みなさんは、車の運転中に携帯電話に着信があったらどうしますか?
危ないとは分かっていても、ついつい話をしたりメールを見たりしてしまうという人もいるのではないでしょうか。
携帯電話やスマートフォンが普及するにつれ、世界各国で取り締まりが強化され、さまざまな啓発キャンペーンが行われていますが、自動車運転中の携帯電話使用による事故は後を絶ちません。
法律で取り締まってもダメ、危険性を訴えてもダメ…。この難しい課題に、グアテマラの通信会社「Claro」はとてもチャーミングなアプローチで挑みました。
キャンペーンのメディアとなったのは、なんと3歳から6歳の子どもたち。まず、運転中の携帯利用の危険を訴える「VROOM RING BOOM」という振り付けのついた楽曲を制作。その曲を学校の授業やテレビ番組で使ってもらい、子どもたちに歌ってもらうようにしたのです。
ママやパパとブーブーでお出かけすると、
携帯電話がリンリンリン。
ママが電話に出たら、ぼくらはブーブー。
だってブーブーでリンリンって危ないもん。
運転中、こんな歌を子どもたちに歌われたら、ママもパパもさすがに携帯に出られませんよね。いつもお説教をしている子どもたちの手前もありますし、何より、かわいい声で歌っている子どものためにも、安全運転しなきゃって思うのではないでしょうか。
「VROOM RING BOOM」はまず約300の学校で使われ、約4万人もの子どもたちが歌って踊ることに。そしてさらにカワイイ!ということでSNSで拡散され、やがてグアテマラのすべての公立学校のプログラムとして採用されました。
「ウチの子ったら、クルマに乗るたび歌うのよ!」「学校から帰ったらすぐにあの歌さ!」と、子どもたちは、アニメなどで覚えた歌を何度も繰り返し歌いますよね。
あのノリで子どもたちから運転中の携帯をとがめられるんですから、大人たちはたまったもんじゃありませんよね。でもそれで交通事故が減るんですから、ママもパパもそこはガマンガマン。
どんなお説教や脅しよりも効果があった子どもたちの歌声、もっと世界中で響かせたいですね。
カンヌ2014の連載は、まだまだ続きます。次回も、お楽しみに!
(翻訳アシスタント:スズキコウタ/「greenz global」編集部)