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作業に追われる日々に自然の豊かさを。バナー広告を花に変える広告ブロッカー「Green Screen」

ブログの記事を読むときや、情報収集するときに見かけるバナー広告。正直わずらわしく感じてしまうという方も多いのではないでしょうか?

実際、最近のバナー広告の過剰なおしつけがましさについて、否定的な意見も多いようです。ある意識調査で、Web広告に対しての意見を求めたところ、「わずらわしい」「不快」「広告が多いサイトは見たくない」という項目すべてに対し、「そう思う」と答えた方が、80%以上にのぼったとか。

そんなバナー広告からのストレスを減らすために開発されたのが、オランダ発の広告ブロッカー「Green Screen」です。

バナー広告の代わりに花を咲かせる、ちょっと変わった広告ブロッカーなのです。

よく見かけるバナー広告が

なんと、花に!

2017年の調査では、全世界のネット利用者の10%以上が、何かしらの広告ブロッカーをすでに利用していて、その数は前年比30%ペースで増えているとか。

一般的な広告ブロッカーは、広告部分がそのまま空きスペースとなるため、寒々しい印象になったり、ページのレイアウトを崩してしまうことが、デメリットとして挙げられています。

そこで「Green Screen」は、ただ広告を排除するのではなく、その場所を花に置き換えます。モバイル対応はまだですが、パソコンでは無料で使うことができます。

花に注目した理由は、デジタル環境と相性がいいから。人を癒す効果、頭の働きを助ける身体的な治療効果が研究によって明らかになっているそうです。

身体にも頭の働きにも効果がある花

イラストを担当したのは、4組のアーティスト。その内の1組である「Pigalle」のふたりも、日常的に花からよい影響を受けているそうです。

花と植物にふれることは、クリエイティブな発想につながり、心が緩まる時間となります。

「Green Screen」のアイデアはとてもすばらしく、デジタル環境で今日もせわしなく作業するみなさんに、閃きの機会と穏やかな1コマを与えてくれるでしょう。

まるで、美しい自然や生まれ故郷の風景を思い出すような時間となるはずです。

ファッションブランド「Pigalle」の創設者Stephane Ashpool(ステファンさん)と、フィアンセであるジュエリーデザイナーのMarissa Seraphin(マリッサさん)

最近では、積極的に心休まる時間を持つことで、“今ここ”に集中する「マインドフルネス」の話題がよく取り上げられています。便利になる反面、情報量が増え続ける現代は、常に頭の中があれこれ考える状態となり、実はどうでもよいことにまで振り回される環境が生まれやすいそうです。

そのため、心に余裕がない状態だと、本来の力がでなくなったり、周りを落ち着いて見ることができなくなるため、意図的にリラックスした状態をつくることが大切だとされています。

イラストを担当した1人の、Hank Schiffmacher(以下、ハンクさん)も、花を楽しめる時間を持つことが大事だと話します。

大切なのは忙しい時にも、花に気付けるかどうかなのです。

忙しいなか、花に目を向けるなんて、あまり価値がないように思えるかもしれませんが、そんな時間こそ、価値あるものになりえます。

「Green Screen」イラスト担当の1人、タトゥーアーティストのハンクさん

私も実際に「Green Screen」を使ってみたところ、最初は花があることに違和感がありました。しかし、そこにある花を見ることで、徐々に自分の中に余白が生まれてくる感覚があり、前よりもリラックスした状態で作業ができていると感じます。

きっと流れてくる膨大な情報やタスクを処理していく時間が必要なこともあるでしょう。だからこそ、日常の中に一息つく時間を確保するために、ちょっとした工夫を取り入れることが、豊かな日常を生むのかもしれません。

[Via Green Screen,CO.Design,TNW]

(Text: 加茂信志)
(編集: スズキコウタ)

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