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ご近所さんと映画をつくろう!台本から撮影まですべて自分たちで手作りする「ON MY BLOCK FILMS」

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普段、ご近所さんとはどのようなコミュニケーションをしていますか?顔見知りでも軽い会釈ぐらいで、会話に誘ってみたり、地域の取り組みに一緒に参加するまでは、なかなか勇気がいるかもしれません。

greenz.jpではこれまでも「Neighbor Day」など、近所付き合いを提案する取り組みを紹介してきましたが、今回はさらに一歩踏み込んだ、ご近所さんとの共同作業を提案するプロジェクトです。

「On My Block Films」は、ニューヨークで始まった、近くの住人と映像づくりをおこなうプロジェクト。参加者は4人以上のグループを組み、最長5分の映像を制作します。ルールはシンプルで、住んでいる地域内で撮影をすること。地域外に住むメンバーは2人まで参加させることができます。参加者はシナリオ、撮影、音楽といった要の部分も、全て自分たちだけで取り組まなければなりません。

映像づくりは難しそうだしハードルが高く感じますよね?でも、その心配は無用です。経験は問われませんし、スマートフォンのカメラで撮影してもOKなので、仲間たちと助け合いながら気軽に参加できます。

さっそく実際の作品を見てみましょう。

Andrew Thomas(以下、アンドリューさん)とQuentin Jean(以下、クエンティンさん)は、約10年間も同じブルックリン地区に住んでいながら、一度も話した事がありませんでした。しかし、アンドリューさんが偶然、クエンティンさんの自転車パフォーマンスを見掛けたことがきっかけになり、2人は一緒に作品づくりをすることになりました。

アイデアを出し合っているうちに、2人は音楽の話で意気投合。やがて完成されたこの作品『Bike & Beats』は、クエンティンさんの自転車パフォーマンスに、オリジナルの音楽が絡み合う作品になりました。作品づくりを通して、2人の距離は縮まり、親友になっただけでなく、次の作品への計画も始めているそうです。

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この企画は、「近所に誰が住んでいるのか分からない、という状況を変えたい」という思いから、Mary Crosse(以下、メアリーさん)とRyan Theisen(以下、ライアンさん)が、2012年に始めました。プロジェクトが始まると、2人はテレビ出演を果たしたり、2012年には主催した優秀作を上映するイベントは満員の客で埋め尽くされるなど、大きな反響を呼びました。

メアリーさんは、

近所に住む人々を知り始めると、色々なことが変わるはず。例えば、犯罪件数も、減らせるかもしれない。ご近所さんを知ることや、自分が住んでいる場所と結びついていくことは、街にとっても、いいことなんです。

と語ります。

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Mary Crosse メアリーさん

実際にライアンさん自身も『Free Camera』を制作したことで、近所付き合いが劇的に変わったそうです。そして制作の様子を見かけた近くの地域に住む人々も「私たちも挑戦してみよう!」と、参加し始めています。


ライアンさんらが制作した『Free Camera』

残念ながら「On My Block Films」は、現在ニューヨーク地区の作品しか募集していませんが、日本でも、自分の住む町への愛着が増す取り組みとして、展開できるかもしれません。もし、ご近所さんと共同制作をする機会があったら、どのような映像をつくりたいですか?

(Text: 鈴木康太)
[via GOOD, observer, thirteen]