東日本大震災から約1年半。大震災以降、「可能なら自然エネルギーを利用したい」と思いながらも、「まだ生活に取り入れられていない…」という方も少なくないのではないでしょうか。
そこでグリーンズが提案しているのが“部分的オフグリッド”です。スマートフォンやノートPCなど自分の持ち物だったり、家のひとつの部屋の明かりだったり、暮らしの一部から少しずつ自然エネルギーにシフトしていく。そんなあなたにおすすめなのが、サンフランシスコで生まれたソーラーキット「ReadySet」です。
こちらの「ReadySet」、たった数時間太陽にあてて発電することで、なんと10台のスマートフォンの充電をすることが可能なのです。まずはこちらの動画をご覧ください。
いかがでしょう?コンパクトかつシンプルなつくりで、おうちにあっても邪魔にならずに気持ちよく電気を充電できますね。音楽をかけながらアウトドアでPC仕事ができるのも素敵です。
この商品を開発したのは、サンフランシスコで2009年に創業したFenix Internationalというスタートアップ企業。代表のMichael Linさん(以下、リンさん)はスタンフォード大学出身で、アップル社でエンジニアをされた経験も持つ方です。開発途上国のためにエネルギー系の商品を企画・開発することを目的に設立され、この商品もアフリカの電力不足の解決のために生まれたものでした。
世界では15億人が電気のない生活を送っています。と同時に、携帯電話を持っている人は6億人にも上ると言われています。アフリカ大陸の一国、ウガンダでは、みんな携帯電話は持っているものの、電力不足により生活で十分に携帯電話を活用することができませんでした。リンさんはそこに注目し、携帯電話が充電できるソーラーキットを開発することにしたのです。ウガンダでは既に「ReadySet」は2,000台が導入され、なんと充電することで生計を立てる人も生まれたのだとか!
さらに、2012年の終わりまでにアフリカ全土で4,000台以上の導入を目標として「Kickstarter」に掲載したところ1日で150万円が集まり、最終的に約112,000ドル(約900万円)のファンドレイズに成功しました。この資金は、今後のアフリカでの研究開発、ならびに製造に充てられる予定です。
地震やハリケーンなどの災害時に必ず困るのは、電気が使えなくなること。「ReadySet」があればラジオや携帯電話を充電し、避難先で情報を得ることもできるようになるので、重用されそうです。今後も大規模な震災が日本各地で起こると言われている今だからこそ、このようなエコにも防災にも役立つアイデアが必要とされるかもしれません。
(Text:緒方康浩)
[via Kickstarter]
こんなソーラーチャージャーもあります。
これ以外にも、太陽光発電のアイデアはたくさんあります。