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オーガニックコスメのふるさとってどんなところ? ワイルドクラフトコスメ「QUON」のふるさと「健一自然農園」に行ってきました!

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オーガニックコスメと聞いて、みなさんはどんなことを想像しますか?多くの人は、肌に優しいとか、環境に優しい、あるいは香りがよい、使い心地が気持ちいいといったイメージをお持ちではないかと思います。

オーガニックコスメの定義は、有機無農薬栽培で育てられた植物からできている化粧品のこと。でも、原料となる植物や農家さんについては、野菜ほど知られていないのが現状ではないでしょうか。

どんな畑で育てられているのか。生産者の方はどんな苦労をしながら、何に誇りをもって育てているのか。それを確かめるには、実際に会いに行くしかない!そこでオーガニックコスメのふるさとを訪ねてみました。その様子をレポートします。

自然栽培のお茶農家、健一自然農園

今回会いに行ったのは、以前greenz.jpの記事で取り上げたワイルドクラフトコスメ「QUON」のふるさと、健一自然農園(奈良県)です。

健一自然農園は、奈良県奈良市で伊川健一さん(30)が12年前に始めた自然栽培の茶農家。QUONの材料として、茶葉、茶花、茶実を提供しています。

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こちらはお茶の花。茶花は、慣行栽培(農薬・肥料を使用する一般的な栽培方法)の茶畑には咲かないことが多いそう。自然栽培だからこそ、花の恵みも有効に使って化粧品に使うことができます。

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茶の葉は、摘んでそのままたべても芳醇な茶の香りがします。畑で摘んで、そのままぱくっと食べちゃえるのも無農薬ならではの醍醐味。

日本の学校教育では自分の夢は見つからなかった

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代表の伊川さんは、高校を卒業してすぐに、耕作放棄地となっていた茶畑を借りて、18歳で” 自然栽培”(無農薬・無肥料)の専業農家としてスタートを切ったそうです。

高校に入学した時点ですぐに、今の日本の学校教育では自分の夢ややりたいことは見つからないと悟りました。学校って、生徒一人ひとりが夢を見つけられるように応援してくれる場所だと思ってたのに、大学進学のことしか教えてくれへんから、もうやめようと思って。

あと一歩で高校退学というところまで気持ちが固まっていたところで、出会ったのが無農薬・無肥料の自然農法について教えてくれる農業塾でした。

これだと思いました。自分のやりたいことがついに見つかった、と。自然農法で農業を営むことで、地球環境と共生し、ムラの有機的な人のつながりや田舎に潜む知恵や文化を守っていくことができる。これが自分の理想の社会を作るための第一歩だし、これで生きて行くんだという覚悟ができました。

親の説得にあって高校だけは卒業し、晴れてお茶農家になった伊川さん。農園が12年目を迎える現在では、伊川さんの想いや哲学に理解・賛同して集まってくる仲間が増えました。

常勤の社員やスタッフ、週に数回お手伝いに来てくれるご友人、WWOOFer(*)などを合わせると、総勢20名ほどの人々が共に畑仕事をし、お茶に加工する作業や化粧品原料として出荷する作業も行っています。また、そのうちの数人は古民家で共同生活をしており、自家菜園からとれた野菜やお米でつくったごはんを共にしています。

(*)WWOOFer…労働力を提供する代わりに食事と宿泊の面倒を見てもらえるというオーガニック農家に滞在する仕組み(WWOOF)を活用して滞在する人のこと。

茶畑だけでなく、間伐して里山を育てる

最近の健一農園の活動はお茶の栽培だけにとどまらず、山で野生の鹿や猪を捕まえて解体し、肉を販売したり、里山を育てるために間伐を行い、伐採した木を炭に加工し、茶葉の生産時に使ったりと多岐に渡ってきています。

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日本の山って、ほとんど作られた山だって知ってる?戦後に材木を育てようとしてスギやヒノキばっかり植えて、自然のバランスを崩してしまった。そのあと中国産の安い材木が輸入されるようになって、日本の山は手入れされないまま放置され、山が育たずひょろひょろの木ばかりになってしまった。

だから僕たちは、木こりになって間伐して、山を育てることもしてるんだ。ただ間引きするだけじゃなくて、炭として使わせてもらう。自然からいただける恵みをフル活用しながら、自然と共生していく方法を模索しているんだ。

こう語ってくれたのは、週に数回お手伝いに来ているご近所の自然栽培農家のたけしさん。代表の伊川さんだけでなく、スタッフの方々やお手伝いに来ているご友人までも、同じ思想を持ってその想いを熱く語ってくれる。それが健一自然農園の魅力の一つです。

この茶葉は人様の口に入るものなんや。ひとのいのちを育むものなんやで。だから、生半可な気持ちで扱ったらあかんねん。俺らは人様の生命を育んでるんやっていう、そういう誇りをもって仕事をしてるんや。

こんな農家に育てられている植物や、その恩恵をうけている私たちって、なんて幸せなんでしょう!

人が人らしく生きられるコミュニティを創りたい

伊川さんの今後の展望は?

日本社会は、かつて(江戸末期)は素晴らしい社会だった。相互扶助の精神で助けあって暮らしていた。そういう社会を復活させられないかな、と思って。例えば、この農園に子どもたちと、おじいちゃんおばあちゃんを集めて交流しながら農業体験してもらったりとか、おじいちゃんたちの知恵を子どもたちに伝えてもらうイベントを作ったりしていきたいですね。この農園をプラットフォームにして、大切なことを次の世代に伝えていける、温かいコミュニティをつくっていきたいです。

ワイルドクラフトコスメ「QUON」の背景には、こんな素敵な農家がいました。
生産者が、こんなふうに誇りをもってお茶や化粧品の原料を育てているとわかると、化粧品に対する愛着もよりいっそう深まる気がしますね!