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思いを形にするためのステップを学ぶ!「クラウドファンディングを始める二日間」ワークショップ

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特集「a Piece of Social Innovation」は、日本中の”ソーシャルイノベーションのカケラたち”をご紹介するNPO法人ミラツクとの共同企画です。

新しいプロジェクトを始めたい!アイデアを形にしたい!でも、お金がない…。

これまでは諦めるしかなかったこの悩みの種は、クラウドファンディングの登場によって解決できるようになりました。

しかし、「クラウドファンディングなんて自分にはできない」と思っている人や、「そもそもクラウドファンドって何?」という方も多いのではないでしょうか。そこで今日は6月に仙台で開かれた「Design for Social Innovation – クラウドファンディングを始める二日間」というワークショップをご紹介します。

応援する仕組みをつくりたい

このワークショップを主催するのは、NPOミラツクの西村勇哉さん。

ソーシャルビジネスやマイプロジェクトを応援するためにクラウドファンディングのような仕組みがほしかったし、実際に自分たちで作ろうともしていた。それが2010年の秋くらいのことでした。

と西村さんは話します。

「誰かが始めたプロジェクトに対して、WEBサイト上でただ紹介するようなものではなく、もっと具体的に応援できる仕組みをつくりたいと思っていました。その当時はまだクラウドファンディングがなかったのですが、その後「READYFOR?」のことを知って、「これは素晴らしい」と。

そして縁がつながり、2012年の秋から READYFOR?の米良さんと一緒に、クラウドファンディングを始めるためのワークショップを共同開発し、トライアルの実施など試行錯誤を重ね、やっと今年6月に京都で大きくスタートすることができました。

今回は宮城県のほか、福島や東京からも25人が参加。最初に一人ずつ自己紹介をしたところで、さっそくスタート!

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参加者のなかには、赤ちゃん連れの方も。

1.紙版クラウドファンドを体験!

参加者はファンディング初心者なので、まずは疑似体験から。

3枚の紙に、①プロジェクトの内容、②プロジェクトの背景とストーリー、③このプロジェクトによって誰にどんないいことが起きるのか、④支援してくれた人へのお返し、の4点を書き、自分の好きなところに貼っていきます。

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全員が張り終えたら、他の参加者のプロジェクトを見てまわります。応援したい!と思ったプロジェクトには、ポストイットに支援したい金額を書いて貼っていきます。

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支援は仮想通貨「MIRA(ミラ)」を使います。

時間がきたところで、仮想通貨「MIRA」をたくさん集めたベスト5が発表されました。

気仙沼で観光ツアーを実施するためのリーフレット作成や、お寺で対話をする「寺フェス」など様々なプロジェクトが並ぶなか、第1位は、宮城県内の若手生産者が講師となり、生産の現場で農業体験や命の食べ方を学ぶ市民大学「こせがれ大学」でした!

今回「MIRA」が集まったプロジェクトには共通点があります。それは、自らプロジェクトを実行しようとしている想いが明らかなことと、プロジェクトの内容が具体的であること。

また、普段だと自分のプロジェクトについて相手に合わせた説明をすることができるけれど、実際のクラウドファンディングではネットに公開したらそれ以上のことは説明できません。つまり、そこに書かれた文章だけで分かるように伝えなければいけないのです。

と西村さんはこのアクティブの意図を種明かししてくれました。

参加者からも、「頭の中で考えていたことを、共感してもらえるように文章にするのは難しかった」「分かりやすさが重要だと、支援する側になって気づいた」といった感想が。プロジェクトを出す側だけでなく、お金を出す支援側の立場にもなることで、さらに客観的に自分のプロジェクトを見ることができたようです。

2.自分のストーリーを掘り起こす。

次はさらに自分を客観視するべく、3人グループになって、話す人・聞く人・メモする人に役割分担し、なぜこのプロジェクトをやるのか?という背景について、一人ずつ丁寧に掘り起こしていきます。

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3.興味を持ったプロジェクトからヒントを得る。

昼食後の、午後の部もグループワークから。

実際にREADYFOR?に掲載されているプロジェクトの中から気になったものを選び、その理由をシェアします。「写真に目がいってしまい、写真も大事だと実感しました」「対価もそれぞれ異なり、色々と工夫できそうだと思いました」など、他のプロジェクトを事例として見ることでヒントをつかむことができた様子。

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4.西村流・クラウドファンドの成功術!

一日目の最後は、今年ミラツクが挑戦した実例も加えながら、西村さんからクラウドファンドの概要や仕組みについて解説してもらいました。

ミラツクがREADYFOR?に掲載したのは今年3月。60日間で230万円集めました。

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この金額も期間も自分で決めることができます。READYFOR?の場合は90日まで設定できますが、「単純に長く支援を募るより、45-60日程度で集中してやった方がいい」」と西村さん。

スケジュールは、1月から準備をはじめ、2月に登録、その後READYFOR?の担当者と相談を繰り返し、文章をブラッシュアップして、3月に掲載をスタート。人にもよりますが、登録から掲載までにだいたい一ヶ月ほどかかるようです。

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そして解説のなかで、開始後の大切なポイントを2つ教えてくれました。

一つは周囲とのコミュニケーションです。すでに支援してくれた人にも「プロジェクト終了まであと◯日で、◯◯円達成しました」とこまめに伝えること。僕もサポーター側だったときにそういった連絡をもらって、すごく嬉しかったし、一緒に走っているような気持ちになりました。

逆にプロジェクトが達成したなかった事例で共通するのは、あまり発信しなかったこと。言い換えると、あきらめてしまった場合。

残り3日で130万円必要!という場合でも達成したこともあるし、READYFOR?では実際にそういったことはたくさん起こっています。それに、当事者があきらめてしまったらサポーターとしてはガッカリですよね。絶対にやるんだ!という熱い思いと、最後まであきらめないことは大切です。

それにもし失敗したとしても、何度でも再挑戦できます。手数料をとられることもありません。

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西村さんの話を聞いて「クラウドファンドがやっと分かってきた」と言う人もちらほら。また「自分の思いを言葉にすることは難しいし、Readyforでは知らない人たちに伝えなくてはいけないと思うと、さらに難易度が上がりました」という声も。

最後に一人ずつ感想をシェアして、あっという間に一日目が終了!

5.半年の間に、具体的に何をするのか?

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二日目はこれから半年間でどのようにプロジェクトを進めていくのか、いつ?誰に?どのくらい?など、具体的に詰めていく作業から始まりました。

ここはどうなの?と突っ込まれると「あ、考えていなかった…」という気づきや、自分は知っているけど伝わっていないことが見えてきます。

6.相談タイム!

その後は3人組になり、プロジェクトの概要・背景・どんなことが起きるか・短期間で行なうことの4つを発表し、その中でも特に相談したいことについて話し合います。客観的に見てもらうことで、自分では気づかなかったプロジェクトの魅力や、足りていない部分が浮かび上がってきます。

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7.なぜ今、クラウドファンドに挑戦するのか?

最後のワークショップは、READYFOR?の文章の導入部分にあたる、なぜ今回このタイミングでクラウドファンドに挑戦するのかを考えます。これまでやってきたけどうまくいかなかったことや、新しく始めることなど今の状況を説明できると、「だから今クラウドファンドをやっているんだね」と、より共感してもらえるのだそう。

文章がかたまったらグループに分かれて、それぞれの案を見ながらアドバイスをし合います。「もっと分かりやすくした方がいい」「この文章は最初に持ってきた方がいい」など、みんな真剣に意見を出していました。

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こうして、二日に及ぶワークショップが終了。

参加者からは
「みんなと語り合うことが楽しかったし、みんなの問題意識を聞いて刺激を受けた」
「自分の考えを引き出してもらい、再確認できた」
「みんなやる気が増して、表情が変わった」
「想像もしてなかった意見をもらえて、自分だけで考えているだけではダメだなと思った」など、生き生きとした感想がたくさん出ました。

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ミラツクが主催する「Design for Social Innovationークラウドファンディングを始める2日間ー」は、8月にも京都と仙台で開かれます。

共感してもらえるように伝える力や、客観的に見てもらうことで新たな発見に気づける二日間。新しいプロジェクトを始めたい人は、ぜひ参加してみてください。やりたいことに一歩近づけるヒントがたくさん見つかるはずです。