みなさんの街に新しい公共施設をつくるとしたら、どんな建物をイメージしますか?
2020年開催の「東京オリンピック」のメインスタジアムとなる予定の新国立競技場は、当初想定の建設計画が批判を集め、つい先日、新しい計画を一から考え直すことが決まりました。予算、デザイン、機能性、環境への配慮…建築物で大事にすることはなんだろうと、このニュースをきっかけに改めて考え直した方もいるのでは?
そこで今回は、これまでにgreenz.jpで紹介してきた、多くの人へ開かれた建築物の中から、「これからの建築」を考える、新しい可能性に満ちたアイデアをお届けします。
見落とされがちな場所にこそ注意をはらう。国際的建築家ビャルケ・インゲルスが手がける、足を運びたくなるゴミ処理場「Syndhavns Recycling Center」 by 山川七海さん
殺風景なイメージを持たれがちな施設を、建築デザインの力で人の集まる場所に変えているのは、コペンハーゲンで2016年オープン予定のゴミ処理場。
ジョギングコースや芝生を設置して、地域の人々が集まる場所としてデザインすると共に、リサイクルそのものを学ぶ場としての機能も兼ね備えているのだとか。(⇒続きは、こちら)
コロラドの野生動物を守ろう!人間のためではなく”動物のため”の建築コンペ by 的野裕子さん
誰のため、何のための建築物かということが大切だと気づかせてくれるのはこちら。アメリカのコロラド州のユニークな建築コンペは、なんと人間のためではなく、動物のための建築。
高速道路に分断されてしまった荒野を、野生動物が安全に移動できるようにするために開催された、このコンペ。最終選考に残った5つの案は、どれも現状の課題を踏まえ、自然と人が共生できるようにデザインされているようです。(⇒続きは、こちら)
世界一◯◯◯◯な博物館は、カリフォルニア・アカデミー・オブ・サイエンス! by 熊谷桃子さん
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by tom.demeyer
環境に配慮した建物、といったらここ。カリフォルニアにある「世界一グリーン」な博物館は、そのデザインから建築資材、空調や水の利用、交通アクセスまでグリーンな工夫がいっぱい。
この博物館の屋根は、サンフランシスコ最大の在来植物育成地となり、なんとその大きさは東京ドームの約5分の1ほどもあるのだとか。(⇒続きは、こちら)
バングラデシュ初、ユニークな地産地消で生まれた手作り小学校「METI School」 by 松岡由希子さん
METISCHOOL (Bangladesch) von Anna Heringer und Eike Roswag, Copyright (c) 2010 Kurt Hoerbst, All right reserved.
持続可能な建物とは何か教えくれるのがこちらのバングラデシュにある小学校。NGOと建築家、地元住民や学校関係者、生徒の協力によって建設されました。
地元の天然素材を使用することで環境負荷が軽減できるのはもちろん、建設コストや工期を大幅に効率化することにも成功したそうです。(⇒続きは、こちら)
セーヌ川を飛び跳ねて渡ろう!パリの建築事務所が提案する”トランポリン橋“はいかが? by 川口美咲さん
最後に遊び心いっぱいの建築物をどうぞ。パリの建築事務所が提案するのは、ドーナツ型の巨大なトランポリンが3つつながった夢のような橋!
「たくさんの人が川を渡ることに夢中になってくれるような橋とは?」という問いかけが、歩くのではなく、飛び跳ねながら渡ることができる橋のアイディアを生み出したそう。機能性以上に、橋を通して人々の間にコニュニケーションを生み出すことが期待できるかもしれません。(⇒続きは、こちら)
いかがでしたか? どの建築物もアイディアは斬新なようで、大切にしていることはどれもとてもシンプル。広くたくさんの人に開かれた建物だからこそ、その場所における課題を把握して、何を大事にするのかを決めることが重要なようですね。
2020年に向けて新しくなろうとする東京、そして日本。みなさんはどんな建築物をイメージしますか?
(Text / Curator: 高橋尚子)
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