みなさんは、児童養護施設について、どんなイメージを持っていますか? もしかしたらメディアを通して、さまざまなイメージを抱いていても、その実態をあまり知らない方が多いかもしれません。
2014年1月から放送されていた、児童養護施設が舞台のドラマ「明日、ママがいない」では、大人が児童たちを人間として扱わないような演出が問題視され、全国児童養護施設協議会も「視聴者の誤解と偏見を呼び、施設で生活している子どもたちの人権を侵害しかねない」と抗議したことがありました。(出典元)
このような、メディアなどを通して刷り込まれた、児童養護施設で過ごす子どもたちへの「かわいそう」「恵まれない」といったイメージ。でも実際に、子どもたちは自分のことを恵まれていないと思っているのでしょうか? 彼らだって、親と暮らせなくても学校へ行き、食事をして、施設では友だちと遊ぶのに…
そこで今回は、親と暮らせない子どもが「ふつう」に暮らせるために活動している団体をまとめてみました!
親と一緒に暮らせない子どもの現状を知っていますか? 社会的養護の子どもたちを家庭的な環境で育てる「子どもの村JAPAN」 by 村山幸さん
親の病気、経済的な理由、虐待などによって、親が育てることができない子どもたちの現状を知っていますか? 児童養護施設は、古い建物に意地悪な施設の先生がいる、というようなドラマで物語設定されることもありますが、本当のところはどうなのでしょう?
「子どもの村JAPAN」では、子どもたちを家庭的な環境で育てています。それは「一番身近な大人との信頼関係を築くことは、子どもにとってとても大切なこと」という考えからだといいます。(⇒続きは、こちら)
養護施設の子どもたちにも、家族を感じながら育ってほしい! 温かさと絆を感じながら子どもたちが育つ場「Phuket Sunshine Village」 by Kanako Tokutakeさん
2004年のスマトラ沖地震による被害で家族を失った子どもたちを保護するために、建設された「Phuket Sunshine Village」。
家族のようなあたたかい空間をつくり出すために、「Phuket Sunshine Village」の敷地内には、中央に位置するダイニングエリアとプレイグランドを囲むように、小さな家が12件ほど建っています。それぞれの家には、年齢が異なる10人ほどの子どもと “マザー”と呼ばれるお母さん的存在の女性が一つ屋根の下で暮らしています。(⇒続きは、こちら)
パパやママになることを夢見る人を増やしたい!妊婦さんの話を聞いて語り合う「ぱぱとままになるまえに」 by 杉本真奈美さん
ある日突然、準備も心構えもなく妊娠したら、誰でも焦るし、困ってしまいます。そんな状況じゃ、せっかくの子どもとの時間も苦しくなったり、辛い出来事になってしまう。
そうなる前に、もしも幸せいっぱいの妊婦さんの話を聞いて、妊娠が自分ごとに思えたら、パパやママになる前に自分に向き合うことができたら、何か変わるかもしれない…そんな思いではじまった「ぱぱとままになるまえに」を紹介します。(⇒続きは、こちら)
Yちゃんのイラストが商品パッケージに。親と暮らせない子どもの自立をサポートする「子どもデザイン教室」 by 東善仁さん
児童養護施設で育った子どもたちが、社会に放り出される年齢は18歳。そこから身寄りもなく、働きながらひとりで生きていかなければならないのです。
こうした経済的な不安を軽減し、永続的に支援するためのアイデアが「子どもデザインビジネス」です。これは、一つの企業が1人の子どもを直接支援できる仕組みです。
たとえば、Yちゃんのイラストは、お好み焼きチェーン店・風の街さんのお好みソースのラベルに採用されました。このお好みソースをお買い上げいただくと1本につき5円が、Yちゃん自身の口座に振り込まれ、将来、児童養護施設を巣立つときの自立支援金として役立てられます。(⇒続きは、こちら)
【Blog Action Day JAPAN(7)】日本発! 子どもの絵が世界を救う キッズ・アース・ファンド by 山本ペロさん
最後に紹介するのは、子どもが絵を描くことによって心を解放し、自らの問題を解決する手伝いをしている「キッズ・アース・ファンド(子供地球基金)」というNPO法人です。この活動は日本からはじまり、いまや世界各国の、多くは戦争などが原因の貧困に苦しむ子どもたちを助けています。
子どもたちの中には、つらい経験から本当の気持ちを表現できない子もいます。そういった子が画用紙と向き合い、黙々と絵を描いていくことによって、自分の心を解放し、やがて自分の本当の気持ちを言葉にして話しはじめます。
そうして、生きる力や希望を取り戻す手助けをするのが、このキッズ・アース・ファンドでしていることです。(⇒続きは、こちら)
親元を離れて暮らすのはもちろん辛いことです。それでも、子どもたちはたくさんの大人の支えがあって生活しています。今回紹介しきれなかったのですが、これまでにgreenz.jpでは、施設に定期的に書道を教えに来てくれるボランティアの先生や、週に1回レスリングを教えてくれたプロの格闘家も紹介しました。
もし、みなさんに趣味があるなら、子どもたちを巻き込んであげるのもいいかもしれませんね。
(Text / Curator: 高木遥)
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