先日紹介した「Social Good Summit」でテーマになっているような、ニューメディアやテクノロジーの発達は、社会問題の解決だけではなく、途上国のミュージシャンの活動を応援することにもつながっています。以前、greenz.jpではケニアのスラムで音楽で生計を立てることに夢を持つ若者を支援する音楽レーベル「AMP MUSIC」を紹介しました。
インターネットを通じて、アフリカの若者たちのつくり出した音楽を聞いてもらう機会を増やし市場を作り出しているAMP MUSIC。前回紹介したときから、時間が経過し現地での活動にも変化が起こりました。現地ではスタジオにいるプロデューサーのほうがミュージシャンより力が強く、様々な問題が生じていました。スタジオ代が高くてなかなか払えなかったり、しっかりとお金を払っているにも関わらず、時間が十分にとってもらえなかったりと、曲自体はあるのに録音できないから販売ができない状態でした。
活動を続けるうちに、ミュージシャン同士の結束が強まり、仲間たちと地元のラジオ局が一緒になって寄付を集め、アパートの部屋を借りて小さなスタジオを作りました。スタジオ付きのエンジニアの人を雇い、自分たちでレコーディングが可能な状況を作り出しました。
少しずつ未来を見て自分たちで活動するように
AMP MUSICの活動を行なっている梅本さんは、活動を開始したころは現地のミュージシャンが自分たちでスタジオを持つようになるとはとても予想できなかったと語ります。活動を始めたころは、ミュージシャンたちは音楽の定収入がない状態でした。それが少しずつ音楽が売れるようになり、音楽の定収入ができたこと。そして、自分の会ったことのない、知らない誰かが音楽を聞いてくれてることで音楽に対して自信を持つようになったのです。
彼らは以前、基本的にはその日暮らしの状態でした。収入が安定しないため、あまり先のことを考えない。将来を考えることはしていなかったんです。それが定収入と自信が生まれたことで変化し、彼らは将来を見るようになりました、もっと自分たちでできることがあるんじゃないかと考えるようになったんです。
物事を見るスパンが長くなり、自分はミュージシャンなんだという自負も生まれました。その結果、自分のスタジオを持たないと自分の音楽を改善させられない、だからスタジオつくりたい、そう考えるようになりました。活動を始めた当初は、夢物語だと思っていたようなことを自分たちで実現させた、これにはとても驚かされました。
スタジオの運営費を音楽の売上から支払うために
彼らはスタジオを手に入れましたが、まだ運営費は最初に集めた寄付でまかなっている状態。スタジオがある地域の人たちの平均の月収は日本円にすると約6000円。通常スタジオ代を支払うには、彼らの2,3ヶ月分の月収に相当する金額が必要になるそうです。彼らの所有するスタジオでは相場の半分ほどの金額で運営しようと考えているそうですが、それでも一回のレコーディングに月の月収分の金額が必要になります。
AMP MUSICではは彼らの音楽がより多くの人に買ってもらえるようにすることで、音楽の売上を伸ばし、その金額からスタジオ代を支払えるようにしていきたいと考えているそうです。AMP MUSICではより多くの人にアフリカのミュージシャンの曲の素晴らしさを知ってもらうために、スタジオの運営を軌道にのせるためにCAMPFIREにプロジェクトを掲載しています。
彼らの音楽に興味を持たれた方、ぜひCAMPFIREのプロジェクトをチェックしてみてください。
AMP MUSICについて調べてみよう。