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神聖な衣装を流行にしないで!ネイティブアメリカンのデザイナーによるキャンペーンTシャツ「Don’t Trend on Me」[先住民のチカラ。]

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「先住民」は遠い国の遠い昔の話じゃない。たくましく誇り高く今を生きる先住民にスポットライトを当て、ステレオタイプな先住民像を見直すシリーズ「先住民のチカラ。」 昨日よりもちょっとだけ現代の先住民を身近に感じるためのインターン北條によるマイ企画です。今回は第1弾!

みなさんは「ネイティブアメリカン」と言うと、どんな姿を思い浮かべますか?存在感たっぷりの羽飾り?繊細なビーズのアクセサリー?顔のペイント?どれもこれも目を引く素敵なデザインばかりですよね。

昨年はそんなネィティブアメリカンのデザインの人気に火がつき、様々な洋服のブランドがそのモチーフを自社のデザインに取り入れました。ファッションショーではは頭に大きな鷲の羽飾りをつけてランウェイを颯爽と歩くモデルの姿も。

けれども、ちょっと待って!伝統的なネイティブアメリカンの衣装を一時の流行として消費していいの?そんな疑問をネイティブアメリカンのナバホ族出身のデザイナーJared Yazziさん(以下、ジャレッドさん)は投げかけました。それが彼が手がけた「Don’t Trend on Me(伝統的なネイティブアメリカンの衣装を一時の流行にしないで!)」というキャンペーンTシャツです。

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ジャレッドさんがこのキャンペーンをたちあげたきっかけは、世間でのヘッドドレスの使われ方に違和感をおぼえたことでした。本来、ヘッドドレスは部族の中でもっとも尊敬される男性のみに着用が許される非常に神聖なものです。しかし、TVや雑誌の中でみかけるヘッドドレスはとても丁重とはいえない扱いを受けているように感じられました。

ポップカルチャーは、モデルや女優やアーティストがアクセサリーとしてヘッドドレスを自由に使うことを野放しにしてきました。けれども、ネイティブアメリカンの衣装が間違った使われ方をすることは、ネイティブアメリカンの間違ったステレオタイプを生みだしてしまいます。そのことに対して、我々はいまこそ声をあげるべきなのです。

キャンペーンTシャツは1枚15ドル。ジャレッドさんのブランドOxDxのWebサイト上で買うことができます。

OxDxのWebサイトにはこのほかにも「Native American Discovered Columbus(ネイティブアメリカンがコロンブスを発見した)」や「We’Are Still Here(ネイティブアメリカンは過去の遺産ではない)」など、自らのルーツを訴えるメッセージ性がつよいTシャツやポスターが並びます。

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遠かった先住民文化がファッションを通して身近に感じられることは喜ばしいことですが、せっかく身につけるのであれば、ただのモチーフとして楽しむだけではもったいない!やはり、その意味や先住民の精神性も理解したほうがより一層楽しめますよね。

エスニックファッションに限らず、普段何気なく身につけていたデザインやモチーフも意味を考えてみると、そこには新しい発見があるかもしれません。

(text:北條みくる)

[via:NATIVEMAX.COM