greenz people限定『生きる、を耕す本』が完成!今入会すると「いかしあうデザインカード」もプレゼント!→

greenz people ロゴ

今こそリアルを知ろう!green drinks谷町 meets サービスグラント「で、プロボノって何なん?」[イベントレポート]

green drinks谷町でプロボノについてたっぷり語ってくれた、サービスグラント関西事務局長の岡本さん(左)と「みどりプロボノチーム」の皆さん green drinks谷町でプロボノについてたっぷり語ってくれた、サービスグラント関西事務局長の岡本さん(左)と「みどりプロボノチーム」の皆さん

「プロボノ」という言葉を聞いたことはありますか?

「プロボノ(Pro bono)」とは、経営・マーケティング・財務など、様々な分野のプロフェッショナルが有する知識やスキルを社会貢献に活かすボランティア活動のこと。グリーンズでは、プロボノが本格的に日本に上陸した2009年からこのテーマをたびたび採り上げ、最近では、日本でも「プロボノ」という言葉がずいぶん広まってきました。

しかし、その一方で、現場の様子が十分伝わらないまま、言葉だけが一人歩きしている面も…。“プロフェッショナルによるボランティア活動”とか、“キャリアでの知識やスキルを活かした社会貢献”などと言われると、「なんだか難しそう」「自分にはできない」と、物怖じしてしまう人も少なくないかもしれません。

大阪市で定期開催されているgreen drinks谷町では、マイプロSHOWCASE関西編でもご紹介した「サービスグラント」をゲストに招き、プロボノの現場を知り、考えるイベント「で、プロボノって何なん?」を開催しました。

このイベントを企画した、green drinks谷町の中西祐紀子さんは、その狙いについて、次のように語っています。

「で、プロボノって何なん?」を企画したgreen drinks 谷町の中西祐紀子さん「で、プロボノって何なん?」を企画したgreen drinks 谷町の中西祐紀子さん

私自身、以前からプロボノに興味があったんですけど、いざとなると「自分にできるのかな〜」って不安だったんです。もうちょっと、ホンマのとこが知りたいな、って。

green drinks谷町では、これまでも「多様な働き方」をテーマとするイベントを数多くやってきたので、「実際、どういう人がプロボノしてはるんやろう?」とか、「プロボノやってみて、どうやった?」とか、プロボノをすでに経験した“先輩”たちから直接話を聞いて、みんなと一緒に考えられたらいいなと思って、このイベントを企画しました。

今回、green drinks谷町に招かれたのは、サービスグラントを通じて大阪市鶴見区緑地区の子育て支援事業に対するフィージビリティスタディ(事業化可能性調査)に取り組んだ、通称「みどりプロボノチーム」の3名。

製薬メーカーに勤務する、みわっちさん、自治体職員のいっきーさん、外資系精密機器メーカーの営業担当のかずくんさんは、このプロジェクトで初めて出会い、2013年1月から6月までの6ヶ月間、多忙な日常業務の合間をぬって、緑地区の強みを活かした学童保育サービスのあり方とその実現方法を、地域の人々とともにつくり上げました。

みどりプロボノチームのみわっちさん(左)、いっきーさん(中)、かずくんさん(右) みどりプロボノチームのみわっちさん(左)、いっきーさん(中)、かずくんさん(右)

性別・経歴・職種など、何から何まで、三人三様。しかも、プロジェクト発足時はみな初対面だったメンバーがチームとしてまとまり、6ヶ月という短期間で一定の成果を出すというのは、決してたやすいことではありません。メンバーたちは、自身のプロボノ経験について、こう振り返っています。

「緑地区という地域をハッピーにしよう」という志をお互いの“共通言語”にできたから、価値観や思考、物事の進め方などの違いは、互いに尊重し合えたし、それが結果として、それぞれのいいところを補完し合うことにつながりました。

仕事でグローバル規模のプロモーションなどを担当しているみわっちさんは、プロジェクトマネジメントの経験も豊富。自治体職員のいっきーさんは、法令や行政機関の意思決定プロセスなどに精通しています。また、かずくんさんは、営業担当者として、日々、顧客の課題を洗い出し、解決のための手段やプロセスを考え、実践する役割を担っています。

このように、キャリア経験・知識・スキルの多様なメンバーが、共通のミッションに向かって互いを刺激し合い、限られた時間をやりくりしながら真摯に取り組んだからこそ、地域にも喜ばれ、自身の成長をも感じられる、中身の濃いプロボノ経験となったのでしょう。

では、プロジェクトチームと、プロジェクトを依頼する地域や非営利団体などとの関係は、いったいどのようなものなのでしょうか。

サービスグラント関西事務局長として、これまでに、33のプロジェクト、130人以上のプロボノワーカーと関わってきた岡本さんは、この問いに対して、明快な答えを示しています。

特定非営利活動法人 サービスグラント 関西事務局長の岡本祥公子さん 特定非営利活動法人 サービスグラント 関西事務局長の岡本祥公子さん

依頼元とプロジェクトチームは、“使う・使われる”とか、“教えてあげる・教えてもらう”の関係ではなく、同じミッションに向かって、互いの多様な価値観を認め合い、補完し合う関係だと考えています。つまり、プロボノは、「互いの強みを持ち寄り、よりよい社会づくりに役立てる」という新しい文化を創っていくことでもあるのです。

プロボノ側が依頼元とこのような関係を構築するには、特定のミッションを請け負うという意識ではなく、「そのミッションを抱えている人々に寄り添い、ともに悩み、考えながら、答えを導きだせるか?また、一連のプロセスそのものに挑戦し、楽しむことができるか?」が重要なポイント。その経験の結果として、今後の人生やキャリアに活かすことのできる何かが得られるのが、プロボノなのかもしれません。

日常の仕事以外で、様々な経験がしたい。
キャリアアップに活かしたい。
社会貢献に興味がある…。
動機は何でもOK!

プロボノに興味を持った関西在住の人々は、ぜひ一度、サービスグラントさんの門を叩いてみてはいかがでしょう。
一歩踏み出したその先には、きっと、貴重な経験と仲間が、アナタを待っていますよ。