先月、ついに東北大震災から2年がたちました。まだまだ復興は十分とはいえず、仮設住宅で、一部屋四畳半ほどの空間に暮らしている方々がたくさんいらっしゃいます。家族5人で一部屋を使っている方もいるそうです。
何か自分にできることはないだろうか、そう思っている人も多いのではないでしょうか。ラグジュアリーアクセサリーや小物を扱うブランド「RARA Plus」の荒畑良さんもその一人でした。
「以前から、仕事でスポーツに深く関わってきているので、スポーツを通してできる復興支援がしたいと思っていた」と話す荒畑さんが今、RARA Plusで取り扱っているのは、「絆」がコンセプトのミサンガです。
「切れない」ミサンガ
もともとはブラジルのサッカー選手が勝利の祈願をかけて編んだといわれるミサンガ。「ミサンガが切れると、願いが叶う」と言われて世界中に広まりました。
しかし、この復興ミサンガの素材は100%漁網の補修糸を使用。漁業を修復する、新たな生活を再出発する。そんな復興への願いと思いが込め、「切れない」ことに価値を置いています。つまりマイナスな状況から生み出した絆や結束力、新たに出逢えた支援の輪を大切にしてゆく…それは強い絆を表現しています。
フットボーラーにとって抵抗なく付けられる身近な存在のミサンガを通じて、スポーツ界からも復興の願いを発信します。
石巻復興ミサンガとの出会い
荒畑さんがこのミサンガと出会ったのは、経営するサッカーユニフォームやサッカー用品のリサイクルショップの店頭に立っていたある日のことでした。営業に来たという方からミサンガを見せてもらったところ、デザイン性に優れ、丈夫そうなところに一目惚れ。さらにミサンガの詳しい由来を聞いて完全に恋に落ちたそう。次の日には仙台に足を運び、話を聞いてRARA Plusで買い取ることを決めた、と荒畑さんは言います。
石巻市雄勝町名振で津波の被害にあったおばあちゃんが震災後、意気消沈して海辺を歩いていました。津波の爪あとが強く残る海辺を見ていると、漁網が落ちているのを見つけ、何気なく拾って帰ったそうです。
もともと編むことが得意だったおばあちゃんがその漁網でミサンガを編んでみると、同じ仮設住宅に住むお母さん達も興味を持って集会所に集まるようになり、一緒に編み出したんです。
雄勝町の海辺
おばあちゃんたちは熟年のスキルで、ものの1時間ほどで1本を編んでしまうそう。雄勝町の海辺に落ちている漁網を拾って、綺麗に洗浄後、最初は編んでいたそうですが、今では20種類もの糸を染めて編むようになったといいます。
サッカー選手も応援!
スポーツを通じて支援がしたいと考えていた荒畑さんは、サッカー選手のみなさんにもこのミサンガを紹介。今では、そうそうたるメンバーの選手が付けています。
左:小野伸二選手(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)右:岩下敬輔選手(ガンバ大阪所属)
現在、より多くのスポーツ選手にこのミサンガを広めるため、スポーツ専門のクラウドファンディングサイト「Sportie Fund」で支援を募集中です。支援いただけるのは、サッカーを好きな人に限りません! 選手たちといっしょに、支援をこれからも続けていきたいと思う方はぜひチェックしてみてください。