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”ひとりめの学生”として、自分が受けたい授業をつくる。シブヤ大学で「インクルーシブデザイン」の授業ができるまで

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撮影:結城菜摘

こんにちは、シブヤ大学でインターンしている一藤英恵です。
前回は『授業コーディネーターってどんな仕事? ”自分ごと”から始まる「シブヤ大学」のつくり方』という記事で、コーディネーターさんにインタビューをしました。

この12月に、シブヤ大学でインターンとして働いて1年という区切りで、初めて授業をイチから企画しました。

今回は、その企画をした授業の内容、背景、また「授業をコーディネートをする」ということから見たシブヤ大学をお伝えできたらと思います。

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シブヤ大学 第4期インターン 一藤英恵

シブヤ大学の授業は「授業企画を担当するそれぞれのコーディネーターが、”ひとりめの学生”として、自分が受けたい授業をつくる」という考えのもとつくられています。

12月に私が”ひとりめの学生”としてコーディネートした授業は、「インクルーシブワークショップ 〜待ち合わせをデザインする~」です。

「インクルーシブデザイン」とは

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「インクルーシブデザイン」とは、高齢者や障害のある人など、特別なニーズを持っている人をデザインをする過程に組み込むことでデザインの革新(イノベーション)を起こすというデザイン手法です。

例えば、想像してみてください。街で走っている、または自分が所有している車は、高齢者や障害のある人、誰にでも使いやすいものですか?きっとそうではないですよね。でも、その車のデザインプロセスに、目の見えない人が入ったら新しいサービスや製品が生まれる可能性があるのではないでしょうか?

この授業では、
・「待ち合わせ」という普段当たり前にしていることを、初めて会う人たちと考えたらどんなあたらしい発見があるのか?
・グループにいる様々な人たちと対話をし、アイデアを交換することでどんな製品やサービスが生まれるのか?
そんなことを一緒に学んでみたいと思います。

企画した自分でもまだ分からないことなのでワクワクしています。

”先生”をお願いするまで

私は大学2年生の夏に、ゴスペルを歌いにニューヨークに行った時、文化もバックグラウンドも違う人たちと一緒に歌って場を共有する経験をしました。HIVのキャリア施設に行って、死を目前にしている人たちの前で歌って、一緒に感動して涙したことも。そんな、自分とはまったく異なるバックグランドをもつ人たちと、同じ場で想いを共有するということが、すごくいいなぁと感じました。

また、学外のゼミで、自分とは大学も専攻していることも異なる人とグループを組んで、あるプロジェクトに取り組む機会があり、その時も自分と考え方や、育った環境が違う人たちと何かをする中で、衝突もしながら深く対話をしてお互いの仲が深まったり、「イメージだけでしか捉えてなかったものが、本当はイメージとは違う」など今まで気づかなかったようなことに気がついたり、いろんなバックグランドを持つ人たちが集まると、いろんな発見があって楽しい!という実感がありました。

私がニューヨークや学外ゼミで、さまざまな人と場を共有する中で経験した「あたりまえに考えていたことが、実はあたりまえじゃなかった」とか「固定概念に縛られていたけど、誰かの思わぬ一言で見方が変わった」とか、そういうことを体験できる授業をシブヤ大学でできたら面白い!

そんなことを考えていた時にNPO法人Collable(コラブル)代表の山田小百合さんと縁があってお話しする機会がありました。

Collableは、多様なバックグラウンドを持った人たちが「ともに」学べる環境を作りたい、また「ともに」活動するからこそ発見があり創造的なものが生み出せるのではないか、という想いで活動をしていると知り、「ぜひ”先生”をお願いしたい!」とお声掛けさせていただきました。

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Collable「モノで演じる、エンゲキで遊ぶ」ワークショップの様子

コーディネーターそれぞれの「自分ごと」が生きた授業

授業を初めてイチから企画するなかで、やっぱり大変だなー、でも楽しいなと思ったことは、自分がこの授業をやりたい!という想いを言葉で相手に伝わるように説明するということ。

先生をお願いした山田さんはもちろん、今回はグループワークを目の見えない方と一緒に行いたくて、どうしても他の人の協力が必要な時、自分が何を考えて、どうしたいのかを伝えることが大切だいうことに気付くことができました。

仲間内だけの話しなら、丁寧に説明しなくてもなんとなくでも分かってしまうということがありますが、自分が普段いるコミュニティの外の人と何かを一緒にやるというときには、わかりやすく、かつ自分の言葉で説明しないと伝わらない。

やりとりしてくいく中でちょっとした課題にぶつかることがあるのですが、こうしたらベスト!という答えは存在しないから、「自分」がどうしたいか、どうしたら最善なのかということを考えなくてはいけないなということが、難しくもあり楽しいプロセスでした。

本当に自分が”ひとりめの学生”になったときに受けたい!と思える授業だからこそ、自分の言葉で誰かに伝えたい。そんなコーディネーターそれぞれの「自分ごと」が生きた授業が、毎月たくさんある。

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シブヤ大学授業の様子

たくさんの「自分ごと」がひしめくシブヤ大学で学生インターンとして様々な仕事をしてきて、どんな仕事でも「学生だからこのくらいでいい」という妥協は1つもなかったと思います。

改めて1年間を振り返ると、シブヤ大学は、大人も学生もみんなが様々な方法で学んだり、試したりできるところなんだなと実感しています。

この記事を読んでくれている学生の方で、もしまだシブヤ大学に参加したことないよという方、よかったらぜひ授業にいらしてみませんか?私が授業コーディネーターを担当した「インクルーシブワークショップ ~待ち合わせをデザインする~」は、12/21(土)12:30~16:00の開催となります。

また現在、シブヤ大学の第5期インターン生を募集中(12/9(月)午前10時エントリー〆切)ですので、こちらもよかったらぜひぜひ!

 

※その他の12月開催の授業も、現在シブヤ大学ウェブサイト にて抽選申込受付中です。授業の申込には、無料の学生登録が必要になります。詳しくは、シブヤ大学サイト内の学生登録情報をご覧ください。

(Text:一藤英恵)