2019年7月、おかげさまで13周年を迎えたgreenz.jpは、日頃の感謝を込めて周年イベントを開催しました。
当日は、NPOグリーンズ代表、鈴木菜央による講演(こちらの記事でも内容をご覧いただけます)から始まり、畑中みどりさん、安居昭博さん、飯田大輔さんの3名によるゲストトークと続き、クロージングにはWIRED日本版の編集長である松島倫明さんの講演と、鈴木菜央との対談という充実の場になりました。(松島さんのお話もこちらからどうぞ)
100名以上の方が参加くださり、交流スペースのテーブルには、それぞれ持ち寄りの食べ物や飲み物がずらっと並び圧巻の光景に! グリーンズとしては過去最大規模の「100人ポットラック」が大成功しました。
誰かの思いと共に集まったおいしいものは、初めて顔を合わせる同士を簡単に仲良くさせる力がある! そんな確信がもてるほど和やかなこの場で、実はある社会実験が進んでいました。
グリーンズの環境意識は、ひそかに、しかし着実に進んでいる
この13年間、世界中の環境問題に触れてきたグリーンズ。特に近年は、海洋汚染に対する意識を高めるため、グリーンズ社内でもプラスチックフリーを実践しています。(最近オフィスで起きた変化もこちらの記事でご覧ください)しかし、イベントではゴミの片付けがつきもの。片付けをしながら毎回複雑な気持ちになっていたことも否めずにいました。
「使い捨てはもういやだ!」というグリーンズCOO、植原正太郎の一言が決め手となり、このイベントでは、お箸、取り皿、コップの持参を呼びかけると同時に、お忘れの方には有料でこちらの木のコップと、お皿を貸出しすることにしたのです。
ご協力くださったgreenz peopleの田中健昌さんは、岡山県で地域おこし協力隊として勤務したことで木工に携わり、間伐材などの有効活用に努めていたそうで、今回こんなに美しく立派な食器をご用意くださいました。
美しいヒノキの木目はあたたかさがあり、塗料にはえごま油が使われている、完全なる自然由来のうれしい逸品。協力隊として満了を迎え現在は長野県に移住した田中さんは、諏訪郡原村の朝市でも木製の食器を出店・販売されています。気になった方は、NPO法人「木にかえる」の田中さんへお問い合わせください。
学びながら実践してます!「サーキュラーエコノミー」
そしてもうひとつ。この日のドリンクスタンドでお皿の右に並んでいるのが、サトウキビ製のストローです。
台湾で製造されるこのストローを日本で輸入販売するのは「株式会社4Nature」。代表の平間亮太さんのお話では、サトウキビなどの天然資材だけを使い、これまでのプラスチックストローと変わらない厚みと強度で、紙製ストローよりも低コスト。ほんのりと甘くやわらかな香りのするストローは、24時間水分につけても溶け出すことがないそうです。
すでに関東近郊のカフェなどで使用されている上、将来的には、使用済みストローをカフェから回収し、提携農家で堆肥にして、さらにその肥料を入れて育った野菜をカフェに戻すというサイクルを準備中だとか。サーキュラーエコノミー(循環型経済)は日本でもどんどん現実化していきそうですね! こちらもどうぞ、気になる方は平間さんまでお問い合わせください。
また、この他にもこのイベントではたくさんの環境対策が施されていました。
環境配慮されたパッケージを製造販売するKAYU PACKAGEさんのご協力により、貸出しトレイがさらに充実していたこと。
ゴミを出さない経済循環を提案する「530week」の中村元気さんが企画され、六本木のパン屋「Bricolage bread(ブリコラージュ)」から出たパンの耳部分を原料にした「bread beer」を販売したこと。
greenz peopleでもある神奈川県小田原市の自然養鶏家・檀上貴史さんからご提供いただいた青梅で、グリーンズインターンの「みっつ」が梅シロップをつくり、ドリンクスタンドで提供したこと。
そして飲食ではありませんが、編集部は「本の交換会」と称して、お気に入りの本をお持ちいただき、他の方の本と交換できたり、持ち帰っていただく出店をしました。
こうした様々な取り組みの結果、会場を片付けた後のゴミの量はなんと前年から約70%も減らすことができました。同じ会場で、前年よりも多くの方がお越しくださったにも関わらずこの成果はまずまずといったところではないでしょうか。
会場にお越しくださった皆さま、この日わたしたちが企画した環境施策に関してなにかお気付きになったことがありましたら、今後のためにも忌憚なくご意見をお聞かせください。
引き続きグリーンズでは、環境意識を高め合いながら、しっかり実践していこうと思います。
(撮影: 秋山まどか)