目には見えませんが、街の空気には有害物質がいっぱい。硫黄酸化物に窒素酸化物、PM2.5といった微粒子状物質、光化学オキシダント…。存在に気づきにくいため、知らず知らずのうちに有害物質を取り込み続け、やがて呼吸器疾患や肺がんなどの命にかかわる健康被害を招くことも。
イギリスの首都ロンドンも、大気汚染がひどい街のひとつ。大気汚染の対策を進めるためには、まず、ロンドンに住んでいる人や政治家に、問題の大きさを気づいてもらわないといけません。
そこで世界中の大気データをリアルタイムで提供するビッグデータ会社「BreezoMeter」は、大気の汚染を気になる情報として伝える、あるレポーターをデビューさせました。
それは、「Toxic Toby(有害トビー!)」という名の、クマのぬいぐるみの姿をしたロボット。Toxic Tobyはその姿からは想像できないような働きをしてくれるのです。
Toxic Tobyが出現するのは、交通量の多い通りにある街灯のそば。大気の汚染がひどくなると、苦しそうにゴホンゴホンと咳き込みます。そして同時に、連動したTwitterで大気汚染が危険なレベルに達したと警告を発します。
Toxic Tobyの咳き込む姿やツイートで大気の汚染状況がわかるのはもちろん、近くの人は子どもを外で遊ばせるタイミングや、職場や学校に行く道を考えることができます。

キュートなモフモフの中身は、超ハイテクロボット!
「汚染」と聞くと、恐怖心で思わず目を背けたくなってしまいますよね。でも、かわいいクマがチャーミングな動きでその危険を教えてくれるとなると、ついつい注目しちゃいます。そして、リアルタイムでSNSを通して警告を発してくれるというかしこさも、なでなでしてあげたくなるほどクールではないですか!
科学的なデータと市民がもっと仲良くなれば、不正確な情報やデマに左右されることも少なくなるかもしれません。このToxic Tobyのような、科学技術のチャーミングな進化に、これからも注目です。
(翻訳協力: 山崎くみこ)