最近、ピクニックへ行ったのはいつですか?美味しいごはんを持ってみんなでお喋り。お天気にも恵まれれば、こんなに気軽で楽しいレジャーはないですよね。
今、私の周りではどうも「ピクニック」が流行っているような気がしてなりません。大阪での生活を送る中で、様々な主体から「ピクニック」にお誘い頂く機会が増えています。そして、一見手軽なピクニックの先には、ユニークな発想や、新たな繋がりがひそんでいるようです。
ピクニックを通して出会った楽しい取り組みのうち、「水都大阪フェス2012」のプログラムにも登場する二つを紹介します!
移動式カーニバルのような楽しいワゴン「CARNIVAL KITCHEN」
大阪にランドスケープデザイン事務所「株式会社E-DESIGN」があります。E-DESIGNは、ランドスケープデザインはもちろんのこと、“プログラム”と“デザイン”の新しいバランスを求めた空間づくりの視点を盛り込んだプロジェクトが得意な会社です。また「OSOTO web」というWEBマガジンを企画・編集・運営されており、“おそと空間”の使いこなしや楽しみ方に注目した話題提供を行っています。
そんな事務所の、若手3名が新しい事業の「CARNIVAL KITCHEN」を立ち上げたとのことです。プロジェクトのメンバーは中谷丞さん、山本恵子さん、對中剛大さんの3名。
お料理は、本業はランドスケープデザイナーでありながら弁当男子としてOSOTOで連載中の對中さんが担当です。リーダーの中谷さんも同じくランドスケープデザイナー、山本さんはOSOTOの編集を担当されています。そんな3名が始める「CARNIVAL KITCHEN」が、一体どんなプロジェクトなのかを聞いてみました。
一言で説明すると、キッチンカーによるケータリング事業です。メニューは、そのイベントに合わせて色々と開発していく予定です。訪れた地域の農産物を使ったお料理なんかもいいですよね。また、おいしい料理だけではなくて、音楽隊やアート、ワークショップツールなんかを乗せて現地へ出向いたり、“まちを楽しくするプログラム”を乗せて走らせる予定なんです。
また「空間の使いこなし方」についても意識をしていて、何でもない街角やただの空き地が、このワゴンが登場することによって人々が集い、滞留できるようなスポットへ変身することも注目いただければと思います。
事業のお披露目は、ナイトピクニックで
2012年7月27日には「2012サマーナイトピクニック」というプレイベントとして、大阪城公園にて野外のナイトピクニックが実施されました。
招待メールには「極楽橋」という待ち合わせ場所だけが記載されており、大阪城公園のどこでピクニックが行われるかは秘密…。
大阪城のライトアップと月明かりが美しい中、待ち合わせ場所の極楽橋で耳を澄ますと、遠くの方から笑い声が聞こえてきます。その声に誘われるまま、橋を渡り、石段を上っていくと、キャンドルの光がお出迎え。
グッドロケーションの中で美味しいローストビーフやサンドイッチといったケータリングメニューを楽しみました。
水都大阪フェス2012で、いよいよ「CARNIVAL KITCHEN」始動!
水都大阪フェス2012では、いよいよ事業を本格始動。中之島公園に登場し、おしゃれなテイクアウトメニューを取り揃えているほか、「大阪水辺バル2012」の参加店舗としてバルメニューも用意しているとのこと。
バルメニューは「BARCABARのカツサンド」と「中之島ローズサンド」と、「船乗り風ラムトニック」「まち娘風スプリッツァー」ほかビールやソフトドリンクを用意しています。チケット1枚でサンドとドリンクをそれぞれ1品ずつお選びいただけます。
取材時には、ランドスケープ事務所の一角で、らしからぬメニュー談義に花が咲き、プロの飲食事業者ではないからこその“たくらみ”に今後の期待が高まりました。
書道を野外で!?ピクニック書道の成り立ち
続いて紹介するのは「ピクニック書道」。
大阪生まれ、大阪育ちの天王寺のマダムといえばこの方、chiekoさん。御年64歳でいらっしゃいながら、年齢のことなんてみじんも感じさせないパワフルウーマンです。
英会話と書道を長年続けられ、専業主婦をするかたわら、自宅で書道教室をスタート。また、YMCAやユースホステルで外国人のチューター(トーキングパートナー)というボランティアがきっかけとなり、還暦を過ぎてから堺YMCAや長居ユースホステルで書道のクラスを開講されました。個人でありながら、想いを現実へ結びつける行動力のある方です。
書道を極めるとなると、長い年月がかかります。ですが「筆で文字を書く楽しさをみんなへ届けたい」という気持ちから、不定期で書道ピクニックを開催するに到ったということです。
ピクニック書道で広がる輪
長居ユースホステルの協力を得て、長居公園で実施したのが始まりです。休日の昼下がりで時間を設定し、公園にも許可をとり、場所を決めてみんなへ連絡します。時間中に訪ねてもらえれば、誰でも無料で書道が楽しめます。そのかわり高級な半紙は使いません。書きたいもの(紙)をみなさんそれぞれ持参いただくんです。カレンダーの裏、コーヒーフィルター、牛乳パック、新聞紙…墨で書ければ何でもOKです。
実際に遊びに行ってみるとchiekoさん直々に“水筆”を教えていただき、あとは好きに文字(や、絵)を書くだけ。レジャーシートの上、みんなでワイワイと、思いの丈をしたためます。パソコンの文字ばかり見ている毎日とは違い、お日様の下で筆と墨で書く文字は、アートとレジャーが半々という気分に。
9月23日の日曜日に長居公園で行われたピクニック書道の様子
手ぶらで書道が楽しめる環境があれば、気軽に参加できるでしょ?外国人の参加者も大歓迎ですし、逆にもう少ししっかり書道を習いたい方は、書道クラスか、自宅でのレッスンへ来ていただければと思います。
誰でもウェルカムな野外書道は、「ピクニック」という気分にぴったりです。
広がりが生まれれば、繋がりも生まれる。
ボランティア活動を通してネットワークを広げていくchiekoさん。「水都大阪フェス2011」では、レポーターという活動に参加をして、ここでさらに人脈が広がったようです。2011年に活動を終えたレポーターたちは、今では自主的に「Re:porters」としてゆるやかなネットワークを構築しながら2012年も水都大阪を盛り上げる一員として活躍中です。
書道の道を歩んで来ましたが、会社に入ったこともないし、パソコンも出来ないし、ひとりでできることには限界があります。「水都大阪フェス2011」で出会った若い方たちが、チラシ作りを手伝ってくれたり、告知を手伝ってくれたり、力を貸してくださることは本当にありがたいです。みなさんのご協力をいただいて、6月には、念願だった中之島公園で書道ピクニックを実現できました。
6月24日に中之島公園で行われたピクニック書道の様子。
書道というコアを通して多くの人と繋がっていくchiekoさん、そしてボランティアという有志の集まりが、繋がりを育んでいる様子を見ていると、元気が出てきます。
「水都大阪フェス2012」では公募プログラムに見事当選し、「ピクニック書道」が開催されます。年齢や国籍を越えた交流が、「筆で文字を書く」ことを通して行われるのが面白いですよね。
ほかにも、色んな主体が自分の夢やチャレンジを中之島公園に持ち込みます。ピクニック気分でお出かけしながら、見て、触れて、体験することで、遊びにくる人へも新しい風が吹くといいなと思います。
日時:水都大阪フェス2012開催期間(10/13~10/21)限定の移動店舗です。期間中(10/19除く)の営業時間は12:00~21:00。
場所:中之島公園芝生広場
ピクニック書道
日時:10月21日(日)11時~16時 ※荒天中止
場所:中之島公園芝生広場