、様々なツールも使いやすくなりました。多くの場合、ミーティングはゴールをもって、何をいつまでにどんな方法で行うか、具体的な決めごとを合意形成する場です。

しかし、「何か」をするには、理由がありますよね。一人ひとりにとっての意義だって違うはず。

そんな「想い」に焦点を当て、何を感じ、何を考えているのか、共有する場を「Beingミーティング」と呼びます。対して前者の「何をするか」は、「Doingミーティング」です。

それぞれに必要な場面があり、使い分けることで、自分自身と、または、コミュニティとのつながりは深まり、行動力もぐっと上がります。

まず、役割を決めよう

Beingミーティング、Doingミーティング、どちらを開く際も、最初に「キーパー」の役割を決めることで、場がほどよくあたたまり、目的が達成されやすいでしょう。

・タイムキーパー: 時間を管理する人
・ノートキーパー: 議事を録る人
・ハートキーパー: 参加者の心の状態を気にかける人(例えば誰かが話し過ぎていないか、途中から参加した人にそれまでの内容を伝える、など)

Beingミーティングの開きかた

Beingミーティングとは? とその使い方

活動の軸にある個々の思いを、みんなと共有する場です。

何を大事にしているのか、どんなビジョンや世界を思い描いているのか、話し合うことがコミュニティのはじまりです。もちろん、具体的な活動やプロジェクトと結びつけなくてもOK。いまどう感じ、考えているか、語り合うことで、お互いの理解が、また自分自身とのつながりが深まります。この土台があると、目的をもった時に同じ方向に進みやすくなり、持続的な活動につながるでしょう。

具体的に

Beingミーティングは、意識的に呼びかけることもできるし、ご飯会やチェックイン・チェックアウトなどの形で実践される場合もあります。何かもやもやしている時、少し立ち止まって考えたい時などに、呼びかけてみましょう。

場づくりのポイント

とにかく話し手の言葉に耳を傾けることが大切です。誰しもが、私の話を聞いてほしい、という潜在的な願いをもっているものでしょう。例えば、みんなで円になってみたり、屋外で腰かけたり、いつもとは場所を変える、または、ドレスコードを決めて一体感を味わうなど、リラックスした雰囲気で話せるアイディアを取り入れてみてください。

Doingミーティングの開きかた

Doingミーテイングとは? とその使い方

特定の目的や課題をもって、活動を前に進めるために開かれる場です。Beingミーティングで語られた思いを大切に、行動に反映させるときに有効です。特定の人だけが発言するのではなく、参加者全員が意見を出しやすいよう、ファシリテートしましょう。

具体的に

事前に議題を共有し、それぞれの考えを持ち寄ってもらうと、より有意義な時間がつくれます。アイディアを出したり、具体的なアクションを決める場面では、ワールドカフェ(※1)やKJ法(※2)などのディスカッション法を使ったり、チームに分かれて密に話し合ったり、その時々の目的やグループの規模に合わせて、ツールを使い分け、創造的なミーティングを開きましょう。きっと、「集団の英知」が引き出される場面に立ち会うでしょう。

(※1)ワールドカフェ: カフェで会話を楽しむように4人ほどの少数グループに分かれてディスカッションし、時間ごとにメンバーを入れ替えるミーティング手法。
(※2)KJ法: アイデアをカードなどに書き出し、分類したり、図解化しながら、まとめていく手法。

場づくりのポイント

人の発言を否定することなく、異なる視点として受け入れ、意見を出しやすい雰囲気をつくりましょう。多様な考えが集まるほど、活動は意義を増し、持続的なものへと育まれます。

内側が変わると行動も変わる、と言われるように、思いと行動は等しく大切です。具体的な行動として目に映る「doing」ももちろん重要ですが、行動の先にあるのはどんな感情を味わいたいか、というゴール。一人ひとりの心の動き「being」を大事にすることで、本来望んでいる目的が叶うのではないでしょうか。

(協力: NPO法人トランジション・ジャパン)