例えば、あなたが新しい事を始めたいと思っているとして。 その場にいる人たちがそれを全力で応援してくれたり、アイデアを出し合えるコワーキングスペースがあるとしたら、嬉しいですよね。
今年3月にオープンした「原宿テラス」は、そんな「マイプロジェクト応援型」のコワーキングスペースです。
用事がなくても、仕事でなくてもぶらりと遊びに行きたくなるような、たくさんの人から愛される他にはない優しい雰囲気が魅力です。
現在入居者を募集している「原宿テラス」の、他にはない魅力をお伝えします!
青空の下で仕事しよう!用途自在の開放的なテラス
原宿テラスは原宿駅から徒歩5分、駅前の人ごみを抜けた落ち着いたエリアにあります。
ここの一番の特徴は、なんといっても目一杯に空が広がるウッドデッキの大きなテラス。利用者は原宿テラスの玄関からではなく、まずこのテラスへの通路を通り、テラスの出入口からワークスペースに入ることになります。
晴れた日には机を出して仕事をしたり、バーベキューをしたり、芝で昼寝をしたり、ヨガのワークショップが開催されていたりと、幅広い用途が可能です。都心のど真ん中で、こんなに広い空を仰ぎながらヨガができるなんて最高ですよね。
「ちゃぶ台」はアイデアの苗床
原宿テラスの設備でもう一つ特徴的なのが、この広々とした空間と、真ん中のちゃぶ台。ちゃぶ台で会議をすれば、周りの入居者にも当然その内容が聞こえますが、時にはたまたま居合わせた人が思いもよらないアイデアをぽろっと出してくれたりも。他の入居者に意見を求めたり、一緒に考えたりと、ブレイクスルーが自然に起きる環境なのです。まさにちゃぶ台は原宿テラスの「アイデアの苗床」。
ちゃぶ台を囲んでミーティングしている会社といえば、世界に一つの素敵な本を次々出版しているミシマ社がありますが、原宿テラスもミシマ社に通じる、風通しがよく、リラックスして会話でき、自由にアイデアを出し合えるような柔らかな雰囲気があります。
開放的なテラスとちゃぶ台。 この二つに象徴されるように、原宿テラスは「誰にとってもオープン」で、かつ「その場でコミュニケーションが起きること」をなによりも大切にしているコワーキングスペースなんです。
(左)土田智憲さん、(右)黒田知範さん
原宿テラスの運営者は黒田知範さんと土田智憲さんの、二人とも24歳の「とものり」コンビ。「くろちゃん」「つっちー」と呼ばれ、みんなから親しまれています。まだ若い二人は、どのような経緯でこのスペースをオープンさせたのでしょうか?
「肩肘張らない出会い」が生まれる場所を
一年半ほど前にNYに行き、ノープランでその日その時の情報を頼りにあちこちを訪れていた時、Social Companyの市川裕康さんから「オススメの場所があるよ!」とメッセージをもらいました。
その場所とはNYのコワーキングスペース「New Work City」だったんです。ここでは一人一人がお客さんにならずに、互いにリスペクトしあい、社会に何か仕掛けていこうとしていました。自分自身がこういう場所で働いてみたいと思ったんです。
なるほど。では、そこから原宿テラスのオープンに至った経緯は何でしょう?
帰国した後、去年の6月に渋谷のカフェで仕事をしていたら、偶然となりに座っていた、菊池さんという不動産会社の代表取締役の方に突然、話しかけられたんです。で、僕がNYで見てきたことを話したら、盛り上がって。
その時はそれで別れてしまったのですが、その5ヶ月後、「ちょうどいい物件があるから、コワーキングスペースを初めてみないか?!」と連絡をいただいて。そこからがスタートでした。
すごい出会いですね!菊池さんは、過去に賃貸オフィス用に内装のリフォームを手がけた物件が半年ほど空き状態だったために、「そこを使ってなにか面白いことができないか?」と適任者を探していたそうです。
そんな始まりだったので、僕らも「その時その人が求めている相手に偶然出会えるような、肩肘張らない出会いが生まれる場所を作りたい」と、原宿テラスのコンセプトを決めました。
「一度も会話をすることなく帰る人がいたら、コワーキングスペースとしては失敗」と、土田さんがNYで出会ったNew Work Cityのオーナーは教えてくれたそうです。
当時、新卒で大企業に就職し働く中で、コミュニケーションが軽視される環境に違和感を感じ、疲弊していた僕にはこの言葉が突き刺さりました。
話題性や、収支にこだわったコワーキングスペースではなく、自然にコミュニケーションが生まれる空間でありたい。だから、僕たちは人の自然な流れを大事にしています。
確かに、交流会やネットワーキングパーティーをわざわざやらずとも、原宿テラスには自然に人と人とが出会い、会話が発生する居心地のよさ、自分の家に帰ってきたようなホッとする感じがあります。それを反映してか、ここで開かれるイベントは、生身の人間同士の関わりを大事にするような内容が多いのだそう。
アキタ朝大学の様子
例えば、アキタ朝大学。入居者の一人である太郎さんが、2年前から東北・秋田で「世界中の秋田人が学び、対話し、つながる場」と始められた会です。終わったあとは、みんなでちゃぶ台を囲んでおむすびを食べながら語り合うなど、ゆったりとした時間が流れます。
イベント会場や、Ustreamの中継スタジオ、写真のスタジオとしても貸し出しています。やりたいことのアイデアのある人は、まず僕達に相談してくれれば、協力しますよ! 一緒に内容や告知の仕方を考えたり、集客しやすい雰囲気づくりができたら最高ですね。
私も自分のUST番組「ナンパの手帖」で使用させてもらってます。
誰でも歓迎!きっかけ生み出す「コワーキングデー」
原宿テラスには、黒田さんと土田さんの手によって、人と人がつながり、やりたい事に向かって一歩踏み出せるような仕組みがたくさん用意されています。
たとえば週一回、入居者以外にワークスペースを開放する「コワーキングデー」。 金曜日の10〜18時なら、一日1000円で誰でも原宿テラスの仲間になれます。 終わったあとは、料理人修行をしていたという黒田さんが、ダッチオーブンを使って料理をふるまう食事会「くろだめし」。身も心もくつろげます。
利益にはならなそうですが…。なぜ、こんなイベントデーを設けているのでしょうか?
自分のプロジェクトについて気軽に話しあえる場所を作ることで、仲間を見つけたり、行動を起こすきっかけになればと思って始まりました。
入居者だけでなく、外の人のマイプロジェクトをも応援する場所でありたい。そうして、原宿テラスを好きになってもらって、一緒に創っていければ、と思います。
初回は13人も訪れ、大盛況だったとか。
ノマドのための料金プランも!メンバーはテラスの生態系
原宿テラスは、料金体系も個性的。「木」「種」「花」などの生態系をイメージしたプラン名で、「それぞれが自分の役割を創りだしながらフラットに繋がって、生態系を成すのだ」という精神を表しています。(詳しくはこちら)
ユニークなのは、原宿テラスから半径100km以上離れた地方に拠点を持つ人なら、月額4000円で東京のサテライトオフィスとして使用できる「渡り鳥」プラン。2拠点でノマドワークを行う人には最適ですね。これも、土田さんが秋田出身であり、原宿テラスが地方と都市をつなぐハブになったらという想いから実現しました。
また最近、世界中200以上のコワーキングスペースが連携した相互利用プログラム「国際コワーキングVISA(Coworking / CoworkingVisa)」にも加盟し、原宿テラスのメンバーシップに入ると海外の加盟コワーキングスペースを利用することも可能に!世界とも繋がれるハブになりました。
他にも、その時に居る人のプロフィールがWEB上で一目でチェックできる「チェックインシステム」(原宿テラスを愛する有志のプログラマーたちで自作したそう!)など、会話のきっかけを生む仕組みが散りばめられています。
アイデアの火種はみんなで育てる!生身の人と出会う場所
そんな風にコミュニケーションが自然に発生する原宿テラスには、「本音で協力し合う感覚」が当たり前にあると土田さんは言います。
ポスターのデザインを考えていて、自分一人では行き詰まってしまっている時に、誰かから助言をもらって、良いアイデアが浮かんでくる、なんてことが自然に起こるのが原宿テラスの良いところ。
ここは誰もがお客さんにならず、自分たちでベストな働きの場を共創していく場。受け身ではなくみんなでリソースを持ち寄って創られています。それが会社運営のシェアオフィスとは最も違う点です。
全員がフラットな、お互いに注目して面白がりあえる場であることが、出会いとクリエイティブが生まれる核になっているんですね。
応援しあったり、その人らしい才能を伸ばし合ったりすることが、もう当たり前のように起きています。これからも、生身の人間らしさを大事にする人が集まる場所にしたいし、そのための仕組みを作ってゆきたい。
何年かして原宿テラスを卒業した人が、フラっと来て入居者の背中を押しに来てくれるような、そんな関係性の濃い場所にしたいです。
土田さんの例を借りるなら、アイデアの火種に着火できる場所。火打石はあるけれど、火を起こす金物は持っていなかった人が、他の人と出会い、かちあって、火が生まれる。環境と人に恵まれた原宿テラスはまさに、マイプロジェクトの火種が、多くの人を暖めるキャンプファイヤーにまで育ってゆく場所だと言えるでしょう。
自由で笑顔でいられる場所
「良い仕事」をするための場所に、必要な条件とは何でしょうか? それは、かっこいいインテリアや話題性、あなた以外のイケてる入居者などの他にも、あるような気がします。「自分が自由でいられる場所であること」「みんなが笑顔でいられる場所であること」。原宿テラスには、そのどちらもがあるように感じました。
コワーキングスペースのオープンラッシュにより、名前もコンセプトもインテリアも似たり寄ったりの場が増える中、みんなが他の入居者の事を真剣に考え、居心地のよい場所であるべく全員で創意工夫し続ける原宿テラスは、その意味で特異な存在と言えるでしょう。
すでに寡占状態のコワーキングスペース市場、これから自然淘汰が始まることは必須ですが、その中でも原宿テラスはその二つの価値を大事にする、他にはないコワーキングスペースとして、多くの仲間たちに愛され続ける場所になるのではないか、と私は想像しています。
今、原宿テラスは新たな入居者を募集中だそう。
「ITやクリエイティブ系の仕事以外でも、社会起業家やアーティスト、ファッション関係など、いろんな人が入居するアパートみたいな場所にしたいので、まずはお茶を飲みに来るような気持ちで来て下さい!」
と、”とものり”のお二人。ぜひ一度、自分のアイデアの種を広いテラスに蒔きに、原宿テラスに遊びに行ってみてくださいね。