一人ひとりの暮らしから社会を変える仲間「greenz people」募集中!→

greenz people ロゴ

大人だって、子どものように無邪気に遊びたいときがある。サンフランシスコの公園に設置された、大人も大興奮のすべり台「Seward Street Slides」

Slide_top

みなさんは子どもの頃、どんな遊びをしていましたか?

夕日が落ちるまでかくれんぼをしたり、服も顔も汚しながら泥だんごをつくったり。時間を忘れた遊んだ日々を、時々思い出す方もいるのではないでしょうか。

一方でそんな日々から何年も過ぎて大人になった今、友だちといるだけで毎日が楽しかった自分を忘れてしまったと気づいた方もいるかもしれません。

そこで今回は、「大人だって、子どものように時間を忘れて無邪気に遊びたい!」と多くの大人が楽しむすべり台「Seward Street Slides」を紹介します。

サンフランシスコの公園に設置された「Seward Street Slides」は、特に何の工夫もされていないすべり台。でも普通のすべり台と違うのは、大人も“子どものように”無邪気に遊んでいることです。

実際に公園に行くと、「Fooo!」「Yeahh!」と大きな声ではしゃぐ大人たちの姿が。では、実際に滑ってみましょう!
 
slide
すべり台は全長14mで、滑り終わるまでは約4秒とのこと。

まず、滑る時にお尻に敷く段ボールを準備します。滑り終わった人から、「貸して!」と言葉を交わし、段ボールもワクワク感も共有することが大切なことのようです。

次に、すべり台の上に行きます。この時、階段がないので、横のクサリに捕まりながら、落ちないように坂を上がっていきます。
 
Slide1
意外と急な傾斜に胸はドキドキ!

そして、上に着いたら段ボールをお尻に敷いて、スタート位置から少しずつお尻に力を入れながら、体を前に押していきます。そして「あっ、これ以上進んだら落ちる!」と体で感じたら、力を抜いて滑るだけ!
 
Slide3
「ワーー」と叫びながら滑るその姿は、爽快そのもの!

WimenChild
子どもたちと一緒に遊ぶお母さんは、子どもたちより楽しそう!

WOW
予想以上の速さにビックリしている2人!

落ちている間、段ボールとすべり台との摩擦で「シューー!」という音がします。その音は5秒もすると「しゅぅぅぅ….」という音に変わり、段々と減速し止まってしまいます。しかし、滑り終わった瞬間も、ウキウキして喜びをかくせません!
 
Slide_UKIUKI 2
思わず、「もう一回!」という言葉をこぼしてしまいす!

こんなにも大人が集まるすべり台ですが、特別な仕掛けは何もありません。ではなぜ、多くの大人が集まるのでしょうか? その秘密は、「Seward Street Slides」が設置された公園にありました。

この公園があるサンフランシスコはアメリカ西海岸の港町で、まさに港町と言わんばかりの美しい景観や広大な公園もあり、世界の住みたい都市7位という人気の街。(出典元
 
Slide8
サンフランシスコ市内には自然と調和した景観がたくさん見られます。

しかしそんなサンフランシスコでは、かつて1966年に104棟ものマンションの建設計画がありました。景観や自然を壊しかねないこの計画に対して、住民たちは7年間も反対運動を続け、その結果住民たちの思いが届き、市が建設会社に建設中止を命令したのです。

街の景観と自然を守るという、その市の決断を記念してつくられたのが、「Seward Street Slides」が設置された公園「Seward Mini Park」でした。それ以来40年以上も、この公園は地域の交流の場として愛されつづけています。
 
Slide7
1973年の公園は今と同様に、多くの人たちに愛されてます。

当時反対運動に関わり、現在ではこの地区の振興会会長を務めるShimon Schwarzschildさん(以下、シモンさん)は、このように振り返っています。

私たちがこの景観を守れたことは本当にうれしいことでした。しかし、それ以上に素晴らしかったのは、それまでの過程です。近隣の人々が、お互いを知ることから始め、主体的に協力していくうちにコミュニティができていました。

slide_simon
子どもの頃から「Seward Street Slides」で遊んでいるシモンさん

現在、このすべり台はサンフランシスコの観光場所となり、すべり台を通して多くの観光客と地域の人が交流をしているとのこと。楽しい時間を共有することで新しいつながりが生まれています。

みなさんは今、どんなことをして遊びたいですか? ふと思い浮かんだら童心にかえって、周りの人を誘ってみてはどうでしょうか。きっと、一緒に遊びたい人はたくさんいるはずです。

[via QUWSTIVAL,Instagram,Wikipedia,NJIT,yelp,SFGATE,MAJOR7]

(Text: 伊藤優汰)