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コラボレーションは「自分のストーリー」からはじまる。150日間の「ホームレス社長」を達成して、見えてきたものとは [MYPRO LONDON]

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ロンドンでコラボレーション事業を行うHappiness Architect代表のタイチさんが実践する、150日間家を持たない生活をしながらチェンジメーカー500人と友達になる「ホームレス社長」。連載でインタビューをお伝えしてきた本シリーズの最終回です。

150日間のプロジェクトを終えたばかりのタイチさん。今回はラスト50日の様子と、企画を通して生まれたコラボレーションの数々を教えていただきました。さらに、次の”ビッグな目標”も飛び出しました!

結果は329人、でも大満足!

多くのチェンジメーカーに会いたいものの、「良質のコラボレーションを生むためには、ネットワークは量より質と気がついた」というジレンマを抱えていました。結果、どうしたのでしょうか?

この50日間は、会いたいチェンジメーカーと、一度にたくさん会えそうな場所を狙いました。特にシェアオフィス、コワーキングスペースなどです。

この経験を通して、つながりかたにも変化が生まれたと言います。

個人と個人という点と点ではなく、軸を持ったコミュニティとコミュニティでつながることの可能性に気が付きました。「ここに投げたら、何かおもしろいことを返してくれるだろうな」という受け皿になる。そういうコミュニティをつくっていくことが、これからは大切なんじゃないかな、と。Happiness Architectとして、軸を集められる軸になりたいです。

コワーキングスペース「Hub Kings cross」のパーティーにて
コワーキングスペース「Hub Kings cross」のパーティーにて

最終的に、150日間で出会えたチェンジメーカーの数は、目標500人のところ329人。「でも大満足!」と笑い飛ばすのは、身体と頭を使ってやり抜いた「納得」の結果だからのようです。

コラボレーションが次々に誕生!

こうして「量と質」のバランスを突き詰めていった結果、実りの秋にふさわしく、次々とコラボレーションが生まれたそうです。

まずはタイチさんが愛読し、以前”英国版グリーンズ!?”として紹介したこともあるニュースサイト「Urban Times」。こちらで「ホームレス社長」の日々を紹介する連載が決定したそうです。

……と言うと簡単そうに聞こえますが、実はここまで辿り着くまでは、長い道のりだったようです。

実はイギリスに来たばかりのとき、「Urban Times」のインターンに応募しました。サンプルの記事も書いて提出したんですが、英語力が足りなかったのか、記事がマズかったのか、断られちゃったんですよね……。

その一年半後、グリーンズで「マイプロLONDON」での連載をはじめたとき、「Urban Times」を紹介したいと思いインタビューを依頼しました。すると、「あのとき連絡をくれたヤツだよね?」と覚えていてくれたんですよ!それがきっかけで、「Urban Times」でもHappiness Architectとしていくつか記事を書かせてもらいました。

さらに今回、「ロンドンを去る前にもう一度会いたい」と連絡したら、「じゃぁうちに泊まりにきなよ」とまで言ってくれて!家で話していたら、自然と「ホームレス社長」の連載が決まりました。

やるべきことを継続していれば、自ずと扉が開き、会いたかったの人の”心”も開くのかもしれません。

さらには、社会起業家のコラボレーションをつくる「MakeSense」とともに、「MakeSense Tokyo」の立ち上げも確定。グリーンズ読者にもファンが多いという、アメリカ発のソーシャルデザインマガジン「GOOD」のロンドン版「GOOD London」の立ち上げメンバーにもなったそうです。

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「GOOD London」スタートアップイベントの参加者と

ホームレス社長、ワールドツアーへ

タイチさんが500人という数を達成できなかったことを「まったく後悔していない」と笑い飛ばすのは、ネットワークは量より質だと気付いたことに加えて、「すでに次の目標が浮かんだ」からだとか。それはなんと、ワールドツアー。

100日を過ぎたころから、次の目標が見えてきて、考えだしたら止まらなくなりました。それは、ワールドツアーをやることです。

ロンドンは思っていた以上に国際都市で、「ホームレス社長」を通してイギリス・欧州だけでなく、世界のチェンジメーカーとのネットワークができました。出会ったチェンジメーカーたちが、イギリスに固執せずに世界を相手にしている様子にも刺激を受けました。

例えば先日タイチさんが出会った、48時間内にクライアントの問題をフラッシュ解決をする「The Pop-Up Agency」からは、6カ月間のワールドツアーを行った様子を聞いたそうです。

48時間内にクライアントの問題をフラッシュ解決をする「The Pop-Up Agency」
グリーンズでもこちらの記事で紹介した「The Pop-Up Agency」

コラボレーションのはじまりは、「自分のストーリー」から

これからも東京とロンドン、さらには世界のチェンジメーカーのハブとして活躍しそうなタイチさん。これまで応援してくれた読者の皆さんに、メッセージをお願いしました。

ええと、みんなをホームレスにするつもりは全くないんですけど(笑)。

僕はこれまで、取り柄といえば行動力くらいでした。でも、この150日間、僕は行動することで、世界のチェンジメーカーと知り合うチャンスを呼び寄せることができました。ようやく自分らしさを成果にできたかな、と思います。

そして、彼らが僕を受け入れてくれたのは、この企画がこれまで自分が経験したこと、考えたこと、これからやりたいことという、自分のストーリーとつながっていたからだと思います。

タイチさんが主催する、コラボレーションのタネをつくるHappiness Architectのイベントでも、「自分のストーリー」を自分の言葉で語ることがとても大切にされています。

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Happiness Architect主催の朝会「Early Starters Coffee」

「自分は何者なのか」という自分のブランド力は、「できること・やってきたこと」というスキルや経験ではなくて、「やりたいこと・見てみたいもの」という自分自身と結びついたストーリーでも構築できます。

ウソでもいいんです。「自分は何者なのか」を声を出して伝えることで、自分の場ができあがり、人が入り込みやすくなり、より多くのコラボレーションの機会が舞い込んできます。まずは伝えること。そして、人を巻き込みながら、本物になればいいんです。

ソーシャルキャピタル(社会関係資本)で世界の価値をソーシャルに

さらには、ホームレス社長の企画全体を通して、改めて「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」の大切さに気が付いたそうです。

ホームレス社長の企画を通して、今後、ソーシャルキャピタルが新しい価値になり得ると確信しました。助け合い、シェアし合い、共存していく世界。マーケットがソーシャルキャピタルに価値に感じていながらも、まだまだ力を持っていないのが現状です。

より多くの人がソーシャルキャピタルを「イノベーションを生む原動力」として感じ、お金にトレードすることで、世界の価値をソーシャルにすることができると思います。Happiness Architectも、今後積極的に大企業などとコラボすることで、世の中にソーシャルの価値を示していこうと思っています。

そのためにも、2015年よりHappiness Architectとして「世界一周の旅」に出かけます。世界の若いチェンジメーカーたちと出会い、大企業とのコラボを創出して、世界の社会問題を解決する旅です。どうぞ継続的に注目していただけたら幸いです。

11月の一時帰国中には、「帰国報告会&コラボレーションのつくりかたワークショップ」がリトルトーキョーにて開催されます。国籍・国境問わずコラボレーションをつくってみたいという皆さん、ぜひ参加してみてはいかがですか?