世界中を旅して集めたアンティークやヴィンテージアイテムをカスタマイズし、幻想的かつ前衛的なコレクションを展開し続ける英国ブランド「Reem」。イラク生まれ、ロンドン育ちのデザイナーのReem Alasadi(リーム・アラサディ)さんは、毎年この季節、ラフォーレ原宿の前に、ロンドンのアンティークマーケットのストール(露店)をそのまま再現したショップを開き、服や靴、バッグ、ジュエリーを販売していますが、今年は特別。
彼女の強い思いがあり、エシカルジュエリーブランド「HASUNA」とコラボしたジュエリーを販売。東日本大震災支援を目的に、売上を国際協力NGO ジョイセフに寄付します。今回は、2つのブランドがコラボに至った裏をご紹介します。
リームは、世界最大のアンティークマーケット・ポートベローマーケットで、「女王」と呼ばれる人。多くのクリエイターやセレブからも絶大な支持を誇る彼女のストールには、ステラ・マッカートニーや、ポール・スミスといった有名デザイナーも訪れます。あのマドンナも、UKコンサートの衣装としてリームを着用したことがあるそう。
選りすぐられた素材、熟練の技術、そして純粋なクリエイティビティから編み出されるコレクションは、決して他にはない独自の世界観にあふれています。
こちらのビデオでは、ポートベローで使用するヴィンテージを探す様子などが紹介されています。ポートベローのことを「ここは多種多様な文化があふれるところ。私たちの住む世界そのものだわ。本当に美しい」と、リームは話します。
長年ヴィンテージを扱ってきた彼女が選ぶモノはどれも貴重なアンティークばかり。やはり、汚れや傷みもありますが、布についたシミのことも「見る人が見たらただのシミかもしれないけれど、もしかしたらすごくすてきなプリントになるかもしれないわ」と話します。大量の生地に埋もれかけていた中から本当にいいものを見つけ出し、自分の目から新たな光を当てる。そこに無限の可能性が広がっているのだと、リームのクリエーションを見ていると感じます。
今回はHASUNAのリユース素材を用いて、自由な発想でジュエリーを作りますが、使用されるHASUNAの素材は主に、ウィルクス、牛の角、ブラックコーラル。
ルワンダの牛の角は食用牛の副産物で、そのままでは破棄されてしまいます。それを、ストリート・チルドレンだった子どもたちが訓練を受け、再加工し、美しいジュエリーパーツに仕上げています。
ベリーズ産のウィルクス、コンク貝も、食用貝のリユース。中身を食べた後の殻はそのままでは破棄されてしまいます。同じくベリーズの黒サンゴは、自然遷移で浜辺に打ち上げられたもの。乱獲をすることなく、自然が与える素材を存分に活かしてビーズに仕上げています。
生活の中に当たり前にあるからこそ見えていなかった価値を、HASUNAが新たな光を当てたということ。そして、ジュエリーという新たな可能性を素材にもたらしているのです。
「どんな端切れも捨てない!」とモノを大切にするリームが、HASUNAの素材に共感し、今回のコラボに至ったのも納得です。
未来への可能性という希望の思いを届けたい、ということから今回の売上は国際協力NGO ジョイセフへ寄付されるそうで、
東北の母親のみなさん一人ひとりが、未来の東北を担う子どもたちを生み育てる、可能性を生み出す方々。その東北の母親のみなさんに、心からのエールを届けたい。
という思いがこめられています。
1年半が過ぎ、今も原発のニュースは世間を賑わせていますが、震災そのものに対する記憶がじわじわと「去年のもの」になってしまっていませんか? その記憶にも、一人ひとりが今、もう一度光を当ててみると、また新たな気づきがあるかもしれません。
どんなジュエリーが登場するかは、実はその場までシークレットなのですが、ちょっとだけ特別にご紹介します。
「チャリティだからではなく、ジュエリーとして気に入って買ってもらいたい」と、中心価格帯は10,000~30,000円と通常のプライスポイントへのセッティング。本当に気に入ったものをずっと使うことで、思い出す場も増えますし、それこそエシカル!これは期待大です。12月9日までの販売です。ぜひ、ラフォーレ原宿前のストールまで行ってみてください!
期間 : 11月8日(月)~12月12日(日)
場所 : ラフォーレ原宿エントランス
コラボレーションした「HASUNA」とは