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街のシンボルをいつまでも残しておきたい! ロンドンの学生が始めた、電話ボックスをソーラー充電所に変身させる「Solarbox」

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わたしたち電力」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクトです。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。

みなさんは最近、公衆電話を利用しましたか? もうここ何年も使っていない、最後にいつ使ったかも覚えていないという方が多いかもしれません。

総務省の調べによると、日本における携帯電話やスマートフォンの世帯別所有率は94.5%にものぼるそう。実に多くの人々が、通信機器を持ち歩いている今、公衆電話を使う機会はとても減ってしまったように思います。

その影響は、日本だけではなくロンドンにも。長らく街を象徴するものの一つとして親しまれてきた、赤い電話ボックスが姿を消し始めています。

今回は、そんな「姿を消しつつあるロンドンのシンボルをいつまでも残しておきたい!」という思いで生まれたプロジェクト「Solarbox」をご紹介します。
 
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赤いことで有名な電話ボックスが、緑に染め上げられています!

「Solarbox」を立ち上げたのは、ロンドンの大学に通うHarold Craston(以下、ハロルドさん)とKirsty Kenny(以下、ケースティーさん)。ふたりは使われなくなった電話ボックスを緑にペイントし、中にある公衆電話を撤去する代わりに携帯電話の充電器を設置しました。

さらに充電に必要な電力は、屋根に取りつけた150Wのソーラーパネルですべてまかなっているのです!

このソーラーパネルは、一日におよそ100台のスマホの充電ができるほどのパワーの持ち主。時間帯も幅広く、明け方の5時半から、夜の11時半まで365日利用できるそうです。
 
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屋根に装着されたソーラーパネル

ドアを開けて中を覗いてみると、mini/micro USBやiPhone用の充電器が揃っていて、多くの電話に対応していることが分かります。そして、およそ10分間で20%の充電を増やせるので、バッテリー切れ間近のピンチな場面にも心強いですね。

ここで気になるのが、充電に必要な利用料。なんと「Solarbox」は充電中、スクリーンに表示される広告の掲載費で運営されているため、利用者はタダで使うことができるのです!
 
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充電に必要な端子も揃っているので、「自分の携帯電話に合う端子がなくて使えなかった」ということもなさそうですね!

街のシンボルを残したい

赤い電話ボックスといえば、ロンドンのお土産屋さんでお土産が売られていたり、最近では映画『ハリー・ポッター』シリーズで魔法界のお役人が働く魔法省の入口として登場するなど、ロンドンの街の象徴的存在。

その一方でBBCによると利用者の激減により、ここ10年で全体の3分の1にあたる33.000もの電話ボックスが廃棄されてしまったといいます。
 
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使われていない電話ボックスがたくさんあるロンドン。 Some rights reserved by malias

家のすぐ近くに電話ボックスがあったというハロルドさんは、

毎日電話ボックスの前を通っていたけど、使われている場面をほとんど見たことがありませんでした。

我が家の近くのものと同じように、ロンドンには設置されているけど使われていない電話ボックスが、なんと8000もあるんです!

なんとかして、この電話ボックスを有効活用したいと考えた結果、「Solarbox」のアイデアを思いつきました。

と話します。
 
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Solarboxを発案したハロルドさんとケースティーさん

2人の活躍は多方面から評価されています。2014年前期のロンドンの「London’s Low Carbon Entrepreneur of the Year Award(低炭素アントレプレナーアワード)」において準優勝、所属する大学のアントレプレナーアワードでは優勝に輝きました。

2015年1月現在は、ロンドンきっての繁華街Piccadilly Circusにほど近いTottenham Court Road駅の入口に一台設置されているのみですが、今年4月には5台がロンドン各地で新たに設置される予定で、これからの広まりを期待されています。
 
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アントレプレナーアワードを受賞したときのふたり

スマートフォンやパソコンの普及によって、とても便利なデジタル社会が実現した一方で、失われてしまいつつある名物や文化があるのではないでしょうか。

たとえば「直筆の手紙や年賀状をあまり送らなくなってしまったなあ」という方もいらっしゃるかもしれません。

わたしたちの街のシンボルや、大切に受け継いでいきたい文化。みなさんも、新しい価値を生み出しながら残していく方法を考えてみませんか?
 

[via:BBC, Treehugger, Independent, Gajitz]