太陽の恵みで映画上映ができた!
わたしたち電力は、エネルギーをつくったり減らしたりすることで生まれる幸せを考える市民活動です。その入口として、リトルトーキョーでも藤野電力式のみに太陽光発電システムをつくるワークショップを展開しています。
しかし、せっかく太陽の恵みで作った電気ですから、一人で使うのはもったいない、どうにかしてみんなで使えないか、と考えました。そこで思いついたのが、ソーラー上映会です。ソーラーで発電した電気を使って自然エネルギーや環境についての(もちろんそうでなくても構いませんが)映画を上映し、みんなで観よう!というものです。
そして、実際に先日、リトルトーキョーで上映会をやってみました。発電は50Wのソーラーパネルを利用、その電気を20Wh/5Hrのバッテリーに充電します。
今回使ったシステムは、写真のノートパソコンと、モバイルプロジェクターのセット。ノートパソコンで再生し、音声はUSBスピーカーに、映像はモバイルプロジェクターに出力します。プロジェクターは最大消費電力が65Wの「QUMI Q5-BK」を使用したので、計算上は4時間ほど使用できます。
今回使用した上映システム
今回は前半にそのイベントのレポートを、そして後半で、誰でも割と手頃な金額でできる上映会の情報をお届けします。
やってみてわかったのは、みんなで映画を観て、その後に思ったことを言い合うという会自体がすごく楽しいということです。別にソーラーにこだわらなくても、「市民上映会」という形でいろいろな人が集まって映画を見ればいいじゃないか!と思うのです。
映画『オキュパイ・ラブ』上映会
先日行った上映会では、オキュパイ・ウォールストリート・ムーブメントを主な題材にしたドキュメンタリー作品『オキュパイ・ラブ』を10人余りで観ました。
この作品は、2011年9月にウォール街を占拠した人々の行動を記録したもの、参加した人やその運動に賛同する人たちに話を聞いた映像、そのムーブメントの発端となったアラブの春の様子などをあわせ、それを「ラブ・ストーリー」としてまとめあげた作品です。
このムーブメントは1%の富裕層への富の集中に対する批判から起こったもので、つまるところ新自由主義や資本主義とグローバリゼーションの過度の進行に対するアンチテーゼです。そのような題材を描いた映像作品は決して珍しくありませんが、この映画はそれを「LOVE」というテーマでまとめたところが非常に面白かったです。
経済と愛というのは相容れない2つの要素のようではありますが、どちらも私達が生きていく上で欠かせないものです。その2つは本当に異なるダイナミズムで動いているものなのか、「私」という個人を起点に考えたら、それは同じエンジンによって動いているのではないか、そんなことを考えさせられました。
映画『オキュパイ・ラブ』
と言っても、何を言っているのかわからないと思うので(笑)、上映後の皆さんの意見から、そのあたりを解きほぐしていきましょう。
まず、出たのは
日本ではこのようなムーブメントは起きにくい
という意見です。そして、その理由として
ボトムアップの成功体験がないから
デモに行くような人は、変な人だと思われたりする
という意見が出ました。結局それがなぜなのかという結論は出ませんが、ここにも実は「愛」が関わっているのではないかと後から思いました。
その後の意見で
愛というのはギブ&ギブで、手放すことなんだけれど、みんな不安から所有しようとする。そうすると再分配が不完全になる。これは都市の不安でもある
という意見も出ました。これはまさに的を射た意見で、「愛」という原理によって経済が動けば、富は自然に再分配され、集中することはなくなるわけです。
この映画が映し出したオキュパイ・ウォールストリートの現場では、人々はわかちあい、助けあい、支えあっていました。そこには単なるデモを超えたコミュニティの誕生の萌芽が見えたのです。それが可能になったのは彼らの関係が水平であり、平等に与え合うことができたからです。
人数も期間も限られてはいましたが、実際にそのようなコミュニティが誕生し得たこと、それこそがこのムーブメントの成果だったのかもしれません。
このように書いてしまうと結論じみてしまいますが、これは参加者の一人としての私が考えたことに過ぎません。参加した人たちはみんなそれぞれに自分なりの考えを育み、それを持ち帰りました。
最後に「市民上映会」の感想を聞くと、
感想に対してレスポンスが返ってくるというのは貴重な機会だった
こういうのもみんなで観て話し合う機会を実は求めてる
人間らし生き方ってなんだろうって頭のなかで考えている
とても勉強になった。全部つながってる!
というように、会話をする中で考えることに意味というか良さを見い出してもらえたようでした。
予定時間をかなり過ぎ、解散したのは夜の11時となってしまいましたが、本当に充実した時間でした。
市民上映会をやろう!
さあ、ソーラー上映会をやりたくなってきたところで(笑)、上映会にお薦めの映画を紹介します。紹介する作品は、貸出費用が54,000円以下のものに限定しました。30人集めると、一人あたり1,800円になる金額です。
紹介するのは、グリーンズ代表の鈴木菜央、編集長の兼松佳宏、フクヘンの小野裕之から、それぞれのオススメ5本と、今すぐできる格安作品5本です。()内は料金ですが、税別の場合と税込みの場合がありますので、詳細はリンク先でご確認ください。
『LIGHT UP NIPPON』(左上)/『ミツバチの羽音と地球の回転』(右上)/『パワー・トゥ・ザ・ピープル』(左下)/『100,000年後の安全』(右下)
・100,000年後の安全(54,000円)
・ザ・デイ・アフターピース(30,000円)
・みずものがたり(32,400円)
・FOR THE NEXT 7 GENERATIONS(人数×540円)*最低保証料金=16,200円
・ハーフ(32,400円)
・LIGHT UP NIPPON(32,400円)
・シェーナウの想い(送料のみ)*無料上映に限る
・サバイビング・プログレス(54,000円)
・ハーブ&ドロシー(54,000円)
・100,000年後の安全(54,000円)
・シェーナウの想い(送料のみ)*無料上映に限る
・イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(54,000円)
・パワー・トゥ・ザ・ピープル(32,400円)*ソーラー割引=21,600円
・レイチェル・カーソンの感性の森(54,000円)
・ミツバチの羽音と地球の回転(人数×800円)
・スケッチ・オブ・ミャーク(500円×人数)*最低保証料金=10,000円
・FOR THE NEXT 7 GENERATIONS(540円×人数)*最低保証料金=16,400円
・ミツバチの羽音と地球の回転(800円×人数)*被災地での開催は無料
・飯舘村 わたしの記録(20,000円)
・パワー・トゥ・ザ・ピープル(30,000円)*ソーラ上映会の場合20,000円
重なっている作品もありますが、それだけオススメ!ということです。みんなで映画を観て話をするという「市民上映会」の体験をなるべく多くの方にしてもらいたいということで、あらたな企画も企画中です。
どうぞ今後をお楽しみに!