飛行機での移動の時間、あなたはどう過ごしますか。ゆっくりと映画や読書を楽しむ。集中して眠って疲れを癒す。たまった仕事を片付ける…などなど。狭いながらも静かに過ごせるひとときは、慌ただしい日々の中でありがたいものです。
バタバタと座席につき、無事離陸。シートベルト着用サインも消えてほっと落ち着いたとき、赤ちゃんの鳴き声が聞こえてきたら…。赤ちゃんは泣くのが仕事なのだからと受け入れながらも、正直、まいったなあ、早く泣き止んでくれないかなあと思ってしまうかもしれません。
ママにとっても、赤ちゃんを連れてのフライトはストレスでいっぱいです。おむつやミルク、着替えなど、準備も大変。やっと乗り込んでも、周りを気にしながら、赤ちゃんが泣かないことをひたすら祈り続ける時間が続きます。
赤ちゃん連れで、ふだん落ち着いて飛行機に乗れないママたちのために、アメリカの航空会社JET BLUE航空が、母の日に素敵なサービスをプレゼントしました。
舞台は、JFK空港からロングビーチ空港に向かう便。赤ちゃん連れのママたちは、自分の赤ちゃんがグズらないことを祈りながら席につきます。隣の人に謝ったりしながら。しかし…離陸するやいなや、やっぱり泣き出す赤ちゃん。他の乗客の迷惑顔にママはオロオロするばかり。そんなとき、フライトアテンダントから驚くようなアナウンスが飛び出します。
なんと、赤ちゃんが1回泣くごとに、次のフライトが25%オフになるというのです。2回泣いたら半額、3回泣いたら75%オフ、4回泣いたらなんと無料に。
それを聞いて、うんざり顔だった乗客は思わずニッコリ。赤ちゃんが泣くたびに拍手喝采です。いつもなら赤ちゃんが泣くたびに機内は不穏な空気に包まれるのですが、このフライトでは赤ちゃんが泣くたびにどんどんハッピーなムードに。結局、赤ちゃんは4回泣き、みんな次のフライトが無料になり、ママも他の乗客もみんなが笑顔になりました。
結局みんな、お得がうれしいのね! というツッコミどころはありますが、赤ちゃんを無理に泣き止ませることなく、ママを緊張させることもなく、他の乗客にただガマンを強いるだけではなく、みんなにとってうれしい解決策を提案したところがナイスです。
これは母の日に一便だけで行われたイベント的な取り組みに過ぎません。しかし、こうした赤ちゃん連れでみんなが幸せになるという事例がショーケースとなることで、赤ちゃん、そして子連れママを見つめる社会のまなざしが変わっていくのかもしれません。
みなさんも公共交通機関や街で赤ちゃんを見かけたら、「この子がいることでどんなことが起きるとうれしいだろう、楽しいだろう」なんて考えてみてはいかがでしょうか。
(翻訳協力:宮田晴香)