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8歳になったグリーンズが、これから向かう先って?重大発表も飛び出した、green drinks Tokyo「鈴木菜央×小野裕之スペシャル対談」[イベントレポート]

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グリーンズが開催する、グッドアイデアと出会う飲み会「green drinks Tokyo」。

グリーンズが8周年をむかえる直前の7月10日に開催されたgreen drinksでは、グリーンズ代表の鈴木菜央(以下、菜央さん)とフクヘンの小野裕之(以下、小野さん)が、ぶっつけ本番で”いまのグリーンズ”を話し合いました。

8歳になったグリーンズは、これからどこへ向かうのでしょうか? 今回は、気になるふたりのトークの内容を中心に、当日の様子をレポートします。

 
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会場はリトルトーキョー2階の和室。

「自転車みたいな活動にしよう」

8周年ということで、まずは今までの振り返りから。小野さんは、自身がグリーンズに入った2009年を振り返り、こう話します。

小野さん 2009年は、「ソーシャルデザイン」という言葉もなければ、今ほど「ソーシャル」って言葉がキーワード化していなくて。僕たちがそういうことを言っても何も通じないときだった。

そんなときにグリーンズのマネタイズ担当として参加した小野さんは、「グリーンズにとって理想の稼ぎ方は何なんだろう?」と日々考えながら活動してきたそうです。そしてグリーンズは、2012年に初めてグリーンズだけの事業で食べていけるように。

小野さんは「2009年から5年かかりましたが、なんとかかんとかいい形に持ってこれました」と話します。
 
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ソーシャルデザイン』『日本をソーシャルデザインする』といった書籍が出たことも、ソーシャルデザインを広める大きな役割を果たしました。

一方2006年にグリーンズを立ち上げた菜央さんは、ラブ&ピースで始まった組織がパワーを得ていく過程で、一度はラブとピースをなくしていった時期もあったと話します。それを見直す大きなきっかけは、2011年に起きた東日本大震災だったそう。

菜央さん 劇的なことがあったがゆえに、「おれたちって何やりたかったんだっけ?」と見つめなおす時間があって。

かつては「馬力のある車で坂登っちまえばいいじゃん」って感じでメディアを運営していたんだけど、「ああ違うんだ、自転車の方がよかったんだ」と気付いたんです。

ものすごくいい自転車ってあるじゃないですか。漕いだ分だけ思いっきり前に進む感じ。すべての無駄がなくて、気持ちのいい自転車みたいな活動にしようって言って。いろいろあったがゆえに今シンプルにやれていると思います。

菜央さんが、編集長に復帰します!

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振り返りが終わったところで、グリーンズからの重大発表!なんと菜央さんが編集長に復帰し、greenz.jpは現編集長の兼松佳宏(以下、YOSHさん)と菜央さんの、ダブル編集長体制になります!

そもそも菜央さんは、greenz.jpの初代編集長。2010年に編集長をYOSHさんにバトンタッチして以降、しばらく裏方の仕事をしていたそうです。「それもいろいろ片付きまして。いよいよエンジン全開、おもしろいことやるぞ!ということで編集長に復帰しました」と復帰宣言。

菜央さん YOSHはそのまま継続して編集長を続けるので、3人のバンドで2人もボーカルがいるみたいな感じなんですけど、それはそれでおもしろいかなと。

YOSHと僕はけっこうタイプが違うので、深みというか幅というか、これからはいろんな意味で多様な記事をつくっていけるかなと思います。

YOSHは繊細な感じかもしれないんだけど、僕は「ムーブメント!」っていうのが好きなんです。アグレッシブな泥臭い感じとか、ガツガツ系の記事が出たら僕の企画かなと思ってもらえれば。

と話す、菜央さん。

具体的には、DIYや持続可能な暮らしをつくるためのライフハック、建築的なネタや田舎でのコミュニティづくりの記事を増やしていきたいとのこと。

また2007年の「グレート・ゴリラ・ラン」の記事を例に出して、バカっぽくておもしろいネタも紹介していきたいと言います。

菜央さん 世の中、何が大事でどんなことが常識でみたいなことを、もっと揺さぶっていかないといけないんじゃないかなと思って。だから、今だったら遠慮しちゃうような記事とかも、どんどん出していきたいなと思っていますね。

ダブル編集長でグリーンズがどのように変わっていくのかが楽しみです!

これからのグリーンズは?

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8周年をむかえたグリーンズは、これからどこへ向かっていくのでしょうか?

小野さんは、「グリーンズの立ち上げで得たノウハウを、グリーンズの外側で活かしていきたい」と話します。

小野さん なにかしらアドバイスするだけじゃなくて、たとえば週に1回ミーティングに参加するなり、時間的なコミットの仕方をしてプロジェクトの立ち上げを手伝いたいなという気持ちはあって。

今はプロジェクトに対して「次取材できることがあったら教えてください」という関係性しか持てていないんですけど、「もうちょっとやったらうまくいくと思うから手伝いますよ」と言えるようにもなりたい。

関わり方のバリエーションが増えるのはいいことだと思っているので、そういうのをやっていきたいですね。

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そして菜央さんは、「グリーンズの哲学を深めて広めていきたい」と話します。

菜央さん グリーンズが考えている「次の時代を生きていくにはこういう考え方が大事だよね」っていう仮説みたいなものを、総合したときに根底にあるものは何なのか、ということを深めてつくっていきたい。

その哲学がみんなにとって生きる指針となって、「生き方や仕事の仕方でグリーンズがくれたヒントが役に立った」という人が増えたらいいなと思います。

また、その哲学を次の世代に伝えていくことも課題だと言います。

菜央さん 20年くらい続けるとたぶん、「グリーンズの周辺で生まれた文化が渦になって社会に形を残したよな」って言われるところまで行ける気がするんですよね。それを見てみたいなと思う。そのために、いい意味で次の世代にバトンを渡すためにがんばりたいなと思いますね。

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イベント終了後は聞き足りなかったところを2人に聞いたり、参加者同士でおしゃべりをしたり。和室ということもあって、みなさん腰を下ろしてゆったりとした時間を過ごしていました。

ダブル編集長になり、8歳のグリーンズはまだまだパワーアップしていきそう。そんなことを感じさせてくれる、菜央さんと小野さんのトークでした。