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必要なのは「はだかの対話」。体験・対話・創造を通じて”本来ありたかった自分”に近づく「Changemakers’ Learning Camp」

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特集「a Piece of Social Innovation」は、日本中の”ソーシャルイノベーションのカケラたち”をご紹介するNPO法人ミラツクとの共同企画です。

長い人生の中で考えれば「学生時代」は短いものかもしれません。しかし、これからの働き方を考え、人生の目標を定める期間として、とても貴重な時間でもあります。

「自分がやりたいことは何なのか?」その問いに悩む学生は少なくないと思います。答えを出すのは容易なことではありませんが、しっかりと耳を傾ける機会をつくることで、聞こえてくるものがあるかもしれません。

今回ご紹介するのは、参加者同士の対話や体験型ワークショップを通じて「自分のあるべき姿」に気づくきかっけを与えてくれるスタディキャンプChangemakers’ Learning Camp(以下、CLC)です。

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CLCは、慶應義塾大学4年生の世羅由美さんと下向依梨さんが立ち上げたプロジェクトです。世羅さんはある学生団体の代表を務め、200人の学生を沖縄に集めるワークショップを実施した経験も。一方、下向さんは大学のゼミで、社会起業家のマインドセットをつくるためのプログラムの研究を進めていました。

その二人がとあるイベントを通じて出会い、意気投合。それぞれの経験を活かし、『身近な課題に気づき、「じぶんから」愛情を持って解決に取り組める”チェンジメーカー”を輩出する合宿型のスタディプログラム』をつくることを目指して、CLCを立ち上げました。

「体験」「対話」「創造」という3つの軸

CLCのプログラムには、「体験」「対話」「創造」の3つの軸があります。最初は、体を動かすアクティビティやロールモデルに触れる想いを聞く「体験」を通じて、チェンジメイキングに必要な要素を感じとります。次に、参加者同士の「対話」によって、自分が何を学んだのかを言語化し、考えに落とし込みます。最後に、学んだことを活かしながら課題解決ワークショップなどを通じて「創造」し、新たな気づきや学びを生み出します。この3つのサイクルによって、参加者が学びを体得していくのです。

2013年2月に実施された第一回CLCの様子。真ん中の女性が世羅さん。
2013年2月に実施された第一回CLCの様子。真ん中の女性が世羅さん。

第一回目は2012年2月。15名の参加者とともに山梨県・清里高原の大自然の中で実施しました。知恵やコミュニケーションを使って、物々交換で1枚の白紙の価値を高めていく「わらしべ長者」プログラム。現地の農家さんを尋ねた農業体験プログラム。障がい者の就労支援を行う株式会社ウイングルの社員をゲストに招いての課題解決ワークショップ。

これらのプログラムを通じて、参加者は「自分にとって大切なことはなにか?」について向きあい、マインドセットを変えていきました。

今年のキャンプの舞台は福島県

今年8月に行われた第2回のCLCの舞台は、福島のいわき市と郡山市。今回、福島で開催した想いを世羅さんはこう語ります。

震災以降、福島県の抱えるたくさんの課題に対し、多くの現地の方が立ち上がりました。まさに闘い真っ最中の”チェンジメーカーの街”で、彼らから学びを得たいと思いました。また、まだまだたくさんの課題を残す福島県に、将来のチェンジメーカー、つまり若い世代の地元住民を育むべく、関東の学生だけでなく地元の学生と共に学び合うキャンプにしました。

クラウドファンディングサービスのReadyfor?でプロジェクト資金30万円を調達するなど準備を進め、首都圏・福島県の学生33名で5泊6日のキャンプを実施。高校生も参加するなど、前回以上に多様性のある内容となりました。

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地元の農家で農業体験

今回のキャンプもコンテンツは盛りだくさん!

地元いわきを盛り上げている復興飲食店街「夜明け市場」立ち上げ人へのインタビュー。地元を離れたお母さんたちと仕出しのお弁当をつくるながらコミュニティの再生を目指す「かーちゃんの力プロジェクト」のお手伝い。福島の子どもたちのための移動保育プロジェクトNPO「Pokcare」の代表を交えての課題解決ワークショップなど、さまざまなプログラムが用意されたなかで、一番のハイライトは福島のご家庭での民泊だったそうです。

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福島のご家庭での民泊の様子

福島のお父さんお母さんが愛情を注いでくださったおかげで、わたしたちも「はだかの対話」ができるようになり、参加者全体がひとつのコミュニティになっていくようでした。この民泊での経験を通じて、参加者同士が自分の想いをより一層相手に伝えることができるようになったと思います。

世羅さんが最も嬉しいと感じるのは、キャンプ終了後に参加者から「本来ありたかった自分に気づくことができた」と言ってもらえることだそう。「本当は正直な人間でありたかったのだけど、そうなれていなかった」「自分のやりたいことは分かっているのに、やりきれていなかった」ひとりひとりが課題に思っていたことに対して、腹落ちする答えを持って帰る。CLCは「じぶんから」愛情を持ってアクションを起こせるチェンジメーカーになるには、まずは「じぶんを知る」ことが何よりも大きな一歩目だと考えています。

今回のキャンプでも、参加者にその一歩を踏み出してもらえたことが大きな成果となりました。CLCを通じて生まれた福島と首都園の学生33名の化学反応は、これからの彼らのアクションによってカタチになっていくでしょう。

みなさんは「ありたい自分」に近づく「一歩目」を踏み出せていますか?CLCのように、友人や家族、先輩との対話が何かのきかっけを与えてくれるかもしれませんね。