グリーンズが毎月第二木曜日に開催している、アイデアとアイデアをつなげる飲み会「green drinks Tokyo(以下、gdTokyo)」。
4月のgdTokyoは、 「石巻2.0」の飯田昭雄さん、「KitchHike」の山本雅也さん、「INHEELS」の岡田有加さん、「おうち菜園」の江里祥和さん、「青山Farmer’s Market」の竹田潤平さん、「大地の芸術祭2015」の石川由佳子さんと鞍掛純一さんを迎えて「マイプロCAMP!!!」を開催しました。
「マイプロCAMP!!!」とは、グリーンズ読者と一緒に考えてみたい“問い”をマイプロ実践者の人たちに持ち寄ってもらい、解決のヒントになるアイデアを一緒に飲みながら楽しく語り合おう! というワークショップのイベント。まずは、ゲストが問い(みんなに聞きたいこと)を発表することから始まります。
問いかけと「なぜそれを聞きたいのか」を発表するゲストたち
発表が終わった後は、参加者それぞれが興味ある問いかけのテーブルにわかれて、30〜40分のディスカッションがスタートします。
各ゲストはどんな問いを持ち寄り、みんなでどんなアイデアを出し合ったのでしょうか? ここでちょっとテーブルを覗いてみましょう。
石巻最大のお祭、川開き祭りを盛り上げるには?
東京で会社員をしながら2011年以降、石巻の町おこしをサポートしている飯田昭雄さん。
今年は石巻最大のお祭りである「川開き祭り」に加え、元々石巻で盛り上がっていた「吹き流し」が復活する年。「どうすれば地域外の人にも積極的に参加してもらい、お祭りを盛り上げられるのか?」という問いかけを発表してくれました。
そんな問いに対して、みんなで考えた末に生まれた答えは、「ただ吹き流しをつくるだけでなく、つくる課程で町の人と絡んだり話し合いをすることで石巻のファンをつくる!そして来年は友達や恋人と来てもらおう!」というものでした。
飯田さん曰く、石巻は地元の小学生にプログラミングを教えたり、空き家をシェアオフィスにリノベーションしたり、ITやクリエイティブにおいてある意味最先端な場所になっているそう。お祭りをきっかけに、地方の人が東京に遊びに行くような感覚で、石巻を訪れる人が増えるのも遠くないのかもしれません。
お固いメッセージを、いかにクールにセクシーに伝えるか
エシカルファッションブランド「INHEELS」を始めて3年目になる、岡田有加さん。最近ではゴミをアクセサリーにするなど、“アップサイクル”という概念を取り入れた商品をつくっているそうです。
そんな岡田さんのブランド設立の想いは、「従来のエシカルファッションといえば森ガールっぽい可愛らしいデザインが多かったけれど、INHEELSではクールでセクシーなものを確立したい!」というもの。では、クールでセクシーなエシカルブランドを生み出すには、どうすればいいのでしょう?
そのためのアイデアとして印象的だったのが、「不良が実は捨て猫を拾っていた…」の様なインパクトあるギャップを狙おう! といったユニークなものでした。
具体案として、現在ウェブサイトでは、ブランドのアイコンであるジェニファー目線のブログが更新されているそうですが、ジェニファーを見かけた第三者目線の投稿があっても良いのでは?といったものがあったそう。
「第三者にジェニファーの意外な一面を語らせることで、今までにないギャップを演出できる!」というアイデアは斬新だったと話していました。
まだ知らない「ご近所さん」のごはんを食べに行きたくなるには?
世界の家庭料理を旅しよう!日本発ウェブサービス「KitchHike」開発メンバーに聞いた、キッチンから平和を広げる方法
世界中の食卓で料理をつくる人“COOK(クック)”と、食べる人“HIKER(ハイカー)”、その双方がつながることのできるオンラインのプラットフォーム「KitchHike」を運営する山本雅也さん。
「ご飯を囲めば国籍やバックグラウンドが違っても仲良くなれる!」という自身の経験から、より多くの人に「KitchHike」を使って海外に行かなくても食で海外旅行気分を体験してほしいといいます。
“まだ知らない「ご近所さん」のごはんを食べに行きたくなるには?”というのが、山本さんから参加者への問いかけでした。この問いかけに対して、グループからは3つの印象的なアイデアがアウトプットされたといいます。
「野菜嫌いな子どものためにつくった○○母さんのカレー」
2. キーワードはこども
仕事で忙しい家庭向けに順番でご飯をつくってホームパーティーをする
3. 買い物仲間をつくる
食べに行くだけでなく、買い出しから一緒に行くことでより仲良くなれる
どれも実践的で素敵なものばかりで、山本さんは大きな気付きがあった様子でした。
ハーブを育てる暮らしを楽しむには?
江里祥和さんに聞く「インターン経験の生かし方」
海外の農場を巡った経験から、家庭菜園を身近にしたいと考えてきた江里祥和さん。ハーブは育てやすく、食べる以外にもポプリやお風呂に入れたり多様性があるため、誰でも手軽に楽しく収穫の喜びを体験できるようにと「おうち菜園」を始めました。
そんな中で出会う、「場所がない」「忙しい」「難しそう」といった声。江里さんは「おうち菜園」を通して、家庭菜園に対するハードルを下げたいと話します。そこで参加者に尋ねた問いは、シンプルに「ハーブを育てる暮らしを楽しむには?」というものでした。
「まずはハーブ菜園の知名度をあげることからはじめよう!」と、参加者からアウトプットされたアイデアはこちら。
・ギフトに贈る
・8月2日をハーブの日にする(→実は、既に制定済みでした。)
「いずれも可能性を感じるアイデアばかりでした」と、江里さんも満足していた様子でした。
うまいもん食ってる?
毎週末がフェスのような盛り上がり!ここでしか味わえない美味しさに出会える「青山ファーマーズマーケット」
”うまいもの”の感覚は人によって様々。食を通じて世界と交流する機会のある竹田潤平さんは、「最近世界では、その人が食べているご飯でセンスを問われる風潮がある」と感じるそう。
「”心が震えるぐらいうまいもの”を食べたことがあるか。”うまいもの”とは一体なんなのか?」という竹田さんの根本的な問いに対して、参加者からはこんな回答がありました。
うまいって要は情報なんじゃないか? もしくは状況がつくりだすものじゃないか? つまり、周りの評価やレストランの雰囲気によってうまれる感覚なのでは?
これに対して竹田さんからは、自分で「うまい!」を判断するために必要なことは、「自分の感覚を養うためには、とりあえず何でも食え」というある農家さんの言葉をシェアしてくれました。
「大地の芸術祭2015 奴奈川キャンパス」に人を連れてくるには?
http://www.echigo-tsumari.jp
最後は飛び入りで参加頂いた、「大地の芸術祭2015」を運営している石川さんと鞍掛さん。
「今年の夏、新潟で大きなコンクリートの小学校が新たに廃校となるため、この学校を使った新しいプロジェクトがどの様な内容であれば芸術祭に来てもらえるか?」との問いかけが。
その問いかけに対してグループで話し合った結果、なんと同席したシェアハウス在住の大学生メンバーで田植えツアーをすることが決定したと言います!
他にも、「新潟の特産物であるお米とお酒をつくる課程を、海外の方向けにワークショップをしたり情報発信してみる」というアイデアもあり、こちらも今後発展していきそうな予感がありました。
イベントには、「コズミックキッチン」さんに用意いただいた美味しい飲み物とケータリングが。豆乳のパンを使ったサンドイッチや、ハーブを使用した色鮮やかな料理が素敵でした。
約40名の方に参加いただき、終始和やかな雰囲気の中、最後まで盛り上がった「green drinks Tokyo」。
次回の「green drinks tokyo」は、5/21(木)に「SuMiKa(スミカ)」の佐藤純一さん、「ツクルバ」の中村真広さんをお招きして、会場のみなさんと一緒に「住まい方の現在地」を見つめ、「これからの住まい方」を探っていきたいと思います。
暮らしや建築、DIYやシェア、といったキーワードにピンとくる方はもちろん、どなたでもお気軽にご参加下さい!
(Text: 並木香菜子 / greenz.jp 編集アシスタント)