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途上国に”留職”して現地の課題を解決!これからの”グローバル人材”を育てる「クロスフィールズ」 [マイプロSHOWCASE]

留職中。現職の知識を生かし、現地NGOの事業に貢献する

留職中。現職の知識を生かし、現地NGOの事業に貢献する

「会社の仕事は頑張っているけど、自分の情熱や想いはどこか別のところにある気がする」「海外の厳しい環境の中でもっと自分の力を試す機会がほしい」そんな思いを抱えているビジネスパーソンの方、結構多いのではないでしょうか。

一方、「我が社も新興国市場へ進出をしたいけれど、足がかりがない」「グローバルな環境で通用する人材を育てたい」そんな思いを抱えている企業も、最近多いのではないかと思います。

今回はそんな志あるビジネスパーソンと企業の両方にぜひ知ってほしい“留職”プログラムを運営する「クロスフィールズ」の取り組みをご紹介します。

“留職”プログラムって?

“留職”とは、企業で働く人が新興国のNPOや行政機関に一定期間赴任し、本業のスキルを活かして現地の社会課題解決に向けた活動に挑むというものです。ワーキングホリデーやボランティアとは異なり、参加者は期間中に明確なミッションを持つこと、また、企業の持つリソースを活用しながら業務にあたるという点がとてもユニークです。

「クロスフィールズ」では企業からの依頼を受け、ニーズに応じてプログラムをカスタマイズし、最適な留職先団体とのマッチングを行います。また、コーディネーターは現地業務の最初の1週間ほどは参加者に同行し、現地でのブリーフィングや参加者の業務内容を固めるためのサポートなども行います。

とかく一般の企業研修は「研修の最中は学びがあっても、現業に戻ってからそれを活かせない」という状態に陥りがちですが、「クロスフィールズ」では、プログラムの設計段階から、帰国後に参加者がこのプログラムをどのように本業で活かしていくかというゴールを設定します。そのゴールを念頭に置きながら活動するため、参加者は現地での経験を本業にいかすことができるのだそう。

適切な留職先のマッチングと業務内容の設計は非常に難しい作業ですが、留職をコーディネートする担当者がみな豊富なビジネス経験と国際協力業界での実務経験を持っているという強みがあってこそ、できることだと言えるでしょう。

ベトナムでの留職の様子

ベトナムでの留職の様子

冒頭の写真はパナソニックの日本人社員がベトナムに留職したときの様子です。今回は、プロダクトデザインを専門とする技術職社員の方が、ソーラークッカーという太陽光を活用した調理器具を作るNGOでの活動に従事しました。

このベトナム留職では、実際に現地に赴く留職者1名と、日本に留まって留職者の支援にあたるリモート留職者4名の計5名がチームとして参加しました。ベトナムに行く前からチームで綿密に計画を立て、現地業務期間にはビデオ会議やFacebookなどを駆使して連絡を取り合いながら活動にあたりました。この結果、パナソニックの専門とするものづくりの知識・経験を活かし、従来品よりも低いコストで製造できる試作品を製作することに成功したのです。

留職プログラムのメリット

カンボジアでの留職の様子
カンボジアでの留職の様子

留職プログラムは、受け入れ先のNPOと派遣元の企業、どちらにとってもメリットが期待できます。

受け入れ先のNPOにとっては、企業で働くプロフェッショナル人材のスキルを活用することで、団体の活動をさらに加速させることが期待できます。また、高いスキルを持ったビジネスパーソンが一緒に働くことは、スタッフのレベルが底上げされるなどの組織力強化にも繋がるようです。

一方、派遣元の企業にとっては、”人材育成”と”新興国市場の開拓”という2つのメリットが期待できます。

まず人材育成面では、グローバルな環境でも活躍できる人材になるための成長の機会が期待されます。会社の看板を外して自分の力で新興国の社会課題解決に挑むことは、ある種の修羅場経験になります。そうした厳しい環境に追い込まれることが、コミュニケーション能力の向上やゼロから事業を立ち上げる構想力や実行力の向上といった、大きな成長につながるのです。

また、留職中は多くの場合において参加者がプロジェクトマネージャーとしての役割を担うこととなるため、小規模ながらも事業全体を見渡す経営者視点を持つことができるなど、リーダーシップの育成にも大きな効果があります。

そして”新興国市場の開拓”という観点でも、社会課題の解決に取り組む過程で、社員が新興国の市場を肌感覚で理解することができます。参加者は現地でホームステイをすることもあり、現地の人々の生活を彼らと同じ目線で内側からじっくり把握することができます。こうした市場の深い理解は、新興国市場を開拓していく上での土台になるのです。

社会の未来と組織の未来を切り拓くリーダーを創りたい

CROSS FIELDS代表小沼さん
クロスフィールズ代表、小沼さん

これからの企業は、経済的価値と社会的価値の両立を意識して経営をしていかなければ、ビジネスはうまくいきません。利益を追求することと社会貢献とを切り離して考える時代は終わり、その二つを同時に実現していかなければいけない時代なのです。

そもそも日本企業は昔から「売り手よし、買い手よし、世間よし」という三方良しの考え方を目指してきました。それがいつの間にか、企業は利益追求だけに走ってしまった。そのために、本当は社会のために働きたいと思っている人たちが、情熱の持って行き場を失い会社を辞めてしまう。そんな”もったいない”状態をなんとかしたいとずっと思っていたんです。

企業活動の原点へと回帰して、社会の未来と組織の未来の両方を見通すことのできる人を、組織にいながら育てられるような仕組みを提供していきたいと考えるようになりました。

こう語るのは、クロスフィールズ代表の小沼大地さん。そんな思いから”留職”のアイデアを温めていたところ、2008年ごろから米国企業を中心に急速に広がりつつある「国際企業ボランティア(International Cooperate Volunteering、以下ICV)」という取り組みがあることを知ります。このICVという取り組みはIBM社などで導入され、その成果が高く評価されているそうです。そこで小沼さんは、日本版ICVとして日本企業と新興国NPOをつなげる留職プログラムを始めたのです。

「グローバル人材=英語を話せる人」だけではない

アメリカでは今、ICV、つまり「留職」が大きな注目を集めています。小沼さんはその理由を求め、アメリカへと旅立ちました。しかし、そこでアメリカ企業の担当者から聞いた答えは意外なものでした。アメリカ企業がいまICVに取り組むのは、「グローバル人材が欲しいから」だそうなのです。

現在の日本では「グローバル化に対応して英語力を」と、あたかも英語力のある人を”グローバル人材”だとみなすような風潮があります。しかし、アメリカ人は当然英語が話せます。それなのに、”グローバル人材”を必要としていると言うのです。

その理由は明瞭でした。

先進国の市場は今後、縮小していきます。従来は、先進国が途上国に、先進国のやり方を押しつける形でビジネスをやってきました。先進国の市場を優位に考えた従来のビジネスでは、そのやり方は通用したでしょう。しかし、これから企業はインドや中国をはじめとした新興国の市場に乗り出していくことになります。

そこでは、現地の人々のことを理解して、現地の人々と一緒に何かを作っていくというアプローチをしなければ、その国でビジネスは成功しないのです。だからこれからはMBAよりもICVで、アメリカ企業は人材を育成しているのです。

つまり、”グローバル人材”とは自国のやり方を正しいものとして押しつけていくのではなく、異なる文化や価値観の人たちの考え方を理解し、同じ目線で物事を考え、そして一緒に何かを作り上げていける人なのだ、と小沼さんは語ります。だからこそ、新興国の現場に行って同じ目線で仕事をする機会が必要なのですね。

すべての人が”働くこと”を通じて想い・情熱を実現することのできる世界をつくりたい。そんな思いから生まれた留職プログラム、あなたの会社でもぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

クロスフィールズについてもっと調べてみよう。

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