新潟市にて、市民がつくる「水と土の芸術祭」が開催中です。地元のアート好きの間では“みずつち”の愛称で呼ばれる芸術祭。いったいどんなアートフェスティバルなのでしょう?
「水と土の芸術祭」=“みずつち”とは?!
水と土の芸術祭実行委員会が主催する「水と土の芸術祭」は、水や土に支えられて培われた新潟の文化を、アートの力で国内外に発信することを目的として、2009年に始まりました。
2回目となる今年のテーマは「転換点~地域と生命 (いのち)の再生に向けて~」。会期中は、開催プロジェクトは「アートプロジェクト」、「市民プロジェクト」、「シンポジウム」の3つの柱で構成され、芸術祭だけではなく、新潟市民が主体となって地域の魅力を発信するイベントなどを開催。新潟市内各所でプロジェクトやアート作品が展示されます。
市民による新潟の「おもてなし」!
“みずつち”が目指すのは、市民や地域が主体となって関わることのできる、参加性の高い芸術祭。3つの柱の1つ「市民プロジェクト」は、まさに市民が中心となり、芸能、アート、食、おもてなし、まち歩きなどを通して、水と土に育まれた新潟市の暮らし文化の魅力を引き出し、来訪者をおもてなしする市民主体のプロジェクトです。
たとえば、新潟の「水と土」や「地域のにぎわい」をテーマに市民によって撮影された映像作品を上映する短編映画祭や、留学生や中学生が、ビジターの「おもてなし」に挑戦する「新潟コンシェルジュ」など。
また「食」がテーマの「新潟シェアキッチンプロジェクト」では、メイン会場の一角に新潟の食を楽しめる“シェアキッチン”を設置。食に関する様々なワークショップやイベント、晩餐会を開催します。
イベントのみならず、まちづくりや地域の活性化に繋がる多彩なプログラムが市内各所で行われるほか、こどもの感性や地域への関心を育てる、創造の体験プロジェクト「こどもプロジェクト」も行われます。
芸能、アート、食、おもてなし、まち歩きなど、イベントのみならず、まちづくりや地域の活性化に繋がる多彩なプログラムや子供の感性を育てる、創造の体験プロジェクトが新潟市内各所で開催されます。
芸術祭発の新潟ブランド
芸術祭をきっかけに生まれた新ブランド「blue&brown」は、メイン会場を訪れた人をわくわくさせる、芸術祭の公式ショップです。芸術祭参加作家の関連グッズはもちろん、「新潟を誇りに思う人が少しでも増えてほしい」という思いから、デザイン的に優れ、かつ新潟らしい商品を開発したり、選んで紹介していきます。
ブランド及びショップの企画・運営は、新潟のクリエイト集団hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)。ロゴデザインは、新潟のデザイン事務所 frameの石川竜太氏が手がけました。ここでは「水と土の芸術祭2012」のタイトルロゴをデザインした、アートディレクター・森本千絵氏デザイン監修によるオリジナルグッズなども購入できます。
水と土の恵みを受ける一方、長い歴史の中で、自然災害なども経て、独自の食やくらし、文化を築いてきた新潟市。その魅力を市民主体で発信し、次世代へとつないでゆく“みずつち”。大掛かりなトリエンナーレやビエンナーレも増えてきましたが、等身大、かつ市民の地元への愛を大事にしている本芸術祭は、肩肘張らずに新潟という土地そのものの魅力を五感で体験できそう。
会期も5ヶ月半と長いので、何度も足を運んでみたくなりますね。東京から新幹線で約2時間。これまで知らなかった新潟の魅力を発見しに、ぜひ行ってみてください!
「転換点~地域と生命(いのち)の再生に向けて」
会期:7月14日(土)〜12月24日(月)
会場:万代島旧水揚場(メイン会場)、旧齋藤家別邸、信濃川やすらぎ堤、ほか市内各地。
料金:当日 一般2,000円 /学生・65歳以上1,500円/高校生600円。中学生以下無料
開催プロジェクト:水と土の芸術祭は3つのテーマを軸とし、感性、記憶、言葉。それぞれの側面でテーマを捉えます。
<参加作家一覧>(順不同)
石川直樹、イリーナ・ザトゥロフスカヤ、宇梶静江、大友良英✕飴屋法水たち、梶井照陰、華雪、カミン・ラーチャイプラサート、坂巻正美、佐々木愛、下道基行、白川昌生+小野田賢三、曽我部昌史+神奈川大学曽我部研究室、タノタイガ、冨井大裕、Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)、西野達、原口典之、日比野克彦、藤浩志、藤井光、吉原悠博、wah document、渡辺菊眞+高知工科大学渡辺研究室ほか
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