いよいよ秋本番。運動会シーズンの到来です。もしかしたら、子どもたちが一番楽しみにしているのってお弁当の時間かも…?青空の下、家族で囲んで食べるお弁当って、なぜだか特別においしく感じられますよね。
そんなとき便利なのが紙皿に紙コップ。軽いので持ち運びにも便利だし、洗う手間がないところもお母さんたちの強い見方です。
今では100円ショップなどで気軽に手に入る“使い捨て”のものたち。でも、自然環境のことを考えたら、ゴミを増やすこれらのものを使うことがいい選択だとは言えないのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介するのが、見た目にもかわいいこちらの食器たち。実はこれ、トマトでできた食べられる食器なんです。
この食べられる食器をデザインしたのは、モントリオール出身のデザイナーDiane Leclair Bisson(以下、ビッソンさん)。彼女はケータリングやファストフードを中心に、“食”にまつわる分野で紙やプラスチック製品が浪費されていることに疑問を持ち、消費社会と浪費的な習慣を見直すデザインプロジェクト「the edible project」を立ち上げます。
これらのトマトの食器は、ビッソンさんとイタリアのフードデザイン協会「Fooda」とが協同し、2011年の「Salone in Milan(ミラノサローネ国際家具見本市)」に出品したものです。デザイン性はもちろんのこと、サクサクとした歯ごたえのものから、ゼリー状のやわらかいものまであり、食べ物に合わせて選べる楽しさも魅力。
この作品は、今年の「Core77 Design Awards」で、フードデザイン賞を受賞しました。
食べられる食器は、熱いものから冷たいもの、また液状のものにも耐えられるものが作れるそう。ほかの野菜などを使えば違う色や、風味も変えて作れる可能性も。近い将来に、お皿の上のものをきれいに食べ終えて食事を終えるのではなく、お皿そのものを食べ終えてから「ごちそうさま!」を言う日がくるかもしれません。
使い捨ての食器や、プラスチック製の食品パッケージには衛生面で優れているというメリットがあります。ほかにも、水が貴重な地域においてはお皿を洗わないで済むという利点も。洗剤による水質汚染も防げますよね。これらを一概に“良くないもの”とするのではなく、あらゆる視点から検討して使い分けていくことが大切なのではないでしょうか。
食べることは生きる上で欠かせないこと。だからこそ、できるだけ地球に負担をかけない方法を考え、人類が地球上のあらゆる生命と共存できる方法を見つけていきたいですね。
(Text: 杉本真奈美)
[via Co.DESIGN]
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