こんにちは、NPO法人グリーンズ people事業部マネージャーの植原正太郎と、greenz.jp編集部デスクのスズキコウタです。
突然ですがみなさんは、NPO法人グリーンズが、誰でも自由に(無料で)読めるウェブマガジン「greenz.jp」をさらに発展させていくために、「greenz people」という寄付会員を募集していることをご存知ですか?
そんなgreenz peopleには、毎月発行の限定メールマガジンや、年に2冊届くgreen Booksといった会員特典の他に、オンライン・オフラインでのコミュニティ活動も始まっています。
僕たちが、会員のみなさんと実際にお会いしたり、オンラインでの交流を通して気づいたこと。それは、会員の中には自身で素敵なマイ・プロジェクトを展開されている方が多くいらっしゃることでした。
すでに活動の幅を広げているプロジェクトを中心に取り上げているgreenz.jpだけど、「これから活動を本格化させていこう!」と試行錯誤しているgreenz peopleを紹介するコーナーもつくったほうがいいのでは?
そう考えた僕らは、多種多様なメンバーがあつまるgreenz people会員へのメールインタビュー企画を始めることにしました!
今回ご登場いただくのは、札幌を拠点に「持続可能な社会」をつくるクリエイティブ集団「嬉楽 株式会社」の石田香織さん。なんと、greenz.jpを創刊当時から読んでいただけているのだとか!
石田さんに、現在所属している会社で展開している活動について、そしてご自身のことについて伺いました。
1. お名前、出身地と住んでいる場所を教えてください。
石田香織です。
北海道の苫小牧で生まれ育ち、今は札幌に移り住んでいます。10代の時から日本を変えたいと思い活動をしていて、活動拠点をどこに置きたいかを考えながら日本縦断しました。最終的に食と人と自然、コミュニティの規模を考えて札幌を選びました。
2. グリーンズの出会い、そしてこれまでに読んだgreenz.jpの記事で、特にグッときた記事を教えてください。
たしか創刊の頃からだったと思います。
私が環境活動を始めたのが2004年。その時から「嬉しい楽しい」をモットーに活動を広めたい、と考えていたので、グリーンズのようなWEBサイトができた時に「おぉ!こういうの待ってた!」と熱くなったのを記憶しています。
環境や平和活動などは、知ると残念な真実が多いので、それをポジティブに変革しようとしている人たちのチャレンジや取り組みが紹介されている記事を読んで希望をもらっていました。
これまでの記事で印象深いのは、ゴミ置き場アートで街を変える!「GARBAGE BAG ART WORK」です。
2006年から毎週「朝ゴミ拾い」をしていたので、普通のゴミ袋を使うよりかわいいゴミ袋にしよう! と、この記事を読んでからゴミ袋を変えました。拾っている自分たちが楽しくなったのはもちろんですが、まちゆく人たちの「ゴミ拾いしてる、えらいねぇ」みたいな視線から「かわいい!何してるの!?ゴミ拾い!?」みたいなサプライズに変わった気がしました。
3. あなたが影響を受けた本を3冊、一言コメントつきで教えてください。
・世界がもし100人の村だったら
中学生の時に母からもらって、地球の現状と日本人の生活がいかに恵まれた環境なのかを知りました。たしかそのシリーズでセヴァン・スズキさんのリオでのスピーチも読んで痛く感銘を受けたのを記憶しています。・地球維新シリーズ(丸井英弘・中山康直 著)
地球のために何ができるか、と考えていた時に出会った一冊です。18歳の時に読んで、強烈なインパクトをもらいました。麻の可能性を知る機会や、精神世界に触れる機会にもなったような気がします。・裸でも生きる(山口絵理子 著)
マザーハウスの創業者の本です。辛くなった時や太刀打ち行かない時に読んでは元気と勇気をもらってます。
4. 今、”自分ごと”として取り組んでいるマイ・プロジェクトについて、簡単に説明してください。
現在の会社自体が大きなプロジェクトだと感じながら取り組んでいます。
会社が掲げるミッションは「豊かに生きる人を増やす」、「持続可能な社会を創る」の2つです。その一環として、オーガニック食材を使った居酒屋「粋Laboratory」の経営をしています。
10年以上の間、環境や平和活動に携わってきた中で、何が大切かって、心が大切だと感じたんです。誰かを思うこと、他者のいのちを大切だと思う心、隣の国の出来事を自分事として捉えることができる心、知ろうと思う心。
その心をつくるのは、精神的に充足した環境と、肉体精神を作る食にあると考えています。使命感だけで動いていると、エネルギーがどこかで切れてしまう瞬間があります。使命感の他に、嬉しいからやる、楽しいからやる、という居心地の良さを感じていればエネルギーはなくなるどころか増え続ける、そして楽しそうな空間に、人は集まる。
日本でのオーガニック率はまだまだ1%にもいかない現状です。食べる人や求める人が増えれば生産者も増えるので、飲食店の有機食材使用率が増えるような活動を一緒に行なっています。
粋Laboratoryのごはん
5. そのプロジェクトに取り組むようになったきっかけとは?
一番のきっかけはカンボジアに自立支援に行った時です。孤児や片親の子どもたちと接する中で1人の女の子に「おねえちゃんになって」と言われたんです。
その瞬間、自分の中で引いていた線がなくなりました。これまでは支援する側、される側、みたいな見えない線があった。
「何をすれば子どもたちがもっと幸せに生きられるんだろう?」と、してあげることばかりを考えていましたし、カンボジアに残って支援活動を続けようとも思っていましたが、線が消えた時にそもそもこの支援関係自体を変えるには? という考え方に変わりました。
支援が必要になった理由は色々ありますが、貧富の差や不平等の労働システムを生み出しているのは先進国の生活スタイル自体にある。だから自分は日本に帰り、日本を変えたい! と思うようになりました。
そして日本人の生活を変える方法を考えた時に、毎日気軽に取り組めるもの、そして絶対に誰もが選択できることは1日に3度の食にヒントが有る! と気付きました。この時、まさに「日本の食が変われば世界が変わる!」とテンションが上ったのを覚えています(笑)
輸送エネルギーをかけて遠い国から輸入されるものではなく近くで採れた旬のものを食べよう。
農薬や化学肥料に頼らずに、自然に近い環境で育った野菜を食べよう。
お肉以外にも満足感や美味しい食材はたくさんある。それらを楽しくおいしく提案して、気づいたら地球環境にやさしい食のスタイルだった、という構図を提供したい。始まりはそんな想いでスタートしました。
札幌のオーガニックコミュニティ発足イベント
6. そして今、マイ・プロジェクトで目指しているゴールやビジョンとは?
目で見える数字としては日本のオーガニック率0.3%(※)を1%にしたいです。
※ IFOAM(国際有機農業運動連盟)より
そして何より大切にしたいのは心です。会社のミッションにある「豊かに生きる人を増やす」。これが一番大切だと思っています。
豊かさとは、いのちの存在に気付き、いのちを愛でる。いのちが循環することに喜びを感じられること。◯◯があったら幸せになれる、ではなく今ココにある幸せを感じられるような社会にしたい。そのために、小さな会社ですが大きな目標を持って日々邁進します。
仲間募集してます↓
https://www.wantedly.com/projects/37372
いかがでしたか?
今後も「今週のgreenz people」連載では、素敵な会員の方々を紹介していきます! そしてgreenz peopleになると、Facebookのオンラインコミュニティに参加して、石田さんとコンタクトを取ることも!? ぜひこの機会に、greenz peopleへの入会をご検討ください!
– INFORMATION –
嬉楽 株式会社
http://kiraku-jp.net
人と地球を大切に考える「オーガニック居酒屋」 粋Laboratory
http://ikilab.com