greenz.jpの連載「暮らしの変人」をともにつくりませんか→

greenz people ロゴ

48時間でここまでできる!世界中を旅しながら”ポップアップ”で働くチーム「THE POP UP AGENCY」

popup

最近、街中や駅の構内など公共空間を使って、期間限定のショップや催しを見かけるようになりました。

グリーンズでも、ポップアップの図書館や、リビングを一日限りのライヴハウスにするプロジェクトなどを紹介してきましたが、今回はインターン活動に”ポップアップ”的要素を用いた、新たな視点のプロジェクト「The Pop Up Agency」をご紹介します。

「The Pop Up Agency」は、ウェブデザインや広告戦略を学んだ、学生6人で構成されるインターン・チーム。彼らはいま、約4ヶ月間のあいだ、世界中の企業で48時間ずつテーマにインターン活動をする、という旅に出ているのです!

popupagency_lauritz

早速、彼らが手掛けてきた事例を見ていきましょう。

コペンハーゲンのオークション・サイト「Lauritz」は、「新しいデザイン、コンセプトのウェブサイト」を彼らに発注しました。そこで「The Pop Up Agency」は、すでにウェブサイトに取り入れられている機能を用いながら、モバイル環境でも商品を探したり、入札できるアプリを制作しました。

popupagency_case_roccitane

コスメティック・ブランドの「L’OCCITANE(ロクシタン)」では、ブランド価値を高めるためのアイデアを考え、世界中の顧客と「L’OCCITANE」が双方向でコミュニケーションができるウェブサイトを制作しました。

さらに、最近ではシンガポールの広告代理店「BBH」や、東京の「日本コカコーラ」でも活動をしています。彼らは48時間という制限のなかで、コンテンツ制作以外にも、企業側へのワークショップやプレゼンテーションまで完璧にこなしてしまうのです。

popupagency_singapore2

この「The Pop Up Agency」に参加している6人は、「Hyper Island」というスウェーデンの学校で知り合った仲間。「Hyper Island」は、世界中のウェブデザイン界で注目される名門校で、カリキュラムの40%がインターン活動にあてられています。

「一つの会社に15週間所属するよりも、世界を旅しながら、48時間ずつ働くことの方が良いのではないか」と考えた彼らは、期間限定のフルコミットでクリエイティブを提供する「The Pop Up Agency」を発足したのです。

彼らがインターン先の企業に求めるのは、「6人分の現地への移動費」「働く場所と寝る場所」「4日分の食事と飲み物」のみ。企業側も名門校の学生のスキルや知識を比較的安価で取り入れるチャンスになっています。

member
メンバーはスウェーデン人だけでなくスペインやオランダ出身の学生も。

6人がプロジェクトを立ち上げ、インターン先の企業を募集すると、世界中からアプローチが殺到しました。

「BBH」のクリエイティヴ・ディレクターのScott Mccllelandさんは、

初めての試みで実験的だと思っていましたが、彼らがたった48時間で作り上げたものに、本当に感心しました。

と話しています。

一方「日本コカコーラ」で活動した、メンバーのJulia Schierbeckさんは「まさかコカコーラで働けるなんて、数ヶ月前には予想すらしていませんでした!」と嬉しそう。

popupagency_cocacola
「日本コカコーラ」で作業に取り組むジュリアさん

世界各地での観光を楽しみながら、多種多様な企業で経験を積んでいる様子を見ると、「自分もやってみたい!」とウズウズした方も多いのでは。働き方にポップアップをかけ算することは、旅をするように仕事をすること。働き方の選択肢のひとつとして、当たり前になる日がくるかもしれません。


(TEXT: 鈴木康太)
[via SpringWise, The Pop Up Agency, Campaign Brief Asia]