世界最大級の規模を誇り、毎年イタリア・ミラノで開催されるデザインの祭典ミラノ・サローネ。今年は来場者数が33万人を超え、世界中からデザイン関係者も訪れます。中でも「サローネサテライト」という部門は、世界の若手クリエイターの登竜門的存在となっています。
今回ご紹介するのは、そんなサローネサテライトで大賞をとったこちらの「DECAFÉ」。普段は捨てられてしまうあのゴミがから出来ています。一体どんな原料なのでしょうか?
答えは、なんとコーヒーをいれた後の出し殻なのです!
確かに、カフェでアルバイトをしていると、毎日大量に出るゴミなのに、とってもいい香りがして、何だかそのまま捨ててしまうのに気が引けてしまったことがあります。
使われる出し殻は、エスプレッソマシーンで抽出された後に圧縮•加熱されたもの。もちろんその手触りやコーヒーの香りまでも楽しめます。伝統的な台所用具をつくる技術を応用しているとのことで、この形にする技術を習得するまでに2年かかったそうです。
プロトタイプとして制作されたのは、コーヒータイムが楽しくなりそうなお皿やルーム、フロア、デスクの3種類のランプなど。本物のコーヒーがほんのり香るなんて好きな人にはたまらないですね。
デザインしたのはスペインのデザイナーRaúl Lauríさん。「生分解性の素材として再利用できるコーヒーの出し殻に、人々の感情に訴えるような第2の人生を与えること」という考えのもとに制作したそうです。
ただ飾るだけでなく、ランプやお皿のように暮らしのイメージが沸くというのも評価を受けた理由の一つかもしれません。ゴミになるはずのものが再利用され、デザインの力で第2の人生を手に入れる。一つのサイクルが出来上がっていて素敵ですね。
(Text: 手塚芳子)
[via: CORE77]
デザインで第2の人生を手に入れる。まだあります、アップサイクルプロダクト!