\11/12オンライン開催/ネイバーフッドデザインを仕事にする 〜まちを楽しみ、助け合う、「暮らしのコミュニティ」をつくる〜

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ペダルを漕いで共に汗をかくことが、つながりの第一歩。斬新な発想で自転車のポテンシャルを次々と開拓する「Rock the Bike」

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楽しい催し物が盛りだくさんの12月。みなさんは、なにかイベントやパーティーへの参加を予定していますか?

最近では、さまざまな趣向を凝らした場づくりに出会う機会が増えてきましたが、中にはあまり参加者とつながりきれなかった・・・と消化不良を感じるときもありますよね。

今回ご紹介する「Rock the Bike」は、わたしたちが普段何気なく乗っている“自転車”を改造し、そこに新しい付加価値をのせて多くの人をつなげ、魅了する場を提供してきたプロジェクト。

自転車を介して人が集う空間をデザインしているこちらの取り組みは、会場に集まった人の心を瞬時に掴むだけでなく、参加者同士をつなぎ、不思議と参加意欲を掻立てられてしまうことで知られています。
 
intern_01ペダルを漕ぎながら、なにやら盛り上がっています

「Rock the Bike」を立ち上げたのは、生粋の自転車愛好家でもあるPaul Freedman(以下、ポールさん)。mad scientist inventor(狂った発明家)の異名を持つポールさんは、これまでにも奇想天外な自転車を多数開発してきました。まずは、彼の発明品の一部をご紹介しましょう。

ペダルを漕ぐことによって、ハンドル部分に設置されたブレンダーが回転し、簡単にスムージーをつくることができる、「Bike Blenders」と命名された自転車。こちらは、ファーマーズマーケットなどのフードイベントで愛用されています。目の前で汗を流してつくっている姿を見れば、思わず応援したくなってしまいますね!
 
intern_002大人から子どもたちまで、力をあわせてスムージーをつくります

「sLEDgehammer」は、自身の持久性や体力を競い合いながらも、その力を電力へと変換されるように改良された自転車です。ゲームセンターなどで見かけるパンチングマシーンに、ヒントを得たそうです。
 
intern_004数人が競い合いながらも、個々のパワーが照明や音響などの電源に変換されています

少ない電力を必要とする簡易的なライトアップはもちろん、お互いに力を合わせれば、ライブステージの音響や照明設備の電源を賄えるまでになるのだとか。
 
intern_06ペダルを漕ぐ量が少なくて、音響や照明の調子が悪いと、演奏者から煽られることも

その他にも、パソコンや携帯を充電できる「Recharge station」や、ペダルを漕ぐことによってアイスをつくれる「Ice Cream Bike」、アート作品を即興で制作できる「Spin Art Blenders」や、自転車とスピーカーが一体となった「One Bike / One Speaker」まで、ユニークな発明品が並びます。
 
intern_007携帯やパソコンを充電できる自転車ですが、フル充電にはかなりの運動量が必要となるそうです

斬新な発想で自転車のポテンシャルを開拓してきたポールさんのもとには、ファーマーズマーケットや音楽ライブの主催者、教育機関や政治団体の関係者など、さまざまな組織からイベント会場への設置オファーが届いています。

実際に、今年の春にアメリカで開催された自身の発明品を見せ合うイベント「MAKER FAIRE」でも、会場の盛り上がりに一役買ったのだとか。奇想天外な自転車を開発しては、人の集まる空間をデザインしてきた「Rock the Bike」も、想いのままに遊び、いじくり、改造することを大切にする「MAKE」の文化を継承してきたといえるのではないでしょうか。
 
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「MAKER FAIRE」の様子。

ポールさんが、執拗なまでに自転車の発明にこだわるのには、

誰もが楽しいと思えるやり方を通して、自転車の文化を世の中に浸透させていきたい

といった強い信念があります。更に、ペダルを漕ぐことのメリットを、

身体を動かすことで、感受性が豊かになり、よりオープンでリラックスした状態になります。そうなれば、異なる意見を持った人のメッセージにも耳を傾けることができ、お互いを理解しあえるようになると考えています

とポールさん。

一人ひとりが自分のペースで自転車を漕ぐことで、誰かの力になっていることを実感できれば、イベントへの参加意欲も自然と高まってくるのかもしれません。
 
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「Rock the Bike」 を立ち上げた、ポールさん

「Rock the Bike」が設置されているイベントの会場には、運営者と参加者といった明確な境界線があるわけではなく、集まった人たちと共につくり・楽しみを分かちあうことができる場づくりのヒントが眠っていました。

すぐに自転車を置くのは難しいにしても、みなさんはどのようなアイデアで、人が集う場をデザインしてみますか?

[via Rock the Bike, Homepower]
(Text: 竹内謙二)